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新年号企画「米を作る 米を創る」(2-5面)【2018年1月1週号】

 今年から、国による主食用米の生産数量目標の配分が廃止されるなど大きな米政策の転換期を迎える。米は水田農業を基盤としたわが国の基幹的作物。今後、米作りのあり方を問われ、そしてそれぞれの創意工夫から新たな展開が派生するに違いない。地域の中でその脈動を探ってみた。

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水稲専作の集落営農 永続する産地へ ―― 熊本県山鹿市・庄の夢

180101-1-1.jpg 農作業にイベントにと、組合員総出の良食味米生産に特化した共同作業体制を敷く、農事組合法人「庄の夢」(熊本県山鹿市鹿本町庄、野中隆弘代表=74歳、28戸・37人、水田面積43.7ヘクタール)。「森のくまさん」(29ヘクタール)の特別栽培米を「庄の夢」のブランドで年間約2千俵出荷する集落営農組織だ。大口業販を柱に、個人販売など多様な需要に対応する。

〈写真:「良食味米産地・庄の存続を目指して!」。元気いっぱいの「庄の夢」組合員〉


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大規模経営にICT熟練者の知見共有 ―― 滋賀県彦根市・フクハラファーム

180101-1-2.jpg 琵琶湖の東に広がる広大な農地們們平たんで水に恵まれた立地条件を生かし、水稲(170ヘクタール)を柱にした大規模経営に取り組む滋賀県彦根市薩摩町の有限会社フクハラファーム(福原悠平代表=33歳)。農地の集積、大区画化を進めるとともに、ICT(情報通信技術)の導入により、作業効率を高めながら技術継承や人材育成に力を注いでいる。

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道育成5品種を混植 ブレンド力で勝負 ―― 北海道旭川市・古屋 勝さん

180101-1-3.jpg 「米のおいしさは食べる人の好みによるところが大きい。多品種混植栽培米は単一品種よりも万人に受け入れられる可能性がある」と、北海道旭川市東旭川町で水稲8品種を作付ける古屋農園の古屋勝代表(71)。播種前の種もみの段階で複数の品種を混ぜ合わせる多品種混植栽培に取り組んでいる。個人向けをはじめ、米穀集荷・卸売業を営む株式会社柳沼(本社・東神楽町)に出荷。地域のブランド米として親しまれている。20年以上前からグリーンツーリズムに取り組むなど年間1500人以上が訪れる生・消の交流の場としての役割も果たしている

〈写真:「古屋スペシャル」を袋に詰める古屋代表。名前を冠したことで責任感が増すという〉


(2-5面)