ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

園芸施設共済+収入保険 手厚い補償で安心【6月1週号 埼玉県】

230608_7.jpg

 【埼玉支局】「自然災害への不安は尽きません。園芸施設共済と収入保険に加入することで、万が一に備えています」と話すのは、深谷市の木村三夫さん(70)。連棟ハウス2棟20アールでキュウリを、露地60アールでネギとカリフラワーを栽培する。キュウリの品種は「まりん」で、3月と8月に定植。全量をJAふかやに出荷する。土壌診断を年に2回受けて圃場の状態を把握。診断結果に基づいて有機肥料を施す。秋は病虫害が発生しやすいため、キュウリの状態を注意深く観察し、兆候が見られたときは発生初期に防除する。「高品質なキュウリを作るにはハウス内の環境制御が重要です」と木村さん。樹勢を見て小まめに灌水〈かんすい〉をするほか、天窓の自動開閉装置を利用し安定した温度管理に取り組む。ハウス内はカーテンを2重に掛けて保温することで、冬や春先の寒い時期も無加温で栽培できるという。木村さんは、2017年10月に台風21号の影響で天窓の開閉装置と制御盤が故障する被害に遭った。激しい風でハウス内に雨が吹き込み、機材が漏電したことが原因だった。「台風が去った後に開閉装置を確認して、まさかと思いました。NOSAIに連絡をしたところ、すぐに職員が対応してくれたので安心しました」。12月までキュウリを収穫するため、適切な温度管理が引き続き必要だ。修理をするまでは、手動の巻き上げ装置で天窓を開閉して、ハウス内の温度管理に対応した。ハウス本体だけではなく、附帯〈ふたい〉施設も加入していたため、補償を受けることができた。加えて、新築時の資産価値の最大8割を補償する「復旧費用特約」を付けていたことが手厚い補償につながったという。収入保険で作物の被害をカバーしている。22年には野菜の市場価格が低下したため収入が減少し、保険金を受け取った。「深谷市では、22年6月に大規模な降ひょうに見舞われました。幸いにも被害は免れましたが、紙一重の状況でした。園芸施設共済と収入保険でリスクに備えつつ、これからも消費者の皆さんに喜んでもらえるキュウリを作っていきたいです」と話している。

〈写真:「農業保険に加入していることで、安心して栽培に取り組めます」と木村さん〉