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防風林「雪国の農業の難しさ【2022年2月3週号】」

 ▼生協の商品に「ちぢみコマツナ」があり買ってみた。通常のコマツナに比べ軸は太いが葉の大きさは半分ほど。期待どおりの濃い甘さを堪能した。「ちぢみホウレンソウ」は、生協のほか、近くのスーパーでも扱いがあり、時々購入する。見た目は不格好で土を落とす手間もかかるが、やはり味の濃さが魅力だ。
 ▼冬の寒さの中でじっくり育てると植物自身が凍らないよう自ら糖分を蓄える。普通の野菜も格別の味になる自然の仕組みに感謝だ。最近は雪国でもダイコンやニンジン、ハクサイ、キャベツなどを雪の下に貯蔵し、甘さを増したブランド野菜として販売している。
 ▼北国は冬季間に雪で閉ざされ、農業には不利な条件と思われていた。しかし、最近は降雪地帯にも園芸施設が増え、冬季間も野菜などが生産されている。また、雪下貯蔵などアイデア次第で販路が開けるとの考え方が定着してきたようだ。
 ▼しかし、この冬は様相が異なる。対応可能な量を超える降雪で、北海道では線路や道路の除雪が追いつかないとのニュースを目にした。コロナ禍による移動の制限で屋根の雪おろしボランティアが集まれないとの記事もあった。加えて原油高騰のため、車での移動や作業機による除雪、園芸施設の暖房費用など仕事や生活全般の経費負担も増している。自然が相手のこと。克服は困難でも柔軟にいなす工夫はないものか。