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防風林「口蹄疫終息から地域復興へ【2010年8月4週号】」

 ▼宮崎県は、口蹄疫の終息を宣言した。牛、豚など約29万頭の家畜を犠牲にする未曾有の被害となった。発生が集中し、ワクチン接種に踏み切った県東部地域では、すべての家畜を失った。発生から4カ月余り。生産者や関係者には、どれほどつらく長い時間だったか
 ▼今後は家畜の再導入など畜産地域復興に向けた取り組みが始まる。ウイルスの残存が懸念されるため、農場の清浄性を確保し、飼料、家畜の運搬をはじめ農場間を移動する際の消毒など衛生対策の徹底が必要だ。生産者と関係機関・団体が連携し、慎重に進めなければならない
 ▼新たな侵入への警戒や備えも欠かせない。近年は中国や韓国など周辺諸国で口蹄疫が頻発している。農林水産省の疫学調査で、ウイルスは香港や韓国、ロシアで分離された株と非常に近縁だと分かった。現時点で侵入経路は特定できていないが、どこかに侵入を許す抜け穴があるはずだ
 ▼黄砂による侵入の可能性を指摘するのは、筑波大学北アフリカ研究センターの真木太一客員教授だ。日本学術会議と日本沙漠学会が共催したシンポジウムで議論した。黄砂は、中国周辺の乾燥地域の土砂が強風とともに日本に運ばれる現象。3~5月に多く、砂の表面にすき間があり、早ければ1日で日本に到達するなど理由をあげ、「確率は低いが、条件がそろえば口蹄疫ウイルスは温存される」と説明した
 ▼口蹄疫ウイルスは熱や乾燥、強酸・塩基性に弱く、参加した動物衛生の研究者からは否定的な意見が多かった。別の気象研究者は、黄砂から口蹄疫ウイルスの検出を試みていると報告した。黄砂が花粉や微生物を運び、麦のサビ病を媒介することは知られている。これからも研究を続けて事実を究明してほしい
 ▼目に見えないウイルスとの闘いは困難を伴う。しかし、克服は決して不可能ではない。



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