【石川支局】七尾市花園町の林義太郎さん(72)は、すし専用米「笑みの絆」の生産に取り組んで3年目だ。自身が耕作する2.5ヘクタールのうち、上流域に位置する60アールで栽培する。
笑みの絆は酢のなじみがよく、粘り気が少ないため口に入れるとほぐれやすいのが特長。栽培面では、登熟期の高温に強く、「コシヒカリ」に比べ稈長が短く成熟期がやや遅い。倒伏しにくく、収穫期の労力分散に向く。
林さん方では、初年の試験栽培が話題となり、東京のすし店から購入の申し出があり、翌年から販売を開始。今年も収穫を見込む約2トンをすべて契約栽培している。
昨年は市が呼びかけて、栽培環境の近い市内5地区5農家で試験栽培が行われ、地元の炊飯業者に販売した。現在は主食用と同等価格で取引しているが、業務加工用とあって価格の折り合いが難しいという。
農家や市で組織する業務用米普及協議会では、市内の旅館や飲食店にむけた試食会を開催し、地元での販路の拡大を図っている。
〈写真:「今後も作り続けたい」と生産者の林さん〉