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牛床はコンポストバーン 乳房炎減少、肥料で提供【6月1週号 岡山県】

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 【岡山支局】牛の乳房炎対策にコンポストバーンの利用が勧められている。コンポストバーンとは、ふん尿と敷料を攪拌〈かくはん〉して発酵させた堆肥を牛床として利用するもの。発酵熱で大腸菌などの乳房炎原因菌が減少する。表面が乾燥しているため、乳房の汚れが少なく衛生的だ。岡山市で酪農業を営む妹尾始〈せのお・はじめ〉さん(63)は、2016年にコンポストバーンを導入した。牛床に戻し入れる堆肥は妹尾牧場で自家調製したものだ。ふん尿におが粉を混ぜて水分を調整し、温度を確認しながら十分に発酵させる。さらに納豆菌培養液を牛床へ散布することで、乳房炎原因菌の増殖を抑制し、良質な発酵を促すことができるという。高品質の堆肥は敷料に利用する以外にも、地域の農家へ肥料として提供する。妹尾さんの長女・優佳〈ゆか〉さんは「コンポストバーン導入後は乳房炎の発生が減少し、生乳の体細胞数が低く維持できるようになった。管理する上で最も重要なのは良質な堆肥作りと考えている」と話す。

〈写真:「堆肥の戻し入れ、攪拌作業は1日2回行う」と優佳さん〉