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今週のヘッドライン: 2015年01月 3週号

2015年度予算案/創造プラン推進と畜酪強化 農林水産は2兆3090億円(1面)【2015年1月3週号】

 政府は14日、臨時閣議で、2015年度予算案を決定した。一般会計の総額は過去最高の96兆3420億円で、農林水産関係は、14年度当初予算比で0.8%減の2兆3090億円となるものの、14年度補正予算との合計では11.2%増の2兆5871億円を確保した。農地中間管理機構の本格稼働や米政策の見直しなど、政府が掲げる「農林水産業・地域の活力創造プラン」の着実な実施に加え、生産基盤の維持・強化が緊急課題である畜産・酪農の競争力強化に重点配分した。本年度から導入に向けた検討を始めた収入保険制度検討調査費には、4億5600万円を計上し、制度の実施方法を検証する事業化調査(フィージビリティスタディ)などに取り組む。

(1面)

2015年度畜産物価格すべて引き上げ 生産基盤強化へ支援拡充(2面・総合)【2015年1月3週号】

 政府・与党は14日、2015年度畜産物政策価格と関連対策を決定した。配合飼料価格の上昇などを踏まえ、加工原料乳生産者補給金単価や肉用子牛の保証基準価格など政策価格はすべて引き上げた。関連対策では、酪農生産基盤の強化に向け、全酪農家を対象に乳房炎対策を措置するほか、生乳の集送乳経費削減に向けた機材のリース導入支援を実施する。肉用牛では、中核的な繁殖農家の増頭支援拡充、肥育農家への資金繰り対策強化などを盛り込んだ。政府がまとめた15年度予算案と14年度補正予算案の畜産・酪農対策は、14年度当初予算比で500億円以上の増額とし、畜産・酪農の生産基盤の強化と収益性向上を図る方針だ。

(2面・総合)

韓国で口蹄疫拡大 情報周知し防疫強化を(2面・総合)【2015年1月3週号】

 農林水産省は9日、韓国での口蹄疫発生が昨年12月3日の忠清北道での発生(豚)以降拡大し、疑いも含めて42件に及んでいると発表した。各県に情報の周知徹底などを通じた防疫措置の強化を求めている。

(2面・総合)

自家製ドライトマトを使った商品開発 ―― 香川県綾川町・まつもと農園(3面・暮らし)【2015年1月3週号】

150121_01.jpg 「青果と加工品でまつもと農園のファンを増やして作付面積を拡大し、地域農業の衰退を食い止めたい」と香川県綾川町陶でまつもと農園を営む松本稔さん(42)。トマトやキュウリなど野菜を栽培する傍ら、規格外品を乾燥させたドライトマトを使う加工品づくりを始めた。トマトのうま味が凝縮している素材を生かし、手軽にオイル漬けが作れる瓶詰めと洋風のだしのもとを商品化した。管理者を務める「道の駅滝宮いちご農園」などで販売していて、妻の小百合さん(48)と二人三脚で販路を広げ、まつもと農園の認知度を高める加工品にしたいと構想する。

(3面・暮らし)

〈写真:ドライトマトは青果を5ミリ厚に切り、フードドライヤーで乾燥する。「トマト本来の味が魅力だ」と稔さん〉

手を抜かない米で全量を直販 ―― 山形県南陽市・青木功樹さん(8面・流通)【2015年1月3週号】

150121_02.jpg 「20年前から米の販売価格は変えていない」と話す青木功樹さん(56)。山形県南陽市郡山で「山形あおきライスファーム」を営む。「粘りと甘さがあり、さめてもおいしい」というミルキークイーン4ヘクタールを中心に8ヘクタールで米を生産し、消費者に直接販売する。植え付け本数を減らし、品種によって異なるが反収450〜550キロ程度とする食味重視の生産で、農薬や化学肥料を慣行比で半分以下にする特別栽培米の認証を受ける。ミルキークイーンは、100キロ6万5千円で一括購入すれば、玄米で保管して必要に応じて5キロ単位で精米を発送する注文方法が好評だ。小米を取り除く選別を徹底して粒の大きさをそろえるなど高品質の米で顧客を獲得している。

(8面・流通)

〈写真:米の保管庫に立つ青木さん。4月以降は大型冷蔵庫で保管する〉

期待のナシ新品種 「ほしあかり」と「はつまる」を発表 ―― 農研機構(9面・営農技術)【2015年1月3週号】

 農研機構・果樹研究所 (茨城県つくば市)はさきごろ、二つのニホンナシ新品種を発表した。「ほしあかり」は黒斑病・黒星病の複合抵抗性を持ち、減農薬栽培が期待でき、「はつまる」は、南東北でも旧盆前の出荷が可能な極早生の良食味品種だ。両品種とも2015年秋季から苗木の販売を見込んでいる。品種の主な特徴を紹介する。

(9面・営農技術)

