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今週のヘッドライン: 2015年01月 4週号

収入保険制度の事業化調査 15年産対象に模擬的制度運営(1面)【2015年1月4週号】

 農林水産省は20日、自民党の農業基本政策検討プロジェクトチーム(PT)会合で、昨年11月から開始した収入保険制度の事業化調査(フィージビリティスタディ)の実施概要を説明した。全国の1000経営体(個人750、法人250)の協力を得て、2015年産を対象とする加入申請から保険金算定まで、金銭の授受を伴わない模擬的な制度運営を実施している。調査結果を踏まえて詳細な制度設計につなげるほか、他制度との関係整理など課題の検証・検討を進め、17年の通常国会への関連法案提出を目指している。

(1面)
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〈図:事業化調査に当たって想定している収入保険の補てんイメージ〉

農協・農業委員会のあり方議論本格化 極端な改革案に反発(2面・総合)【2015年1月4週号】

 農業改革の推進に向けた農協や農業委員会、農業生産法人のあり方をめぐる政府・与党の議論が本格化している。政府は、農協法に基づく中央会監査の義務付け廃止や准組合員の事業利用制限、農業委員の公選制廃止などを実施したい意向だが、自民党農協改革等法案検討プロジェクトチーム(PT)では、異論や慎重論が噴出し、早期の意見集約は難航必至の情勢だ。単位農協の経営自由度を高めれば、農業所得の向上につながるとする政府側に対し、自民党農林関係議員やJA全中など団体は、経営の健全性が保てなくなり、地域に悪影響が及ぶと反発する。政府は、関連法案を3月にも国会に提出したい方針だが、対応を誤れば、地域の営農と暮らしに大きな打撃を与えかねず、生産現場の意向・実態を十分に踏まえた改革の具体化が求められる。

(2面・総合)

こんにゃくメーンに地場野菜の料理提供 ―― 岡山県高梁市・有限会社かっこう花グループ(3面・暮らし)【2015年1月4週号】

150128_02.jpg 「おいしいと言われる瞬間が一番うれしい。たくさんの人との出会いがストレス解消にもなる」と渡辺吉子さん(71)。岡山県高梁市川上町高山でこんにゃく料理などを提供する「郷土料理かっこう」を経営する有限会社「かっこう花グループ」の代表を務める。農家女性など6人で構成し、メンバーの内田八重さん(66)が生産・加工する川上町特産のこんにゃくは、周年で生イモから作っていて「刺し身などがおいしい」と人気だ。メンバーの年齢が高くなる中でも、可能な範囲で無理せず経営を続けていく考えだ。

(3面・暮らし)

〈写真:「家庭的な料理の提供を心がけています。かっこう定食は完売する日も少なくありません」と渡辺さん〉

果樹の樹体共済/制度改正案 補償対象の損傷基準緩和へ(5面・NOSAI)【2015年1月4週号】

 農林水産省は14日、果樹の樹体共済の補償を拡充する制度改正案を示し、意見公募(パブリックコメント)を開始した。現行で「主枝に係るもので、樹冠容積の3分の2以上の部分にわたる程度のもの」としている補償対象の損傷基準を、2分の1以上に緩和する。2月12日まで受け付ける意見を踏まえて正式決定し、4月1日以降の加入からの適用を予定する。またこの改正と併せて同時期に、樹体の共済価額や共済金額(契約補償額)の算定に用いる換算係数の見直しを検討している。補償の充実を図る方針だ。

(5面・NOSAI)

生物農薬/価格、支援体制、適用病害虫など 普及促進へ課題探る ―― 日本植物防疫協会のシンポジウムから(10面・資材)【2015年1月4週号】

150128_03.jpg 天敵昆虫や微生物を利用する生物農薬は、環境への負荷を軽減する環境保全型農業への導入、化学農薬による薬剤抵抗性発生の抑制など効果が期待されている。しかし、コストが高く、防除できる病害虫が限定されるなどの理由から化学農薬を含めた総出荷額の0.63%と普及が進んでいない。日本植物防疫協会が16日に東京都内で開いたシンポジウム「生物農薬―この20年の歩みと今後の展望」から、現状や課題、普及対策などを紹介する。

(10面・資材)

