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もみ殻に土着菌 良質な土壌改良資材に【島根県・2016年4月3週号】

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 【島根支局】米を生産する際に発生するもみ殻を、土壌改良資材として活用する取り組みを始めた出雲市灘分町の農事組合法人まめなかファーム新田後(小村正代表理事=68歳、組合員43人、水稲・麦ほか約40ヘクタール)は、近隣の農家を集めて普及講習会を実施。地域全体での土作りと生産米の品質向上に尽力する。
 同組合は、生産過程で出る大量のもみ殻の処分について頭を悩ませていた。そんな中、小村代表は分解しにくいもみ殻を、土着菌の力を利用し短期間で発酵分解できる技術を知り、農業で重要な土作りへの活用を思い立った。
 もみ殻の分解技術を開発した広島市の企業・株式会社アイナ(安藤剛毅〈ごうき〉代表)が発売する「有機発酵促進液」を、米ぬかと合わせたもみ殻に混ぜれば、微生物の力で約2週間で柔らかい発酵もみ殻となる。それを土に混ぜることで、カルシウムなどのミネラル分が増加。ケイ酸が補給され、その効果で根の張りが良く健康な作物ができる。
 小村組合長は「地域全体の米の品質向上を目指すには、土作りにみんなで取り組むことが大切。もみ殻の堆肥化技術を広めたい」と地域農業の向上に活用を進める。

〈写真:「捨てていたものを活用に回せます」と小村代表理事〉