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豪雨被害から再起 祖父の養蚕を継ぐ【10月2週号 愛媛県】

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 【愛媛支局】「就農のきっかけは『平成30年7月豪雨』でした」と話すのは、大洲市三善で養蚕を営む瀧本慎吾さん(26)。祖父の亀六さん(79)が養蚕を営んでいたが、豪雨で蚕室が浸水被害に遭い、落ち込む祖父の姿を目にし、自身が継ぐことを決意した。いざ始めると、蚕の餌となる桑畑の手入れや蚕室の消毒、早朝からの餌やり、ふんの掃除など大変なことばかりだった。「祖父に教わりながら、一つ一つできるようになりました」と瀧本さん。近年、シルクに含まれる豊富なアミノ酸成分が注目され、さまざまな活用方法が研究されている。瀧本さんが生産した繭も生糸になるだけではなく、パウダー状にしてシャンプーやボディークリーム、化粧品などに添加されるという。「大事に育てた蚕が作り出す繭が、いろいろな商品になるのを見るとやりがいを感じます」と瀧本さん。「全国の若手養蚕農家が集まるオンライン研修会で、勉強や意見交換をしています。日々精進し、一人前の養蚕農家になれるよう頑張ります」と話してくれた。

〈写真:「新しい世代に『新しいシルクの魅力』を伝えたいです」と瀧本さん〉