〈図:生物農薬出荷金額の推移(日本植物防疫協会提供)〉

口蹄疫、PEDの侵入に警戒を 衛生管理を再確認(11面・営農技術)【2015年1月4週号】

150128_04.jpg 口蹄疫は、韓国で再発・拡大し、近隣諸国でも継続して発生している。国内では、昨年末から高病原性鳥インフルエンザも4県5農場で確認され、侵入に最大限の警戒が必要となっている。豚流行性下痢(PED)の発生は続いており、昨年9月以降、20都県、76農場で確認された。農林水産省は、アジア地域での人や物の移動が盛んになる春節(2月19日)を控えて海外からの病気の侵入を防ぐ水際検疫を強化するほか、畜産農家には病原体の侵入を防ぐ飼養衛生管理基準の徹底を呼び掛けている。口蹄疫やPEDなどの侵入に備え、あらためて確認しておくべき飼養衛生管理基準の要点を紹介する。

(11面・営農技術)

〈図:衛生管理区域設定イのメージ〉

広報紙に中古農機具を紹介 「譲りたい」「買いたい」農家を橋渡し ―― 長崎県・NOSAI県南(5面・NOSAI)【2015年1月4週号】

150128_05+06.jpg 「新品を買えば150万円くらいする。手頃な価格で買えてよかった」と、長崎県島原市出の川町で春ハクサイ1.2ヘクタール、ニンジン50アールなどを生産する松本勝英さん(56)は笑顔を見せる。収穫した野菜を運ぶ乗用運搬機を、NOSAI県南(長崎県南農業共済組合、永野良宏組合長)広報紙の中古農機具紹介コーナーを通じて購入した。年5回発行する広報紙「けんなん」では、農家が「譲りたい」農機具の情報を掲載し、「買いたい」農家と結びつける。交渉は農家同士の責任となるが、2012年7月号から掲載を始めて、今までに約50件がまとまっている。


 松本さんが購入した乗用運搬機は、雲仙市吾妻町布江名の西野良二さん(53)が14年6月号に最低価格40万円で出品した。ミニトマト30アール、タマネギ60アール、カボチャ40アールなどを栽培する西野さんは、ミニトマトの栽培に力を入れるため、タマネギ用に購入して10年ほど使った運搬機が不要になった。近隣の農家でほしい人を探したが見つからず、広報紙への掲載を申し込んだ。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「探していた運搬機が買えてよかった」と松本さん〉
〈写真下:「農機具は使わないと傷む一方。使ってもらえてよかった」と西野さん〉

米の契約栽培で意見交換 日本食農連携機構が都内でセミナー(2面・総合)【2015年1月4週号】

 日本食農連携機構は20日、「米の契約栽培による安定取引と中食・外食に向けた販路拡大セミナー」を東京都内で開いた。生産者や流通業者など約100人が参加し、業務用米の取り組みや契約栽培の現状と課題を報告した。

(2面・総合)

イチゴ品種「真紅の美鈴」を開発 ―― 産地支える力に【千葉支局・2015年1月4週号】

150128_07+08.jpg 【千葉支局】大網白里市の成川昇さん(73)は、イチゴ品種「真紅(しんく)の美鈴(みすず)」を開発した。真紅の外観と、さらに果肉の中まで深い赤色が特徴だ。都内の洋菓子店や法人からの問い合わせの他に、新聞やテレビ、ホームページなどで知った人からの注文も増えている。
 成川さんは千葉県農林総合研究センターのOBで、10年ほど前からイチゴの育種に取り組んでいる。真紅の美鈴は、昨年9月に商標登録され、2011年に品種登録を出願。現在登録の決定を待っている。
 「地域に適したイチゴを作りたい。種子からイチゴ品種の育種に挑戦したい」との思いから新品種の開発を始めた。成川さんが退職する当時、県では種子からのイチゴ品種の育種計画はなかった。種子からでも可能なのではと考えていた成川さんは、「新品種ができなくても先鞭(せんべん)をつけたかった」と話す。
 真紅の美鈴は、甘味の良い「ふさの香」と全国的に栽培され人気を集めた「麗紅(れいこう)」を交配し、選抜して誕生した。どちらも成川さんが農林総合研究センターに在職中に開発した品種だ。
 糖酸比は、県内で主に栽培されている「とちおとめ」の15.8を大きく上回る20.9と高く、赤色の色素成分でもある「アントシアニン」の含有量も約3倍だという。
 「観光イチゴ狩りが盛んな本県で誕生した真紅の美鈴は、味や日持ちも良く、流通性に優れている。ますます人気を集めるのではないか」と成川さんは話す。


