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防風林「人口減に社会も個人も変化すべきなのか【2019年1月4週号】」

 ▼人口の急激な減少傾向に対し今後の社会がどうあるべきか、著書で警鐘を鳴らした河合雅司氏。その第2弾にあたる新書『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』では、より具体的な対応策を強調している。
 ▼統計では日本の総人口は約1億2600万人で7年連続の減少。うち日本人についても約1億2500万人と前年比で約37万人も減っている。この傾向は今後も続くとし、もはや社会体制や日頃の生活習慣なども見直さねばならないとする。
 ▼社会を担う若年層の激減による弊害としては、今までのような大量消費や薄利多売が望めなくなり、加えて高齢者福祉費用の維持、介護労働力の供給困難期が到来するというのだ。そこで、企業や個人は大量生産から「戦略的に縮小すべき」とし、個人は(1)働けるうちは働く(2)一人が複数の職を兼業(3)年金受給年齢を繰り下げ起業、などをあげる。
 ▼少子化対策には単身赴任を減らし、ICT(情報通信技術)による在宅勤務で通勤時間や労力を省くことも手段だという。また、高齢者は移動範囲が狭いため、近隣商店を限られた日だけ開店し、持ち回りの販売員になって協力するなどだ。
 ▼住職接近や地域活用は同感だが、現代社会が抱える問題は多い。単に婚姻率や出生率の向上というが、女性参画推進と叫んでいながら乳幼児保育の充実化は遅れ、子供を望むも経済的理由で出産をあきらめる夫妻が多いのに、不妊治療の健康保険適応が限定的という現実。これらを直視・是正せず解決はない。