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今週のヘッドライン: 2015年02月 1週号

品種・樹齢示す植栽図を農家に提供 果樹園地の管理分かりやすく ―― 岩手県・NOSAI胆江(1面)【2015年2月1週号】

150204_01+02.jpg 「NOSAIの植栽図は分かりやすく、樹齢の更新もされて便利。園地の状況を正確に把握できるようになった」と、奥州市江刺区伊手隅川でリンゴ約5ヘクタール、プルーン、モモなど約35㌃などを生産する菅野千秋さん(40)は喜ぶ。岩手県のNOSAI胆江(胆江地域農業共済組合、菊地一男組合長)では、リンゴ共済に加入する農家や加入見込みの農家園地の植栽状況を品種・樹齢ごとに整理した植栽図(園地図・植栽状況見取り図)を提供する。担当職員が衛星測位利用システム(GPS)を使い、樹〈き〉の位置を測定。農家から聞き取った品種や樹齢などのデータを加える。これまでに約11万本の植栽図を作製した。

(1面)

〈写真:植栽図を示して菅野大晴職員(左)に園地の品種構成を説明する菅野千秋さん〉
〈図:農家に提供する植栽図。品種を色分けして分かりやすく表示する〉

農水省「畜産クラスター」を推進 連携強化し増収目指す(2面・総合)【2015年2月1週号】

 農林水産省は、畜産・酪農の生産基盤対策で「畜産クラスター」の取り組みを推進する。畜産・酪農家と関連産業や支援組織との連携を促し、地域を挙げた収益性向上の体制構築を目指す。2014年度補正予算案と15年度当初予算案に合計279億円を計上。畜産クラスター推進の実証事業に加え、計画に位置付ける中心経営体の機械のリース導入支援などを措置する。3月に策定する新たな「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(酪肉近基本方針)にも推進を明記する方針だ。畜産・酪農は、農家戸数や飼養頭数の減少で生産基盤の脆弱(ぜいじゃく)化が進む。耕畜連携による資源循環や飼料用米の普及など持続的な地域営農の確立に向けても畜産・酪農の振興が重要だ。

(2面・総合)

薬局・ドラッグストアの医薬品 種類と選び方 ―― セルフメディケーション推進協議会 村田正弘会長代理(3面・暮らし)【2015年2月1週号】

150204_03.jpg 薬局やドラッグストアには多くの医薬品が並んでいる。症状に合わせた医薬品を選ぶにはどうしたらいいか。医師、薬剤師、製薬メーカーなどで構成するセルフメディケーション推進協議会の村田正弘会長代理に、医薬品の分類や選び方を聞いた。

(3面・暮らし)

〈写真:村田正弘会長代理〉

5色以上のミニトマトをセットに 販売先と信頼関係築いて安定取引 ―― 福島県福島市・須藤満さん(4面・流通)【2015年2月1週号】

150204_04.jpg 福島市本内の須藤満さん(45)は、水耕栽培する色とりどりのミニトマトを詰め合わせたセット「虹トマト」をスーパー向けに出荷する。見た目の鮮やかさに加え、品質も評価され、品種ごとの出荷に比べ約2倍となるキロ当たり平均800〜900円で年間通じて安定販売する。「販売先との信頼関係が第一だ。収量の少ない時期には出荷先を絞り、多くなる春以降には販路を広げる」と須藤さん。販売先や卸業者と連絡を密にとり、3キロ箱での出荷や産直も組み合わせて、年間収量12〜13トンのほとんどを売り切る。

(4面・流通)

〈写真:「ミニトマトは冬場でも生産量がある程度安定している。欠品を出さないことが信頼につながる」と須藤さん〉

地域ごとにNOSAI部長の勉強会 知識深めて交流も ―― 山形県・NOSAI山形中央(5面・NOSAI)【2015年2月1週号】

150204_05+06.jpg NOSAI制度の円滑な運営に、制度と地域をよく知るNOSAI部長の役割は大きい。山形県のNOSAI山形中央(山形中央農業共済組合、青柳長一郎組合長)では、NOSAI部長会を組織して勉強会を開催。制度の知識を深めるとともに地域のNOSAI部長や職員との交流の機会とし、お互いの信頼関係を築いている。20年以上の経験を持ち、事業推進にも力を発揮するベテランのNOSAI部長を取材した。


 山形市落合町の會田新吉さん(76)は、NOSAI部長を務めて約20年のベテランだ。水稲の損害評価員も兼務する。15戸を担当し、建物共済、農機具共済、園芸施設共済を推進するほか、年6回発行する広報紙や異動申告票、証券などを配布する。

