農林水産省は11日、民主党・農林水産部門会議に来年度から本格実施する戸別所得補償制度の検討方向案を示した。米に加え、麦、大豆、ナタネなど6作物を対象とし、品目ごとに生産数量目標に従って生産する販売農家と集落営農を支援する。米は本年度のモデル対策の仕組みを踏襲。地域農業に重要な作物の振興には、新たに地域の裁量で地域特産物の振興などを支援できる産地資金(仮称)を創設する。畑作物は「面積払」と「数量払」を併用し、収量や品質向上への意欲向上を促す。不耕作地への作付けを支援する再生利用加算などの加算措置も提示した。政府・与党は24日から検討を本格化し、8月末の来年度政府予算概算要求に向け、制度の具体化を急ぐ。
対象品目は水田・畑作で、〈1〉恒常的なコスト割れ〈2〉食料自給率の維持・向上のため、国民の食生活上特に重要〈3〉ほかの作物と組み合わせた生産が広く行われている――を基準に選定した。
米の所得補償は、本年度実施したモデル対策の仕組みを基本とする。定額部分は、標準的な生産費を「経営費+家族労働費の8割」として、標準的な販売価格との差額を全国一律単価で面積払いする。また、現行の水田・畑作経営所得安定対策の収入減少影響緩対策(ナラシ対策)は廃止し、変動部分は米価変動に対応する補てん交付金に一本化。単価は全国一律とし、算定には全国平均の相対取引価格を使う。
水田利活用の所得補償事業は、水田作の麦、大豆、飼料作物、米粉用・飼料用米、稲発酵粗飼料(稲WCS)、ソバ、ナタネ、加工用米を戦略作物とし、主食用米並みの所得を確保できる水準の単価(全国一律)を面積支払いする。
また、本年度実施した激変緩和措置を発展的に解消し、産地資金(仮称)に刷新。地域裁量をもとに、〈1〉地域特産物の振興〈2〉麦、大豆などの戦略作物の団地化、ブロックローテーション導入〈3〉生産性向上に向けた技術導入――などの支援ができる仕組みを創設する。
畑作物の所得補償は、麦、大豆、テンサイ、でん粉原料用バレイショ、ソバ、ナタネを対象に実施する。
「面積払」の交付単価は、最低限の経費水準として10アール当たり単価を設定し、「当年産」の作付面積に応じて支払う。「数量払」は、全算入生産費をベースにした標準的な生産費と販売価格との差額を60キロ当たりの単価で交付する。交付額の比率は、捨てづくり防止などから数量払の比率を現行の水田・畑作経営所得安定対策の比率よりも高める。
また、麦・大豆など畑作物は産地間・農業間で品質格差が大きいため、数量払は品質に応じて単価の増減を行う(品質加算)。不作付け地を引き受けて麦・大豆などを作付けた場合や、集落営農が法人化する場合、輪作作物の間に地力作物を栽培する場合の加算措置を設ける。
(2面・総合)