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防風林「営農を支える気象の「見える化」システム【2022年6月3週号】」

 ▼農研機構が、ウェブサイト「東北農業気象『見える化』システム」を公開した。1キロ四方のメッシュ気象データを使い、東北6県の日々の気象を地図やグラフなどの画像で表示する。気温と日照時間の平均・積算値マップは高温障害のリスクや登熟進度の目安が確認でき、日々の寒暖の目安マップはその日の気温と平年の同じ時期との高低差が分かる。
 ▼同システムの前身は「水稲冷害早期警戒システム」だ。1993年の大冷害をきっかけに準備を進め、96年にスタートした。東北地方の気象と水稲生育に関する情報を集約し、水稲の生育ステージや葉いもち予察などの情報を発信した。
 ▼画期的だったのはモニター農家の参加だ。各農家から自身や地域の生育状況などが報告され、システムの改善にも生かされたと聞く。システム自体は、ネット接続の環境があれば誰でも利用でき、多くの農家が営農の参考にしたのではないか。当然、自分も取材の一環として定期的に参照していた。
 ▼新たなシステムは、最近の気象状況を踏まえ、低温・高温双方に対応できる内容という。気象災害は激甚化・頻発化が懸念されている。営農の参考にぜひ活用してほしい。