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防風林「消費増税軽減率の違いに混乱は・・・【2018年11月2週号】」

 ▼小ばなしを一席。家畜農家の熊さんが米卸問屋を訪ねた。熊「飼料用の米をくんな」/問屋「へい、勘定は......」/熊「何でぇ 、消費増税の軽減税率で米は8%に据え置かれたんじゃねえのか」。
 ▼問屋「飲食料品は8%ですが、それ以外の例えば飼料は標準税率の10%で」/熊「何かい米粒に"家畜用""人間用"とでも書いてんのか?」/問屋「入る口が異なると税率も違うようで」/熊「しまいにゃ食肉売り場に並ぶのによ。米の不公平な扱いは俺の性分に合わねえ。人間用でたのむぜ」。
 ▼米俵を荷車に積み意気揚々と去る熊さん。問屋「熊のやつぁ、2%の差をケチって結局は高い買い物したのを分からないのかねぇ」――。来年10月に導入予定の消費増税に関する軽減措置の一幕。熊さんの気持ちは分からないでもないが、現場での混乱は想像がつく。
 ▼コンビニで持ち帰り用のパン購入は8%、イートインなど飲食場で食す場合は10%を適用。郊外型大型店舗のスーパーで飲食料品の購入後に、フードコートで袋から菓子を取り出して席でほおばる親子連れを見掛ける。店側は立ち入り規制などで対応するのだろうか。
 ▼同じ商品でも目的により税率が異なるとすれば、熊さんでなくても誰もが戸惑う。十分な広報活動をしても、導入後は店員と客との押し問答は避けられまい。議論や国民理解を欠き貿易協定の発効へ突き進むも農家不安は拭えていない。同様に、消費増税への激変緩和対策も周知がなければ消費動向に影響する。