事故経験生かして農機具共済を推進
 「『共済があって助かった』と言われたときにNOSAI部長をしていて良かったと感じる。加入していれば補償があるので安心して営農できる」と大石田町次年子の海藤憲一さん(61)は話す。NOSAI部長を務めて約25年になる。35戸を担当し、建物共済と農機具共済の推進のほか、広報紙や異動申告票の配布などを行う。

(5面・NOSAI)

〈写真上:會田さん(左)とNOSAI山形中央総務部企画情報課の遠藤貴之係長。月1回は顔を合わせるという〉
〈写真下:広報紙を受け取る海藤さん(左)とNOSAI山形中央総務部の鈴木守企画情報課長〉

温州ミカンを樹上完熟 品質追求し糖度14度 ―― 和歌山県有田川町・的場清さん(9面・営農技術)【2015年2月1週号】

150204_07.jpg 1.4ヘクタールの「宮川早生」を中心に温州ミカン1.8ヘクタールを栽培する和歌山県有田川町田口の的場清さん(59)は、樹上完熟させたミカンを収穫後10日〜1カ月貯蔵し、糖度14度、酸度0.7%の〝まろやかなミカン〟に仕上げる。食味を左右する剪定(せんてい)は、2月上旬〜5月中旬に夫妻2人で時間をかけて丁寧に行う。収穫などは適期作業を心掛け、雇用労働を使って一斉に実施する。収穫後の果実を傷めないよう選果機の段差を小さくし、コンテナにクッションを敷くなど努める。個選で市場出荷し、平均単価キロ600円の高値で取引されている。

(9面・営農技術)

〈写真:ミカンを選果する的場さん。選果機からの段差を小さくしている〉

全国野菜園芸技術研究会/トマト・キュウリサミット トマトUターン誘引で収量確保 ―― 岩手県奥州市・高橋光朗さん(9面・営農技術)【2015年2月1週号】

 全国野菜園芸技術研究会は1月22、23日、「第5回トマト・キュウリサミット」をさいたま市で開いた。種苗、資材メーカー、生産農家など約400人が参加した。分科会で、トマトの長期どり栽培を報告した岩手県奧州市の高橋光朗さんの事例を紹介する。
 高橋さんはJA江刺トマト専門部の副部会長を務め、30アールで「みそら64」と「りんか409」を夏秋栽培する。自根苗を自家育苗し、労力分散のため、4月に20アール、5月に10アールを定植。6月下旬〜11月下旬に収穫する。昨年の10アール当たり収量は、4月中旬定植で17トンとなり、部会の平均収量7.5トンを大きく上回った。

(9面・営農技術)

水稲、麦、園芸施設共済の掛金 おおむね引き下げに(2面・総合)【2015年2月1週号】

 農林水産省は1月26日、食料・農業・農村政策審議会農業共済部会を開催。西川公也農相が諮問した2015年産以降の水稲と陸稲、16年産以降の麦、15年4月から共済責任期間(補償期間)が開始する園芸施設共済に適用する掛金率の算定方式の考え方を了承した。審議会の答申後に新たな掛金率が告示される予定だ。また、12年の算定方式見直しの際に導入した、NOSAI団体が保有する積立金の水準に応じて農家の掛金を引き下げる措置は継続する。

(2面・総合)

双子の兄弟 力を合わせて ―― 地域支える酪農家に【栃木支局・2015年2月1週号】

150204_08.jpg 【栃木支局】那須烏山市鴻野山で酪農を行う髙瀬慎司さん(27)と康司さん(27)は、力を合わせ、家族で経営する髙瀬牧場を支えている。二人は双子の兄弟で、慎司さんが兄、康司さんが弟だ。二人は、就農直後に起きた東日本大震災を乗り越え、牛とのふれあいを大切にする青年部活動にも力を入れながら、地域で活躍できる一人前の酪農家を目指し、毎日元気に牛と向き合っている。
 現在、両親と4人で酪農を営む。高台の約1ヘクタールに牛舎や堆肥舎などがあり、ホルスタインの成牛85頭、育成牛54頭を飼育する。牛舎はフリーストールで、日当たりが良く、とても明るい。また、13ヘクタールでデントコーンを自家栽培し、収穫後は、最低1カ月は発酵させて使用している。
 全量を酪農とちぎに出荷し、1日2700キロ搾乳する。慎司さんは、「牛が寝るベッドをこまめに清掃し、転んだりしないようにしています。一頭一頭を毎日欠かさず観察し、異変にすぐ対応できるようにしています」と話す。
 二人は就農後、特に印象に残る出来事に、東日本大震災を挙げる。パーラーや管理舎が大きく破損し、大規模な修繕をした。また、停電のため地下水をくみ上げるポンプが停止し、川まで水をくみに行った。さらに放射能問題から、13年産のデントコーンに放射能検査を行い安全を確認。牛を飼育することだけを考えていたところに経験したことのない自然災害が起こり、経験のない被害が発生した。震災の混乱が落ち着くまで1年ほどかかったという。
 昨年は酪農とちぎ青年部で市内の小学校に牛を連れていき、搾乳体験を行った。子どもたちの喜ぶ姿を見て、酪農の楽しさを子どもたちに伝えたいという思いが強くなり、今後も積極的に活動を続けていきたいという。


