農林水産省は15日、2010年度予算概算要求を財務省に再提出した。総額は09年度当初予算額対比6.0%減の2兆4071億円。民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた戸別所得補償制度のモデル事業費3447億円を別枠で計上した。これを加えると同7.5%増の2兆7518億円となる。モデル事業は11年度からの本格実施に向け、主食用米を対象に全国規模で実施する。水田を活用した米粉など新規需要米や麦、大豆の生産を支援する水田利活用自給力向上事業など関連事業をあわせて5618億円を盛り込んだ。現行の産地確立交付金などは廃止する。
政府が9月29日に閣議決定した予算編成の基本方針を踏まえ「民主党が掲げたマニフェスト(政権公約)の推進」「既存予算のゼロベースの見直し」「特別会計改革」を柱に概算要求を作成した。重点事項には、〈1〉所得補償制度のモデル対策〈2〉食料供給力の向上〈3〉農山漁村の活性化対策〈4〉食の安全の確保対策〈5〉農山漁村の6次産業化対策――など7項目を掲げた。
公共事業費は09年度予算額対比15.0%(1493億円)減の8459億円を計上した。非公共事業費は0.3%減の1兆5612億円。目的・手段が類似・重複する事業を整理・統合し、公益法人向け補助金や施設補助金の削減、既存基金のうち残高を国庫に返納する。
戸別所得補償制度のモデル事業は、生産数量目標に即した生産を行った販売農家(集落営農を含む)に対し、標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を全国一律単価で直接支払いする。11月中旬までに生産目標数量と基準となる価格を示す。
販売農家は、経営耕地面積30アール以上または農産物販売金額が年間50万円以上を基本に設定する。標準的な生産費は、家族労働費の8割に経営費を加算した額の数年分の平均をとり、標準的な販売価格も数年分の平均を用いる。差額は定額部分として販売価格にかかわらず交付する。当年の販売価格が大幅に下落し、不足分が生じた場合に追加補てんする仕組みとした。支給対象面積は約132万ヘクタールと見込んでいる。
関連事業として、水田利活用自給力向上事業(2167億円)を新設した。水田を有効活用して麦や大豆、米粉・飼料用米などの作物を生産する販売農家に対し、主食用米並みの所得確保水準の補てんを全国一律単価で交付する。
(2面・総合)