ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「耕畜連携の可能性【2022年10月2週号】」

 ▼肥料や飼料の価格高騰が続く中、耕種農家が飼料を生産し、畜産農家が堆肥を供給する地域循環を基本とした耕畜連携が改めて注目されている。輸入への依存を減らし、互いの経営安定が見込めるほか、水田の有効活用にも寄与するなど利点が多い。
 ▼今までも耕畜連携のメリットや有効性は示されていた。しかし、実際には事例は点在し、多くの地域に定着するほど広がっていない。事例を知る専門家によると、何のための耕畜連携かという目的意識の共有から互いの労働や経費の負担など細部まで話し合い取り決める関係構築が大前提になる。
 ▼特に重要と強調するのはお金の問題だ。飼料の価格設定やいつ精算するか、分割か一括払いかなど、補助金の扱いも含め経営者同士として細かく決めた方が不満をためずにすむ。
 ▼今夏の記録的な猛暑や大雨の要因に、地球温暖化の影響が指摘されている。耕畜連携は、環境負荷の低減にも役立つ。取り組みの拡大・定着で温暖化に歯止めをかける力になれば、その恩恵は多くの人に還元される。