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防風林「大雪のあとは春先の災害に警戒を【2022年3月3週号】」

 ▼今冬の雪による被害状況を総務省消防庁が公表した。昨年11月から今年2月末までの速報値で、死者は93人、そのうち71人が屋根の雪下ろしなど除雪作業中の事故だ。さらには65歳以上が65人と約9割を占める。
 ▼この冬は12月下旬以降、北日本日本海側、北陸から山陰にかけての日本海側で低気圧の通過や冬型の気圧配置が強まる日が多く、降雪量が多かった。ニュースでは、雪国とされる地域の人たちが連日の雪かきに疲れ、「これ以上雪は見たくない」と嘆いていた。
 ▼屋根の雪下ろしなど除雪作業中の不幸な事故が続く状況から、国や自治体では、安全装備の装着や複数での作業、携帯電話を身に付けることなど安全作業を呼びかけた。しかし、屋根雪を放置すると屋根の破損や倒壊なども懸念される。コロナ禍でボランティア活動なども制約された中、やむにやまれず屋根に上がったのではないか。
 ▼3月を迎え、除雪の負担は軽減されただろう。しかし、雪解け時期は雪崩や落雪、融雪に伴う河川の氾濫や土砂災害に警戒が必要だ。例年よりも多くの雪が残っている。例年並みではないと頭を切り替え、河川の近くや過去に災害が起きた危険箇所など不用意に近づかないようにしたい。