農薬に耐性を持つタバココナジラミなどの害虫対策に、高知県安芸地域のナスやピーマンなどの施設園芸農家が、市販天敵と土着天敵を組み合わせた防除を実践している。農家グループが土着天敵を集めて飼育する温存ハウスを設置し、効果的な利用方法を探ってきた。また、県内の夏秋産地と協力して作型の違いを利用した産地間受給にも取り組み、天敵による防除技術が他産地にも普及している。
「昨年はクロヒョウタンカスミカメが最後まで残って活躍し、初めて成功といえる結果だった。テントウムシとのバランスが良かった」とはJA土佐あき園芸研究会ピーマン部長の黒岩正充さん(44)だ。芸西村西分甲で30アールのピーマン促成栽培に取り組む。播種は8月上旬で、9月上旬に定植、収穫は10月初めから翌年の6月いっぱいまで続く。
昨年は育苗段階から市販の天敵資材を育苗ハウスに放った。クロヒョウタンカスミカメとタバコカスミカメは、温存ハウスで育てた米ナスのプランターごと入れる。
定植は、天敵が苗に付着した状態で行った。アブラムシがわく10月ごろ、ナナホシテントウなど3種類のテントウムシ類を温存ハウスや野外で採取して放飼する。ハウスで害虫の発生状況を確認し、害虫が増えていれば対応する天敵を追加していく。
殺虫剤はヨトウムシ対策で全栽培期間中に2回使う程度だ。また、微生物資材などの利用により病気の発生が抑えられるため、殺菌剤による防除は成分換算で慣行栽培の10分の1ほどに減った。昨年は定植前に一度、定植後に二度実施で済んだという。黒岩さんは「30アールの散布には4~5時間かかる。労力的に本当に楽になった」と話す。
土着天敵は、川の土手などの草むらで、草を揺すりシートの上に落として採取する。
(11面・営農技術)
〈写真:自家製の捕虫器で温存ハウスの天敵を採取する黒岩さん。パソコンのキーボードクリーナーを改良した〉