〈写真上:「真紅の美鈴」を手にする成川さん。「近隣の農家数軒で栽培され、問い合わせなどが増えている」と話す〉
〈写真下:「真紅の美鈴」〉

牛舎と待機場の間に鎖の「のれん」―― カラスの侵入防ぐ【北海道支局・2015年1月4週号】

150128_09.jpg 【北海道支局】牛をカラスから守ろうと、足寄町の愛和牧場では、フリーストール牛舎と待機場の間に、黄色い鎖の「のれん」を設置して成果を挙げている。
 カラスは、牛の体の傷や乳房を突きケガを負わせることがある。乳房静脈を狙われた牛は出血多量になり、時には死んでしまうことも。同牧場ではこれまで、不規則に回転する防鳥機や、屋根に止まらせないように縁に電牧を設置するなど対策をとってきたが、カラスの学習能力が高いことから次第に効果が薄れるという。
 鎖ののれんは、羽に何かが触れることを嫌うカラスの習性を利用したもので、昨年5月に設置した。同牧場の坂口宏明さん(52)は「鎖ののれんは取り付けに少し手が掛かるが、効果は持続している」と話している。


〈写真:カラス対策に設置された鎖の「のれん」〉

西洋野菜を30種類以上 ―― 飲食店への出荷に手応え【福島支局・2015年1月4週号】

150128_10+11.jpg 【福島支局】30種類以上の西洋野菜を生産(40アール)する、いわき市山田町の坂本和德さん(39歳、水稲10ヘクタール、ネギ120アール)は、高品質生産に努め、レストランなど出荷先から厚い信頼を得ている。
 坂本さんは1999年に参加したヨーロッパ研修で、現地のネギの種を入手し、興味本位で育て始め、03年には販売を目的に作付けた。そして、いわき市内でフレンチレストランを営むシェフ・北尾博水(ひろみ)さん(46)から、「新鮮な西洋野菜が欲しい」と言われたことをきっかけに、西洋野菜栽培に取り組むことに。
 「少しずつ良いものができるようになった」と坂本さん。北尾さんと一緒に市場で宣伝を行い、市内を中心にレストランやホテルなど10軒以上に出荷し、順調に売り上げを伸ばした。
 今ではポワロやロマネスコ、エンダイブ、カステルフランコ、コールラビ、タルディーボなど30種類以上となっていて、坂本さんは「手応えを感じています。今後は出荷先を首都圏や全国に広げたい」と意気込でいる。


〈写真上:野菜を手に坂本さん〉
〈写真下:坂本さんが手掛ける西洋野菜〉

島の野菜を福岡市のスーパーで販売 ―― 高齢者の生きがいづくりに【長崎支局・2015年1月4週号】

150128_12.jpg 【長崎支局】農産物の販路開拓で高齢者の生きがいを支援している壱岐市の「株式会社 壱岐の潮風」。壱岐の農産物を島外販売する、壱岐市出身の渡邉啓二さんが代表取締役を務める株式会社コンファック(福岡市)と連携し、高齢者が庭先で栽培した野菜を産直する。
 現在、出荷を行うのは100人。高齢者が中心のいずれも小規模農家による少量管理での出荷だ。商品は販売店舗ごとにバーコードで管理する。出荷内容は生産者同士で品目に偏りがないように調整。市内3カ所ある同社の集荷所へ生産者が持ち込み、値段付けから包装、ラベル、バーコードシールの貼付まで行う。こうすることで新鮮かつ低価格での販売が可能だという。商品はコンテナに一括荷造り、フェリー輸送される。
 また、出荷者の一人で元JA営農指導員が指導を行う勉強会を月2回開催し、よりよい商品作りのために努力を惜しまない。
 「『張り合いができて楽しみ』という声を聞き、皆さんに喜んでもらえることはとてもうれしい。高齢な就農者に大きな負担を掛けずに生きがいの一つとなれば」と下條社長は話す。


