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防風林「侵入害虫対策の決め手は農家の観察力【2019年11月1週号】」

 ▼今年は、ツマジロクサヨトウやヒアリといった外来昆虫が各地で見つかり、定着阻止に向けた対策の徹底が急務となっている。いずれも農作物を加害するので、農家には観察による早期発見に努めてほしい。
 ▼ツマジロクサヨトウは、南北アメリカ大陸の熱帯~亜熱帯原産とされるヤガ科の虫で、アブラナ科やイネ科、ウリ科など加害する農作物の幅が広い。アフリカやアジアの熱帯~亜熱帯に分布している。
 ▼日本では、今年7月に鹿児島県の飼料用トウモロコシ圃場で初めて発見された。その後10月下旬までに20府県100カ所超の圃場で見つかった。暖地以外で越冬できないとされるが、青森県でも確認されている。夏季に長距離を移動する可能性があり、北国も警戒が必要だ。
 ▼ヒアリは南米中部に生息する。船積みのコンテナや航空貨物にまぎれ込んで侵入する。2017年6月に国内で初めて確認され、以後、主に港湾周辺で見つかっている。10月21日までの確認事例は、14都道府県45事例に上る。繁殖力が強く、定着してしまうと根絶は困難になる。
 ▼ヒアリは、日当たりのよい開放的な場所に巣を作る。農作物の食害だけでなく、毒を持ち刺すことから人や家畜の被害も多い。刺されると痛みや腫れが起き、人によってはショック状態に陥るという。運んだのは人間で、昆虫が好んで侵入するわけではない。だが、定着した場合の生態系への影響も考えると、お引き取り願うしかないのだ。