〈写真:「これからも力を合わせて頑張りたい」と慎司さん(左)と康司さん〉

岐阜県関市がサル捕獲用に大型囲いわな設置 ―― 見回りなど住民も協力【岐阜支局・2015年2月1週号】

150204_09.jpg 【岐阜支局】関市は獣害対策として西神野八神地内にニホンザル捕獲用の大型囲いわなを設置。昨年7月の設置から12月までに11頭を捕獲した。
 市内ではニホンザルによって農作物が荒らされる被害が多発。また、ガラスを割って家屋へ侵入されるなど、生活面でも深刻な被害に悩まされてきた。地域住民は田畑を電気柵で囲むなど防護してきたが、被害を完全に防ぐには至らなかった。 
 囲いわなは縦12メートル横8メートル高さ約3メートルの大きさ。中に置かれた餌を目当てにサルが入ると、壁の上部に返しがあるため、出られなくなる仕組みだ。
 囲いわなの管理は、市が開催する講習を受け、見回りや餌の補充を行う「補助者」が行う。地域住民の数人が補助者として囲いわなの管理に従事する。「市と猟友会だけでは、普段の見回りも難しい。地域住民の協力が非常に大切」と市林業振興課の古田重明主任主査は話す。
 今後の課題は餌の確保だという。広さを生かして、囲いわなの内部で餌のトウモロコシなど作物を栽培したらどうかなどアイデアを出し合い、捕獲数アップを目指している。


〈写真:設置された大型囲いわな〉

新鮮で安全な農産物 直接消費者へ ―― 厳しい生産基準にリピーター【高知支局・2015年2月1週号】

150204_10.jpg 【高知支局】「新鮮で安全な農産物を直接消費者に販売する場を作ろう」と県内の有機農業者が集まり始まった、高知オーガニックマーケット。毎週土曜日、高知市の県立池公園で開催され、運営は「高知オーガニックマーケット出店者組合」(弘瀬豊秀代表世話人)が行う。
 同組合では、化学合成肥料を使用しない、種子や苗は自家採取・自家育苗を目標とするなどの農作物栽培基準を設定。また、加工品にも農薬、化学肥料や合成添加物の不使用などのガイドラインを設けている。
 出店希望者は栽培基準やガイドラインを満たしているかを外部委託した担当者による確認を受け、試験出店を経て正式登録となるが、「希望者は多いが、出店までに至るケースは少ない」と弘瀬代表。
 出店者には栽培履歴の作成が求められていて、出店時には携帯し、消費者の求めに応じて提示することが義務づけられている。
 信頼できる生産者が対面で販売を行うことで人気が高まり、開催日には多くの常連客が訪れていて、「ここで買わないと生活ができない」との声も多い。出店者の一人は、「常連客もでき、信頼して買ってもらえるので、直販市よりは有利販売できている」と話す。
 「今後は常時出店を60ほどに増やしていきたい」と弘瀬代表は話してくれた。


〈写真:常連客も増え、にぎわうマーケット〉

オリジナルレシピを開発 ―― 特産品の魅力PR【秋田支局・2015年2月1週号】

150204_11.jpg 【秋田支局】「山内地域をはじめとして、横手市にはおいしい農産物がたくさんある。その良さを多くの人に広めていきたい」と話す、横手市山内土渕の藤田ミキ子さん(56)。オリジナルレシピの開発を通して、地元の特産品のPRに力を注いでいる。
 藤田さんが現在取り組むのは、伝統野菜「山内人参(にんじん)」を使った「さんないだんご」。もち粉と山内産サトイモ「いものこ」からなる団子に、自家産ニンジンをペースト状にしたあんが付いたものだ。「ニンジンを嫌う子どもが多いので、お菓子にすれば食べてもらえると考えた」と藤田さん。「白あんを使うことでニンジンの赤みを生かして、見た目でも楽しめることがポイント」と工夫した点を明かす。
 山内人参は横手市山内地域で栽培される品種で、30センチ以上ある長さと、鮮やかな赤色にしっかりとした肉質が特徴だ。近年、横手市が中心となって作付け拡大と販売促進を図っている。
 市で開催された「アイデア料理コンテストinさんない」で、藤田さんのさんないだんごが最優秀賞に輝いた。藤田さんは「いただいた賞を励みに、これからも続けていきたい」と笑顔を見せる。


