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マスタードにブドウを活用【5月3週号 山梨県】

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 【山梨支局】笛吹市地域おこし協力隊出身の風間早希さん(30)と八木優彰さん(35)が経営する「ぴりまるけ合同会社」では、自社産カラシナと同市産ブドウの果汁を使った「ふえふきマスタード」を開発した。代表の風間さんは「山梨県の新しい名物になれば」と、新商品開発や販売拡大に取り組む。ふえふきマスタードは酢と合わせて未熟ブドウ果汁を使って製造。柔らかな酸味で、優しい味わいが特徴だ。八木さん自身と風間さんの家族が栽培する軟化期直前のブドウを摘房し、果汁を年間100リットルほど使用。摘房を控え、多めに付けていた房を使うため、果実生産には支障がない。「生産過程で間引きされる未熟ブドウを活用できる」と八木さんは話す。主原料のカラシナは9~10月ごろに播種し、5~6月ごろに収穫。収量は10アール当たり約100キロだ。風間さんは「種と果汁は保存がきくので、売れ行きを見てマスタードを随時製造している」と話す。21年3月に同市石和町に直営店をオープン。マスタードのほか、マスタードを使ったサンドイッチやピクルスなどを販売する。「マスタードの使い方を提案しながら販売できれば」と八木さん。昨年度は直営店で1900個を売り上げた。農産物直売所や百貨店、ショッピングアプリ「Pay ID」でも販売する。「今後はもっと気軽に買えるよう、北海道産イエローマスタードシードも使用して製造数を増やし、客層を広げて小売りを拡大したい」と八木さん。風間さんは「来月は『石和源泉足湯ひろば』内の店舗に移転する予定だ。山梨県内のワインビネガーを取り入れた新商品や観光客向け商品の開発にも取り組みたい」と話している。

〈写真:直営店でのふえふきマスタードの価格は「プレーン」が税込み450円〉