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青パパイアの可能性広げる【5月3週号 鳥取県】

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 【鳥取支局】倉吉農業高校(倉吉市大谷)で農場長を務める秋山勝正〈あきやま・かつまさ〉さん(55)は、授業の一環で生徒と共に青パパイアを栽培し、県内各地への普及と加工品開発につなげた。同校で生産に携わる生徒・岡田直也〈おかだ・なおや〉さん(17)は「農家の方だけではなく、身近な人にも青パパイアを知ってほしい」と話す。青パパイアはパパイアを未熟な状態で収穫したもので、果物ではなく野菜に分類される。栄養価が非常に高く、食べ過ぎ防止や美肌効果、生活習慣病の改善や予防になるという。栽培の手間はあまりかからない。鳥獣害が少なく、病虫害はほとんど無い。1年で2~3メートルに成長する。青パパイアを授業に取り入れたきっかけは、県内で耕作放棄地が増加する中、労力がかからず、ある程度の収益のある野菜はないだろうかと考え、着目したことだという。鳥取県で青パパイアが栽培できるか実験するため、2018年に苗を購入、5月に定植した。10月上旬に収穫し、栽培できることを実証。苗が高騰したため、3年目以降は苗の生産を研究し、これにも成功した。青パパイアを多くの農家に知ってもらうため、栽培希望者を同校に招き、播種と育苗の研修会を開催。さまざまな取り組みで県内各地に情報発信ができ、栽培者は県内全域に広がった。青パパイアの加工品開発にも取り組み、健康茶メーカーに依頼して葉を乾燥させたリーフティーを考案。4年目には鳥取商工会議所と協力し、清涼飲料水「青春パパイヤ」、リキュールの「青鬼パパイヤのお酒」を開発した。ラベルとネーミングは同校園芸コースの生徒たちが考えた。青パパイアは同校が主催する学園祭やイベントで販売。清涼飲料水とリキュールは北岡本店鳥取工場で販売している。

〈写真:定植作業に取り組む倉吉農業高校の生徒〉