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防風林「命を守る水田の機能【2022年5月1週号】」

 ▼5月は水防月間(北海道は6月)だ。梅雨や台風の時期を前に、国民一人一人が水防の意義や重要性について理解を深められるよう定められた。昨今は前線の停滞による大雨がほぼ毎年発生し、各地に大きな被害をもたらしている。居住地域のリスクを家族で確認し、避難経路や避難場所を決め、持ち出し品などを準備しておきたい。
 ▼水害のリスクや避難行動の検討に必要な情報は、市町村のホームページや国土交通省のハザードマップ情報提供サイトで確認できる。近所に高齢者世帯などがある場合は、緊急時にサポートできるよう避難時の考えなどを事前に確認し、情報を共有しておくと安心だ。
 ▼気候変動による水災害リスクの増加に備えるため、国土交通省は河川流域ごとの関係者の連携による「流域治水」を推進している。大雨の際に水田に水をためる「田んぼダム」もその一つ。全国で約4万ヘクタールとの推計もあり、地域の防災力強化に貢献している。
 ▼ダムの役割を果たすには水田機能の維持が大前提だ。地域住民の応援も得て水田維持の仕組みを広げられないか。食料安全保障の点からも命を守る備えになる。