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防風林「米の消費拡大には買いやすさへの配慮も必要【2021年11月3週号】」

 ▼新米の季節を迎え、テレビでは著名なタレントを起用した良食味品種や新品種のCMがめじろ押しだ。食べた経験のない品種は一度食べてみたいと思う。しかし、普段の買い物をするスーパーには新品種が並ぶ隙間がない。いまや精米の購入先のトップは全体の5割を占めるスーパーだ。そこに並ばないと一般の消費者は購入できない。
 ▼近所のスーパーは昔ながらの団地に隣接する。昨今は、手押し車タイプのショッピングカートを引く高齢者の姿が目立つ。高齢の夫婦や1人暮らしでは消費量も少ない。重い5キロ包装は敬遠され、2キロ包装やパックご飯の方が売れ筋になっていると聞く。
 ▼最近の勢いはインターネットショップからの購入か。家族や知人からの無償入手に続く購入先の第3位であり、全体の1割程度を占める。しかも購入単価はデパートや米穀専門店を上回り、最も高いのだという。
 ▼ふるさと納税の返礼品としても米は人気があるそうだ。重量のある米袋を運ぶ手間がなく、好きな品種が選択できて玄関先に届く利便性も魅力だ。炊飯の手間を敬遠する若い世代には、炊きたてのご飯が届くデリバリー利用を促す方策を考えればよい。