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創刊70周年を超え将来に向けて-読者のみなさんへ編集室からのメッセージ-

 創刊70周年を迎えた農業共済新聞。読者の皆さまに編集室から改めて、新たな70年に向けた新聞編集への私たちの姿勢をご紹介します。

 編集室には連日、読者からのクイズ応募はがきやお便りなどが届きます。つづられた読後感想や要望等はすべてを情報共有し編集改善の参考とさせていただいています。特に4月4週の特集号においては、識者や農業者からいただいたご寄稿を紹介しました。
 その中で、「人間は弱いから支え合わなければ生きてはいけない、との思想が受け継がれている(山下惣一氏)」「文化度の高い紙面構成は、成熟社会への道標〈みちしるべ〉として、確かな拠〈よ〉り所(星寛治氏)」「前向きに生きること、他人のまねではなく見いだし貫くことの大切さを考えさせてくれた(峯村このみさん)」――などの温かい賛辞をいただきました。本紙が農業・農政報道のみに固執せず、現場から離れて最先端を走る経営や技術よりも、一歩踏み出し手を伸ばせば手が届く経営、技術を取材対象としてきた姿勢への評価と受け止めました。
 小規模・家族経営を海の瀬に押しやり、規模拡大・効率化のみを「是」とした風潮・論調に対し、小農でも踏み越える大切さや地域に依って立つ「共存・協働」が新たな農の価値を生むとの編集思想は、歴代編集者から受け継いできた遺伝子ともいえるでしょう。

 一方、「現場が技術に何を求め、技術は何を現場に届けようとしているのか交流の場を(西尾敏彦氏)」「読者の姿を想像しながら記事を書くのが専門紙。現場感覚にあふれた情報を期待(岸康彦氏)」「農家が注意すべきことを示唆してほしい(釣釜里恵子さん)」「前のめりの姿勢や懸命さを表現する新聞に(小松光一氏)」「農業者の知恵を掘り起こし、生産現場の目線に立つ紙面作りを(面川義明氏)」「日本の国土への肯定感に根ざす、農業者としての『誇り』を醸成してゆく情報提供者として役割を果たしてほしい(千賀裕太郎氏)」――との新聞発行への使命をご提示いただきました。
 創刊時は「国と地方」を結ぶとの方針を掲げていましたが、後に「地方と地方」の懸け橋にとの姿勢を加え、「農家に学び 農家に返す」を合言葉に新聞編集に取り組んできました。しかし時には、都会から地方を俯瞰〈ふかん〉するかのような編集企画に陥りがちになることも否定できません。そのたび振り返り、戦国武将・上杉謙信が好んで使ったとされる「常在戦場」ならぬ「常在現場」との意識をさらに進めます。

 一方、活字離れが進む中、新聞の姿が変貌しつつあります。「デジタル情報が農に提供されても、デジタル的世界が今後の時代をつくることはない(内山節氏)」「生き物への情愛はデータ化できない(宇根豊氏)」――とのご指摘がありました。本紙も現在、デジタル媒体の提供を検討中ですが、手に取り読める新聞「紙」の形態は不変と考えています。
 このように、農業共済新聞が営農や生活に役立つ羅針盤として存続するための貴重な啓示や示唆に対し、新聞紙上で改めて感謝致します。今後も、多数のご意見を一つずつ胸に刻み、常に現場に立ち現場に思いを馳〈は〉せる日常から生まれる紙面作成に努力します。

(文責:新聞編集室)