銀座、渋谷、六本木――東京都心に近ごろ、続々と田んぼや畑が登場し、話題になっている。田んぼや畑は、ビルの屋上やプランターを活用するなど方法はさまざまだ。主催者に共通するのは、都会の消費者が身近で農業にふれあい、農や食をあらためて考えるきっかけにしようとの思い。生産者との交流イベントを企画するなど、消費者の農業への関心を高めようと工夫を凝らしている。それぞれの取り組みを取材した。
〈写真=5月23日に行われた田植えでは六本木ヒルズの住民など115人が参加した〉
農業への関心喚起 生・消の懸け橋へ
▽中央区・銀座
東京メトロ有楽町線・銀座一丁目駅から徒歩2分ほど。ビルに囲まれた100平方メートルの敷地内に、30平方メートルの水田が造られた。田植えは5月30日。「少し大きくなったかな」と水田の前で立ち止まり、苗の成長を観察する人も見られる。
「銀座でコメづくり2009」プロジェクトは、貸し農園の企画・運営などを行う銀座農園株式会社の飯村一樹社長が中心になり、都心で農業とふれあう機会を作ろうと立ち上げた。水田は丸太を組んで造り、土や苗は茨城県から運んだ。農薬をできるだけ使わずに「コシヒカリ」を栽培する。
▽渋谷区・渋谷公園通り
渋谷の公園通りでは古代米がプランターで育てられている。新潟県を舞台にまちづくりなどをテーマにした映画「降りていく生き方」の企画スタッフや出演者、渋谷公園通商店街、大学生などでつくる「渋谷田んぼCLUB」が取り組む。
都会の人に農業にふれるきっかけを作り、農業や食料、自然などについて考えてもらうのが目的だ。事務局の小村亮雄さんは「発信力を持つ渋谷で自分たちが楽しく取り組めば、多くの人が興味を持ってくれると思います」と話す。
▽港区・六本木ヒルズ
港区・六本木ヒルズのほぼ中央にある「けやき坂コンプレックス」の屋上(高さ45メートル)に、1300平方メートルの庭園がある。日本の「農の風景」を再現し、130平方メートルの水田や60平方メートルの菜園を設けた。
本年度は秋田県と連携し、「あきたこまち」や「たつこもち」を定植。菜園では同県が育成したエダマメ「あきた香り五葉」や伝統野菜「関口なす」などを栽培する。野菜はヒルズの飲食店で働くスタッフが植え付け、飲食店で利用する予定だ。
〈写真=公園通りの道沿いに置いている稲のプランター〉
○農業共済新聞1面より