農林水産省は24日、来年度から本格実施する戸別所得補償制度の骨子案を明らかにした。米に加え、麦、大豆など6作物を対象に畑作物の所得補償を導入する。さらに地域裁量で水田を活用した地域特産物の振興などを支援できる「産地資金」を創設。不耕作地への作付けを促す加算措置なども設ける。中山間地域等直接支払制度や農地・水・環境保全向上対策は拡充し、戸別所得補償制度を補完する関連対策に位置づけた。関連対策を含めた予算総額は9100億円。民主党の議論も踏まえ、31日の来年度政府予算概算要求に盛り込む。ただ、自民党などは制度導入に反対しており、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」の中、予算や法案の審議は難航する見通しだ。農家の経営安定や国内生産力を向上させる農政の確立に向け、政府・与党の対応が問われている。
戸別所得補償制度は、米、麦、大豆、テンサイ、でん粉原料用バレイショ、ソバ、ナタネが対象。品目ごとに生産数量目標に従って生産する販売農家と集落営農(農業生産法人を含む)を支援する。
米の所得補償は、本年度のモデル対策の仕組みを踏襲。標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を全国一律単価で支払う。単価はモデル対策と同額の10アール当たり1万5千円とする。
当年産の販売価格が標準的な販売価格を下回った場合は、差額を補てんする「米価変動補てん交付金」を措置。全国一律単価とし、算定には全国平均の相対取引価格を使用。当年産の出回りから翌年3月までの平均価格を用い、5~6月に交付する。
畑作物の所得補償は、農家の単収増や品質向上の努力を促すため、「数量払」を基本とし、「面積払」を併用する。数量払は、全算入生産費(直近3年平均)をベースにした標準的な生産費と販売価格との差額を交付。単価は小麦が60キロ当たり6360円、大豆が同1万1430円、テンサイはトン当たり6410円、バレイショは同1万1600円を基本とし、検査成績に応じた単価格差(品質加算)を設ける。
面積払は、営農継続に必要な最低限の経費水準とし、麦、大豆、テンサイ、バレイショは、当年産の作付面積に対し、10アール当たり1万5千円を支払う(営農継続支払)。
支払いは、面積払を交付後、対象作物の販売数量が判明した段階で数量払の額を確定し、面積払を超えた分を補てんする。
なお、捨てづくりを防止するため、面積払の交付対象は「共済加入者」か「集団で麦、大豆などの生産に取り組む農業者(ブロックローテーション・集落営農)」とする。
ソバとナタネの単価は、本年度の生産費が判明する10月をめどに算定する。
加算措置は、畑作物の品質加算に加え、「再生利用加算」「集落営農の法人化加算」「緑肥輪作加算」を設ける。
再生利用加算は、地域の計画に従って不作付け地に麦、大豆、ソバ、ナタネを作付けた場合に、水田で10アール当たり1万円、畑は2万円を5年間支払う(条件不利地の単価は水田が2万円、畑は3万円)。
法人化加算は、法人化の事務費などとして10アール当たり2千円を1年限りで加算。緑肥輪作加算は輪作作物の間に地力作物を栽培し、畑にすき込む場合に10アール当たり1万円を交付する。
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〈図:戸別所得補償制度に加入した農家の対象作物ごとの助成額〉