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防風林「地域の可能性の「種」を見つけよう【2022年1月1週号】」

 ▼日本特産農産物協会は先ごろ、2021年度の地域特産物マイスターとして7県・10人の認定登録を発表した。認定品目は、養蚕やサツマイモ加工品、薬用作物、みそやショウガの農産加工など多様だ。マイスターは、要請があれば地域特産物の振興や産地育成の指導役として地域に派遣される。地域資源を活用した雇用機会の創出などが課題とされる中、優れた技術と経験を持つマイスターたちの活躍に期待したい。
 ▼地域特産物マイスター制度は、2000年度に19人の認定からスタート。地域の立地条件や独特の方法で生産される特産物・加工品の技術に優れた人を認定し、特産品生産などで指導役を担ってもらうのがねらいだ。今回で総認定者数は349人となり、約220人が現役として活動する。品目別では伝統野菜などの野菜類が最も多く、農産加工や茶、果樹などが続く。
 ▼農林水産省は、農地の集積・集約と規模拡大による担い手育成に加え、中小農家や半農半Xも含めた多様な人材確保による農業・農村振興へとかじを切っている。マイスターが専門とする分野は、在来品種や伝統的な農法で生産・加工されることの多い地域特産農産物の活用であり、活躍の場も広がるのではないか。
 ▼新たな年を迎えたが、変異株の登場でコロナ禍収束の見通しは不透明だ。ならば当面は、地域で力を蓄えておくことを考えよう。在来品種や地域独自の加工品の掘り起こしなど、新たな可能性の「種」を見つけておきたい。