農研機構は、高品質な稲WCS(発酵粗飼料)を安定生産するために、開発した新品種や収穫方法、発酵技術を組み合わせて体系化し、現場での普及を進めている。育種では、高糖度・高収量で牛が消化しやすいなどの利点がある新たな専用品種を開発した。改良型の収穫機で微細断した稲をトラックなどで輸送し、牧場などで調製する方式で効率化。さらに調製時に添加し発酵を促す乳酸菌製剤で、嗜好〈しこう〉性や保存性などを高める。飼料用稲の作付け拡大が続く中、耕種・畜産双方の利益向上へ技術体系の確立が求められる。
(9面・営農技術)
〈写真:湿田で稼働する微細断収穫機。刈り取り速度は従来の収穫機と遜色ない〉