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防風林「消防団は地域防災の要【2022年2月2週号】」

 ▼火事や自然災害など地域防災の中核を担っている消防団だが、少子高齢化が進む中で団員数の減少が続いている。先ごろ公表された2021年版消防白書によると、昨年4月時点で全国に約80万5千人の団員がいるが、3年連続で1万人を超えて減少したという。
 ▼入団・退団の状況は、退団者数がおおむね横ばいで推移する一方、入団者数が大きく減少。特に若年層の入団者が少なく、団員の平均年齢も上昇して現在は42.5歳になっている。若者の減少に加え、仕事が忙しく訓練などへの参加にためらいもあるのではないか。
 ▼消防庁も出動手当てなど処遇改善やけがなどの災害補償制度の充実を図っている。併せて存在意義ややりがいを感じてもらう広報活動などを展開してきた。女性や学生にも入団を呼びかけ、入団者数は徐々に増えているそうだ。特定の活動に限定した機能別消防団員の仕組みもあり、大規模災害に限った出動や高齢者宅の訪問など火災予防のみに従事する団員もいるという。
 ▼消防団員の出動は、火災が減少傾向にあり、災害出動が増えている。災害発生が懸念される際に、事前の早期避難の呼びかけから安否確認、住民の避難誘導、避難所の運営支援など、地域に職場や家があり、専門的な知識を身に付けた消防団員に期待される役割は多い。入団・活動しやすい環境づくりをさらに進めてほしい。