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POフィルム間に空気を送る「空気膜」で重油代削減(2008年3月1週号・新潟版)

kuukimaku.jpg 【新潟支局】新発田市切梅でバラ園を営む石坂茂樹さんは2006年12月、鉄骨ハウスに2重に張ったPOフィルムの間に空気を送って断熱効果を高める「空気膜ハウス」を完成させた。燃料の重油代を大幅に削減できるほか、風害や雪害等の自然災害にも強いという利点もあり、注目を集めている。

 石坂さんは水稲5.3ヘクタールと、鉄骨ハウス6棟、パイプハウス2棟(約1600坪)で切り花栽培を営む専業農家だ。石坂さんが「空気膜ハウス」を導入したのは06年。燃料となる重油代が高くなり始めたころ、北海道でこのような取り組みをしていることを知り、同年8月に資材メーカーの人と一緒に視察へ出掛けた。

 このハウスは、鉄骨ハウスに2重のフィルムを張り、その間に送風機で空気を送り、屋根面や側面、妻面に厚いところで約50センチの空気層を作るというもの。これによって断熱効果が高まりハウスの保温力も上がる仕組みで、送風機に掛かる電気料金も1台月平均で700円と経済的だ。

 「例年、200リットルドラム缶を1シーズン約750本使用していましたが、重油代が削減できることを考えれば、この空気膜ハウスは採算が取れると考えています。これからも、低コストで高品質のバラを生産していきたいです」と意欲的だ。

<写真:「空気膜ハウス」を指さす石坂さん>