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「S.マルチ」でミカン品質向上を実証【5月2週号 静岡県】

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 【静岡支局】浜松市北区でミカン6ヘクタールを栽培する鈴木幸喜さん(57)は、農研機構が開発したかんきつ類栽培の新技術「シールディング・マルチ栽培(S.マルチ)」の実証試験に協力し、品質と収益の向上に取り組んでいる。S.マルチは防根性、防水性、自立性のある専用の「シールディングシート(S.シート)」を使う。S.シートを、樹列を囲むように深さ50センチに埋設し、通路側への根の伸長を防ぎ、樹体に余分な水分が入らないようにする。鈴木さんはデータを取るため、1週間ごとに果実の大きさを、収穫直前にはすべての木から1果ずつ採取し、糖度を測定した。その結果、糖度の平均は普通栽培が10度程度、マルチ栽培が11.2度、S.マルチが12.1度。S.マルチの8割以上が糖度12.5度以上だったという。

〈写真:「実証試験のデータを参考に、園地に合った栽培方法を活用したい」と鈴木さん〉