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早期成園化技術「流線型仕立て」の普及へ【大分県・6月3週号】

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 【大分支局】ナシ農家の高齢化や後継者不足、老木園の更新といった課題を解決しようと、中津市では、公益社団法人「農業公社やまくに」が主体となって、早期成園化技術「流線型仕立て」の普及に取り組んでいる。
 県農林水産研究指導センターが考案した流線型仕立ては、大苗を用いることから、同法人では育苗施設を設置して、現在、「あきづき」「豊水」「幸水」「新高」の4品種・計300本を、苗が5メートルになるまで育てている。
 「流線型仕立ては3年で成園と同じくらいの収量になるため、大幅な期間短縮が可能となる」と、同法人代表の清水孝昭さん(56)はメリットを挙げ、関係機関からは、老木化が進んだ圃場の改植の促進や高品質ナシの生産に期待が寄せられている。
 今後は借地70アールで栽培実証を行い、市内ナシ生産者に大苗を販売する予定だ。また、担い手確保を目的に今年から育成研修事業「梨学校」をスタートしていることから、清水さんは「流線型仕立ては未収穫期間が短いので、新規就農者が取りかかりやすいのでは。新技術の普及で少しでも人材不足を補いたい」と話している。

〈写真:育苗施設では4品種・計300本を、苗が5メートルになるまで育てている〉