日本農作業学会の2010年度春季大会が15、16日の両日、東京農業大学(東京世田谷区)で開かれ、農作業の効率化などの研究成果が発表された。主食用米をはじめ、飼料用米など、米生産のコスト低減、省力化につながる主な研究要旨を紹介する。
▼ショットガン播種機で行う鉄コーティング種子の湛水(たんすい)直播(発表者=九州沖縄農業研究センター九州水田輪作研究チーム・深見公一郎主任研究員)
ショットガン播種機で鉄コーティング種子を播種する際の打ち込み速度を検討した。三つの試験区(打ち込みディスクの回転数が毎分300回転・600回転・900回転)を比較した結果、600回転区で、苗立ち率が58・7%、10アール当たり収穫量(坪刈り収量)が567キロとなり、ほかの試験区より高い値となった。
〈写真:条数の多いショットガン播種機(12条)を使用した〉
▼粒剤散布用多孔(たこう)ホースによる水稲直播技術(発表者=中央農業総合研究センター北陸大規模水田作研究チーム・元林浩太主任研究員)
市販の動力散布機と多孔ホースで、耕起・代かきをした湛水(たんすい)圃場に、カルパーコーティング(酸素供給剤粉衣)種子を効率的に播種する方法を検討した。乗用条播機と比べて大幅に作業時間を短縮でき、ほぼ同じ苗立ち率が得られた。休耕田を活用してエタノール原料米栽培をする簡易な播種技術の開発を目的とした。
長さ20メートルの多孔ホースを用いて、毎秒0・37メートルの速度で播種した場合、長辺の長い水田では、2人体制で10アール当たりの作業時間は6分となった。これに対し、幅1・8メートル、毎秒0・51メートルの乗用播種機では、28・3分かかった。
▼プラウ耕・鎮圧体系の乾田直播(発表者=東北農業研究センター東北水田輪作研究チーム・大谷隆二上席研究員)
大規模経営に適し、田畑輪換できる新たな耕うん体系として、プラウ耕・ハローによる整地、均平作業の後、グレーンドリルで乾田直播する栽培方法を、岩手県花巻市の大規模農家で現地試験した。2009年は、11圃場中、7圃場で10アール当たり収穫量(全刈り収量)は500キロを超え、うち1圃場は633キロを確保した。
品種は「ひとめぼれ」と「萌(も)えみのり」。プラウ耕・鎮圧体系の乾田直播の開発は03年から進めていて、07年から現地試験を実施している。
▼飼料イネ向けの流入施肥の省力効果(発表者=東北農業研究センター東北飼料イネ研究チーム・関矢博幸主任研究員)
飼料用稲向けの簡便な追肥方法として、コンバイン収穫用もみ袋を用いて硫安を水口で徐々に溶解させ、省力的に均一に流入施肥するもみ袋施肥法を開発した。追肥後の田面水のEC(電気伝導度)の均一性が高いことから、液肥用の流入施肥器に近い精度で追肥できることを確認できた。
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