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防風林「濃厚な接触の機会がない若者たち【2021年12月3週号】」

 ▼例年であれば忘年会シーズン真っ盛りの師走だ。しかし、コロナ禍に配慮し、忘年会開催を見送る企業なども多いという。電車で帰宅する際にも酔って寝ている人をほとんど見かけない。いつも見る農家のブログなどでも大人数の宴会は自粛し、家族や少人数で楽しんでいるとの記述が多い。
 ▼総務省の家計調査では、今年10月の飲酒代は、コロナ禍前の一昨年10月比で6割近く減少した。一方で酎ハイ・カクテルの消費は5割近く増え、家飲みが定着していると分かる。12月の家計調査はどの程度の増減幅になるだろう。
 ▼先日、帰宅で最寄り駅に降りたとき、酔った若者の集団とすれ違った。大声を出したり、道に寝転んだりと騒がしい。近くに大学があり、以前は遅い時間に帰ると何組も見かけたものだ。コロナ禍後は姿を消した。はた迷惑ではあるが、学生のころの自分も似たり寄ったりではなかったか。
 ▼コロナ禍では旅行も思うようにできなくなった。少ない予算で野宿もしながら友人と北海道を巡った夏休み、峠の駐車場で寒さに凍えた経験はいまも懐かしい。失敗から学ぶことも多いから、若いときにオンラインの交流では味わえない濃厚な経験するのも悪くないと思う。他人の酔っぱらいには近づきたくないけれど。