〈写真:「山内人参」を手に藤田さん〉

菌床キクラゲの栽培試験 ―― ハウス加温に温泉熱を利用【大分支局・2015年2月1週号】

150204_12.jpg 【大分支局】温泉地として知られる由布市湯布院町の奥江地区に、温泉熱を利用した農業用ハウスが設置され、菌床キクラゲの栽培試験が行われている。管理・運営する同市の日野朝光さん(48歳、湯布院フォレストエナジー株式会社代表取締役)は「過疎が進むこの地域の活性化に役立てたい」と話す。
 国の補助事業を利用して建てられたハウスは、99度の源泉で熱交換した80度の温水を施設内に通した温湯管に流して加温する。奥江地区は冬季には氷点下10度に達することがあるが、「燃料を使うことなく施設内を暖めることができます」と手応えをつかむ日野さん。散水・ミスト散布機械を設置し、モバイル機器での遠隔操作も可能にした。
 キクラゲは生の状態で市内の道の駅や直売所に出荷していて、「珍しい」と売れ行きは順調という。


〈写真:菌床キクラゲを手に日野さん〉

長岡野菜「雪大根」―― 降雪後に収穫 辛味和らぎ甘く【新潟支局・2015年2月1週号】

150204_13.jpg 【新潟支局】降雪後に収穫する長岡野菜「雪大根」の出荷が、2月末まで長岡市で行われている。雪大根は、秋に収穫するダイコンを雪の積もる冬季まで待って収穫するため、実はどっしりと大きい。
 収穫後は、低温で高湿度の雪中に保管するため、辛味が和らぎ、生で食べるとナシのようなみずみずしい食感と甘味を感じるのが特徴だ。
 「積雪後に収穫することが決まりのため、作業計画が立てにくく、根雪になる前に一斉に収穫するので苦労しました」と話すのは、昨年から10アールで栽培を始めた左近農園(早川滋代表取締役社長=67歳)の大竹裕樹さん(22)。
 降雪前は好天が続き順調に肥大したが、その後の急激な積雪で、作付けの多い生産者の中には、雪に埋もれて収穫が困難となった圃場もあったという。


〈写真:掘り出した「雪大根」〉

在来大豆「借金なし」―― 豆腐で魅力引き出す【福岡支局・2015年2月1週号】

150204_14.jpg 【福岡支局】宗像市牟田尻の「さつき豆腐」を経営する和田正隆さん(63)は、全国的に生産者の少ない「借金なし」という在来種の大豆を使った豆腐を作っている。
 地元で借金なしの栽培を試したところ、土質との相性がよく、収量、味ともに納得の出来だったため、現在では農事組合法人のさかに作付け(約230アール)を依頼している。
 借金なしで作る絹豆腐は、低タンパクで高糖質のため甘くコクのある味になるという。消費者からは「大豆の風味があっておいしい」「やわらく舌触りもよい」と好評だ。
 「今後も生産性、品質ともに向上するよう日々研究に努めます」と和田さん。「借金なしで作った豆腐の魅力をより多くの人に発信していきたい」と力を込める。


〈写真:大豆「借金なし」の豆腐〉

防風林「潜在生産力の発揮に人材確保は不可欠【2015年2月1週号】」

 ▼3月のとりまとめに向け、食料・農業・農村基本計画の見直し検討が農林水産省の農政審議会企画部会で進められている。食料自給率目標に加え、「わが国の農林水産業が有する食料の潜在生産力」を示す「食料自給力」の指標化が課題の一つだ。
 ▼豊かな食生活が維持される中で深く考える機会が少ない食料安全保障について、指標を示して国民的議論とし、食料の安定供給確保に向けた取り組みを促すと説明する。生産者には農地などの農業資源や農業技術のフル活用、消費者には国産農林水産物の積極的な消費拡大や農山漁村の重要性に対する理解促進を働きかける。
 ▼現行案では、現在の農地と再生利用可能な荒廃農地の面積を基本に、一定の栄養バランスを考慮して主要穀物中心に供給熱量を最大化する場合、いも類を中心に栄養バランスは考慮せず供給熱量を最大化する場合など、四つの試算を過去からの推移を含めて示す予定だ。
 ▼考え方は分かるが、生産に必要な労働力は確保されているとした試算の前提が納得できない。農業構造展望の説明資料では、水稲など土地利用型作物で基幹的農業従事者が1人10ヘクタール程度を耕作するとして約30万人、畜産などと合わせると農業生産の維持に約90万人が必要という。毎年2万人の青年層を就農・定着させないと90万人を安定的に維持できない計算だ。
 ▼現在の実績は半数の約1万人でしかない。仮定の試算とはいえ、潜在生産力発揮に不可欠な人の問題を無視していいものか。

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