消費者ニーズの動向を分析 ―― 売れる物作りを【香川支局・2015年1月3週号】

150121_03.jpg 【香川支局】「農業を変えるには、農家が変わらなければなりません。6次産業化だけが手段ではないと思います。一番大事なのは消費者に需要がある物を生産すること」と考える髙橋農園(ニンニク、ミニトマトなど約1ヘクタール栽培)代表の髙橋光男さん(丸亀市飯山町、43歳)。県内外の勉強会や展示会に参加し、加工会社や消費者の動向を分析することで、「売れる物を作る」ことに生かしている。人とのネットワークを広げ販路開拓し、新しい農家の在り方を模索する。

 4年前にニンニク農家として就農した髙橋さん。「むいた状態のニンニクを求めている企業と対面し、それに応えるために機材の購入を決めました」と、自宅の倉庫にニンニクの皮をむく機械や酸性水で洗浄する機械などを設置した。生ニンニクや、むいた状態のものだけでなく、調味料などの加工品も販売している。
 「健康面で需要の高いニンニクは、一次加工することで販売価格向上につながっています。生ニンニクの方が出荷の手間がかからず楽ですが、一手間をかけることが今後の農家には必要不可欠だと考えています」
 量販店では総菜やカット野菜など、調理が必要なく、すぐに食べられる物が売り上げを伸ばしていることもあり、加工品の販売にも注力。県内のイベントでニンニク焼きそばを販売し、規格外品などを無駄無く利用して利益を上げている。
 香川県産業支援財団が行う「農商工連携ファンド事業」を活用し、調味料などを開発して販路を開拓。生産量全国2位の県産裸麦を用いた「にんにくみそ」は付加価値があり好評だ。「加工に適した作物を栽培することは経営に効果的です。旬の時期をずらして販売できることは大きなメリットになります」と髙橋さんは話している。

〈写真:多忙でも、作業に手は抜かない髙橋さん。「良い作物を作ることが基本です」〉

行者菜 雪室利用し休眠打破 ―― 1カ月早い収穫を実現【山形支局・2015年1月3週号】

150121_04.jpg 【山形支局】長井市特産の新野菜「行者菜」を栽培している同市時庭の遠藤孝志さん(35)は、行者菜を促成栽培しようと休眠打破を実施し、1カ月早い収穫につながることを確認した。
 行者菜は、ギョウジャニンニクとニラを交配させたもの。現在の収穫は露地で5月から9月末まで、ハウスは1月中旬から3月末まで行っている。
 年間通しての栽培を目指す遠藤さんは、昨年9月中旬に掘り上げてきた株を約1カ月乾燥状態にしてから、10月中旬に飯豊町の雪室で1カ月低温貯蔵、11月中旬にハウス内の電熱線で加温した土に移植する休眠打破を試みた。その結果、通常のハウス栽培より1カ月早い12月中旬から収穫することができた。
 「今までは、芽が出て伸び始めるまで2週間かかったが、雪室で株を低温遭遇させると3日ほどで芽が動いた」と遠藤さん。発芽と成長が早くなることを確認した。


〈写真:行者菜の収穫に追われる遠藤さん〉

在来品種「飯島かぶ」 ―― 守り続けたい【島根支局・2015年1月3週号】

150121_05.jpg 【島根支局】「最近の品種と比べると虫がつきやすく栽培に苦労しますが、風味があり、柔らかくておいしい」と話すのは、安来市の在来品種「飯島(はしま)かぶ」を栽培する安来市安来町の野々村花子さん(74)。ほとんど作られなくなった同品種を守ろうと、栽培に力が入る。
 飯島かぶは赤い丸カブで、表面はざらざらしているが、皮をむいた身が柔らかいのが特徴。昔から漬物用として栽培していた。長くこのカブを守ってきた奈良井冽(れい)さん(85)は、自家採種を続け、種子を出荷。その手伝いをしていたことで、野々村さんの栽培が始まった。
 現在、栽培をやめた奈良井さんだが、「この辺りでカブと言えば飯島かぶといわれるほど。かつてはどの家庭でも栽培されていた。今では栽培者がいなくなり残念」と話す。
 他の品種と交配しないように気を配る野々村さんは「量は少しですが、この伝統のあるカブを途絶えさせないよう守っていきたい」と、栽培を続けている。


〈写真:飯島かぶを手に野々村さん〉

大麦若葉を茶生産の農閑期に ―― 工場の稼働率向上 雇用の拡大も【大分支局・2015年1月3週号】

150121_06.jpg 【大分支局】「大麦若葉の生産で機械や設備の有効活用や雇用の拡大につながっています」と話すのは、杵築市の農事組合法人きつき茶生産組合の代表理事組合長・髙山勇治さん。同組合では、茶生産に加え、製茶工場の稼働率を上げようと無農薬の大麦若葉(品種「ニシノホシ」)の生産・加工に取り組んでいる。
 製茶工場の稼働期間は一番茶、二番茶を摘採する4月下旬から7月ごろまでに集中する。他の期間は稼働がなかったため、稼働率の向上が課題だった。そこで6年前から大麦若葉を栽培。消毒など管理の手間がかからず、必要となる機械も少ないことから近隣農家にも栽培を呼びかけてきた。本年度は委託農家と組合直営で30ヘクタールを栽培。収穫量(取扱量)は前年度の倍の60トンを見込む。
 乾燥処理などを施した大麦若葉の大半を健康補助食品メーカーへ出荷。また、6次産業化の認可を得て、自社製品として大麦若葉に茶葉「べにふうき」やクワの葉を加えた青汁を販売し好評だ。


