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防風林「購入手段は便利になっても注意は必要【2017年11月1週号】」

 ▼大手ネット通販会社名で「来月の支払い金額の通知」としたメールが届き3万円弱の請求、まったく身に覚えがない。不安を抱きながらホームページを確認すると同社を装った架空請求が横行していると警告する。
 ▼少年期の昭和50年代、商店街の精肉店や青果店に現金を握り締めお使いの記憶。当時のにぎわいは幻か帰省のたびに一軒また一軒と閉店している。今や大型ショッピングモールの乱立状態で盛況なモールも、同じ商圏内に新たな施設が誕生すると客は流れ、閉鎖もありの大激戦という。
 ▼ネット通販は年間総取扱額が約6兆6千億円でさらに拡大基調という。農業資材専門店も増え、「低価格のうえ商品到着が速い」と農家。寸法など規格が多彩な資材は店舗に在庫がないときが多く、数日で宅配される通販は"取り寄せ"より便利という。価格も全国一律なので地方格差がなくてたいがい安く購入できる。
 ▼書籍は話題本以外は数週間で書店の書棚から除かれ返品済みの場合も。大型書店がない地方にいても、通販サイトで探せばたいがいの書籍は見つかる。仕事で『日本植物病名目録』が必要になり、発行団体や書店にも絶版で在庫がないという。通販の古本サイトでようやく探しあてた。
 ▼新聞分野では一般紙から業界紙まで電子版の配信が増えてきた。ネット普及の善悪は別として、物と情報を取得する手法の過渡期なのだろうか。人が介在しない商品取引は架空請求などの犯罪被害リスクも高まり、より慎重で上手な使用が求められ、注意が肝心。