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防風林「成年年齢が18歳に【2022年4月1週号】」

 ▼この4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた。少子高齢化が進む中、政策に若者の意思を反映しようと選挙権を18歳以上に拡大したことに関連した見直しという。成年年齢は、明治9(1876)年の太政官布告で定められ、民法などに引き継がれたそうで、およそ150年ぶりの見直しだ。
 ▼携帯電話の契約やクレジットカードの作成、ローンを組むことが親の同意なしに可能になる。一方で、飲酒や喫煙、競輪や競馬など公営ギャンブルは、健康被害や依存症対策として20歳のまま維持される。親戚の集まりなどは、酒をつがれるかどうかが成人と子供の境だから、やや中途半端な印象だ。
 ▼そもそも成年年齢を20歳とした理由は明確でなく、当時の日本人の平均寿命(40歳代前半)や精神的な成熟度などの総合判断と考えられている。ただ、自分の20歳の頃を思い返すと失敗や未熟な行動ばかりで恥ずかしい限り。少し年齢を引き上げられても文句が言えないくらいだ。
 ▼政府は、18、19歳を狙った消費者トラブルへの警戒を呼びかける。もうけ話や出会い系などうまい話にはご用心を。人を見る目と断る勇気は身に付けておきたい。