〈写真:大麦若葉の収穫作業〉

空きハウス利用し牛舎自作 ―― 部屋を広めに設計 快適環境に【鹿児島支局・2015年1月3週号】

150121_07.jpg 【鹿児島支局】「改良点はまだまだありますが、安価で良い牛舎ができました」と話す志布志市有明町の草野治美(くさのはるみ)さん(53)は、園芸用ビニールハウスを牛舎に改良。牛の飼養管理に役立てている。
 牛舎は間口が10メートル、奥行きは16メートルで繁殖牛8頭を飼育可能だ。屋根には畜産用波板を設置し、側面には脱着可能な防虫ネットを使用して、日射の軽減と通風を確保した。
 コスト削減のため、木材と波板以外はすべてハウスで利用していたものを活用。スタンチョンの枠などはすべて自作した。草野さんは「波板の設置が一番苦労しましたが、修繕や手直しも簡単ですし、部屋を広めに設計したので牛もストレスを感じず、病気もほとんどありません」と手応えを感じている。


〈写真:自作した牛舎の前で草野さん〉

古代米 ―― 自家産稲わらでクラフト教室【宮城支局・2015年1月3週号】

150121_08.jpg 【宮城支局】「緑の香り」など観賞用5品種と、食用品種「黒米」「赤米」の古代米を70アール栽培する、大崎市田尻の「たじり古代稲生産組合」(澤口良夫組合長、組合員20人)では、生産した米や稲わらを使って加工食品の販売やクラフトを製作している。
 同組合は、生産部、クラフト加工部、食品加工部、営業販売部の4部門で構成。古代稲での6次産業化の確立に先進的に取り組む。
 中でもクラフト加工部は、地域の高齢者を対象とした教室や、小学校への出張教室を開くなど、地域の交流を促進する役割も果たす。生産した加工食品やクラフトは、地元の農産物直売所やスーパーで販売。個別発送も行う。
 事務局長の澤口健一さん(64)は「地域の交流の場としてみんなで楽しく活動していければ」と話す。


〈写真:稲わらのクラフト〉

希少な「黄桃」をジャムに加工【新潟支局・2015年1月3週号】

150121_09.jpg 【新潟支局】ほどよい酸味で甘味が強く、濃厚な味わいを楽しめ、果肉が黄色い希少なモモ「黄桃」を栽培する三条市大島の三次郎農園(渡辺正代表=55歳)。その桃をジャムに加工し、販売している。
 同農園で栽培する黄桃は甘く、一般的な白桃の平均糖度に比べ、2度ほど高い。黄桃は栽培面積が少ない上、病害虫に弱く、生食用として市場に出荷できるのは、収穫できた半分程度という非常に希少なモモだ。
 生食用に販売できなかったものを5年前からジャムに加工。B級品の中でも、糖度が高く品質の良いものを厳選している。顧客から「豊かな香りと深みのある味わい」と好評で、市外からも購入に来る。
 正さんの息子・亮介さん(20)は「ネットなどでも商品をPRしていきたい」と話す。


〈写真:加工している黄桃のジャム〉

防風林「より精度の高い気象予測へ【2015年1月3週号】」

 ▼宮城県の米農家を取材した際に「寒だめし」と呼ぶ気象予測の話を聞いたことがある。寒の入りから立春まで約1カ月の天気と気温、風向きを記録し、一定の法則で1年の暦に当てはめる。地域の古老に教わったという。
 ▼「当たり外れはあるが、気温の推移や降水の多寡などの傾向はだいたい合っている」との評価だった。農閑期とはいえ厳寒の中で計測を続ける負担は大きいはずだが、地域の寒だめし仲間との予測結果も楽しみと話していた。
 ▼寒だめしほど複雑な方法ではないが、昆虫や花木の様子を見て播種など作業の目安にしたり、気象の変化を予測する言い伝えが各地にある。「地域の経験を集約した言い伝えの方が天気予報より正確だ」と信頼を寄せる農家もいる。
 ▼科学技術の進展で予報の精度は増している。気象庁は、水稲の刈り取り適期を算定する積算気温予測の改善例を紹介し、情報活用を呼びかける。過去の予測値を基に算定すると平年値を使う従来法に比べ正確に予測できると分かり、山形県で実用化された。
 ▼地域の気象変化を高い精度で予測できれば営農のリスクは相当減る。よく的中する言い伝えの理由なども解明できないだろうか。

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