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防風林「廃プラの野焼きが...。産廃物との意識が重要に。【2018年2月3週号】」

 ▼本欄あてに先日、読者からお便りをいただいた。後継者不足問題や今年からの生産調整などに対する意見のあとに、「ハウスなどに使用した後のビニールを家の周囲で焼く人がいて、その煙で困っています」とある。
 ▼「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)により、使用済み廃プラスチックの野焼きが全面禁止され、違反者は罰則が強化されたはず。さらに回収後は適正な施設で焼却か再生処理することが求められた。当時、廃プラ処理に取り組む現場の取材を通して現状と課題を連載、報道した。
 ▼農林水産省やJA、関係団体も本腰を入れ、園芸農家への意識統一もあり野焼き処理する産地はなくなったと考えられた。今後の課題と指摘された点は、(1)回収・処理体制の構築や処理費用の負担をどうするか(2)系統や商系での販売資材は、使用者の特定や耐用年数などから排出量の推定は可能だ。反面、量販店などで販売した資材の回収や処理は把握不能でどこが担うか、その2点が課題とされた。
 ▼便りの文面から、農家・非農家どちらの行為かは判断できない。農家ならば野焼き禁止は常識。市民農園ブームのあおりでホームセンターやネット通販が急増する今、それら販売資材の適正処理が滞っているのならば、是正する必要がある。
 ▼生産費低減のために低価格で販売する店舗の選択は自由。だが、購入と使用後の処理はセットだと考えたい。生産に供した後の廃材は、家庭ごみではなく産業廃棄物との意識を集落の中で再度共有すべきだ。