〈写真:集荷所へ生産者が持ち込み、包装などを自ら行う〉

伝統の野菜保存法「つんぼり」―― 先人の知恵 後世へ【福井支局・2015年1月4週号】

150128_13.jpg 【福井支局】福井県内有数の豪雪地帯の池田町ではかつて、保存食文化の一つとして「つんぼり」作りが行われてきた。同町農業公社では伝承していこうと昨年度から制作している。
 つんぼりとは、いわゆる「雪中野菜」の保存法の一つだが、由来・歴史ともに不明で、民間伝承されてきたものだ。
 作り方は、収穫直後の土が付いたままのダイコンを敷きわらの上に積み上げ、かまくら状にわらで覆い、翌日の積雪をもって完成するというもの。独特なスタイルで雪中に野菜を埋めるといった一般的な方法とは異なる。
 この天然の保冷庫の中でダイコンは、でんぷんの分解を促し、細胞液中のブドウ糖濃度を高くして凍結に耐える。新鮮さを保つだけでなく、甘味も増していくという。
 同公社の佐飛充浩さんは、「担い手が減少していますが、後世へ継承したい」と話す。


〈写真:ダイコンなどの野菜を保存する「つんぼり」〉

自家農産物で加工品作り ―― 果実の風味 生かして【山形支局・2015年1月4週号】

150128_14.jpg 【山形支局】自家栽培したリンゴや西洋ナシ、サクランボを使って、大江町の鈴木果樹園園主・鈴木伸治さん(66)は、加工品作りに取り組んでいる。
 慣行栽培に比べ農薬を5〜6割減らし、化学肥料を一切使用しない特別栽培に取り組んでいる鈴木さん。その果実の規格外品を使って、果汁100%のリンゴと西洋ナシのジュース、甘味を控えた西洋ナシのシロップ漬けを商品化している。
 作業は農閑期となる1月の1カ月間。果汁の加熱殺菌処理やシロップ漬けの調理は、蒸気ボイラーを熱源にして湯煎(ゆせん)で行う。そうすることで、余分な熱で果実の風味を損なうことなく、まろやかに仕上がるという。
 鈴木さんは「果実に恥じない、心の込もった加工品を作りたい」と力を込める。


〈写真:鈴木さんが手掛けるジュースやシロップ漬け〉

自家農産物で加工品作り ―― ユズを使ったチョコが一押し【宮崎支局・2015年1月4週号】

150128_15.jpg 【宮崎支局】「自分で生産した農産物や地場産品を使った商品開発をしたいとの思いから、加工品作りをスタートさせました」と話す小林市須木の徳永農園代表の徳永篤さん(32歳=クリ100アール、ユズ100アール)。
 ユズやクリと地場産品を使った商品は、チョコレートだけで60種類、ドーナツ5種類、コンポート5種類、クリとユズのバターケーキ、国産原料を使った砂糖不使用のドライフルーツなどの品ぞろえになっている。
 おすすめは、ユズのホワイトチョコで「甘さ控えめのホワイトチョコとユズの風味が大変マッチするので、ぜひ一度食べてほしい」と話す。
 徳永さんは「これから夏に向けて、チョコレートに代わる地場産品を使った商品開発をしたい」と意欲的だ。


〈写真:チョコレートを手に徳永さん〉

防風林「狩猟者の安全確保対策を万全に【2015年1月4週号】」

 ▼野生鳥獣による農作物などへの被害対策で、狩猟者による駆除や捕獲に期待が寄せられている。ただ、野生動物と相対したり猟銃を扱う仕事であり、重大な事故の危険にも直面する。
 ▼環境省は、実際の事故を再現したDVD『運命を分ける瞬間(タイム・ゼロ)』を作成した。関係機関に配布するほか、インターネットでも公開する。不十分な安全確認での死亡事故と転倒による猟銃の暴発、居住地域近辺のわなによる子どものけがを取り上げた。
 ▼DVDでは、それぞれの事故につながった行動や誤った判断のポイントを解説する。事故の多くは基本的なルールを守っていれば防げるとし、安全意識の喚起と事故防止の取り組み徹底を呼びかけている。
 ▼鳥獣被害対策の予算は年々拡充され、県や市町村による捕獲活動の支援体制も整備されてきた。一方、全国の狩猟免許所持者は20万人弱で、40年ほど前の4割まで減った。高齢化も進み、60歳以上が7割近い。
 ▼野生鳥獣の肉を食べるジビエが話題の昨今は、若い狩猟者も増えつつある。狩猟者の確保と活動の後押しには、安全確保対策の充実が欠かせない。

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