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防風林「収穫を喜べる秋を迎えたい【2022年7月4週号】」

 ▼有機農産物などの食材や食品の宅配サービスを提供するオイシックス・ラ・大地は、2022年産米の会員1人当たり新米予約量が前年産比で約1.5倍になったと発表した。特に10月から毎月精米したての米を定額で届けるコースの予約が増えたという。安定価格で定量の「お取り置き」ニーズがあると分析する。
 ▼子供のいる家庭に実施した同社のアンケートでは、価格の値上げを感じる食品の上位に小麦粉・小麦製品、野菜・果物が挙がっており、割安感が出てきたご飯食に回帰する動きもあるだろう。実際、今年の4月以降に米を食べる機会が増えたとの回答が約7割を占めている。
 ▼米農家は、需要と価格の低迷に直面し、米産地は本年産でも必死に作付け転換を進めている。しかし、21年産米の相対価格は低迷。6月の60キロ当たり全銘柄平均価格は、前年産比1678円安の1万2851円となった。
 ▼肥料価格も高騰し、22年産米も現在の価格水準が続けば、採算割れする農家の離農は免れない。再生産が可能な米価の実現も食料安全保障の確保に欠かせない課題の一つだ。収穫を喜べる出来秋を迎えたい。