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収入保険・私の選択 つなぎ融資で助かった/制度改正に期待【12月1週号 北海道】

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 【北海道支局】収入保険に2019年に加入した士別市温根別町の遠藤英俊〈えんどう・ひでとし〉さん(62)は、秋播き小麦10ヘクタール、春播き小麦6ヘクタール、大豆20ヘクタール、でんぷん原料用バレイショ2ヘクタール、テンサイ9ヘクタールを作付けしている。収入保険に加入したきっかけを「病気やけがによる収入減少が補償される収入保険に切り替えれば安心して営農ができる。さらに、積立金を除いた保険料が安く、負担が抑えられると思った」と振り返る。加入した年は生食用バレイショを6ヘクタール作付けたが、被害が大きく収入減少が見込まれたため、無利子で借り入れができるつなぎ融資を申請した。「農業共済の共済金支払いは、作物によって時期が遅れるため、年内につなぎ融資を受けることができて助かった。収入保険に加入して良かった」。一方で、農業共済とは異なり品目ごとの補償がないことに、「1品目が被害を受けても保険金の対象にならないのは残念。収入保険でも品目ごとに補償してほしい」と遠藤さん。「基礎となる基準収入の算定は過去5年間の平均収入が基準収入となるが、5年間の最高、最低を除いた3年間の平均で算定してほしい。また、保険金の算定に用いる支払率をなくしてほしい」と要望する。遠藤さんは、士別農民連盟の書記長として確定申告をサポートする。NOSAI全国連(全国農業共済組合連合会)のホームページにある「保険金等見積額算出ツール」を活用し、士別・温根別地区の収入保険加入者の保険金計算などに取り組む。被害が少ない農業共済加入者に対しては、保険料の負担が少ない収入保険を勧めるという。収入保険の加入条件は青色申告の農業者に限られるが、「白色申告の農業者も加入できれば加入率が上がるのでは」と今後の制度改正に期待を寄せている。

〈写真:収入減少を補償する収入保険に切り替えた遠藤さん〉