和歌山県紀の川市下鞆渕の中家農園は、経営の柱である柿4.5ヘクタールに野菜作を組み合わせて年間の作業を分散、若手従業員の仕事配分に配慮する。「責任を持って農業をする人を育てるには、柿の収穫期だけでなく常に仕事をつくることが大切」と代表の中家眞樹さん(41)。柿は作期の異なる3品種を組み合わせ、剪定〈せんてい〉や管理時期に収穫できる黒大豆やキュウリなどを導入。寒冷な気候を生かし、真夏の端境期での収穫など需要に合わせた栽培で収入を確保する。過疎化が進む中山間地域で専業農家として成り立つ経営モデルを確立し、地元で就農する若手の育成を図る。
(15面・営農技術)
〈写真:「傾斜地でも柿の収穫や管理がしやすいように整枝している」と中家さん〉