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今週のヘッドライン: 2015年02月 2週号

薬用作物契約栽培 安定収入が魅力 ―― 高知県越知町・農事組合法人ヒューマンライフ土佐(1面)【2015年2月2週号】

150211_01.jpg 「薬用作物としての品質を満たすため、栽培には細心の注意を払っている」と農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」(山中嘉寿馬=かずま=組合長、役員7人)の箭野宏明副組合長(67)は話す。高知県越知町でミシマサイコなどの薬用作物を栽培する。医療用漢方薬製剤で国内シェアが8割を超える株式会社ツムラと契約して全量を販売。軽量で高齢者にも取り組みやすく、安定した収入が得られることから、新規就農する若者にも好評だ。四国でミシマサイコを栽培する五つほどの生産者グループから集荷し、加工・調製した上でツムラに納品する事業も手がける。

(1面)

〈写真:収穫したミシマサイコを洗浄するヒューマンライフ土佐監事の橋詰真二さん〉

農水省/未利用資源活用と連携推進で新事業 山村の活性化支援を強化(2面・総合)【2015年2月2週号】

 農林水産省は、2015年度から農山村の活性化支援を強化する。15年度予算案で「山村活性化支援交付金」を創設し、地域ぐるみでの未利用資源活用を通じた所得・雇用の増大を支援。新たに「農村集落活性化支援事業」も措置し、集落営農組織などを活用した集落間のネットワーク化などを促す。また、自民党は施策の基本となる山村振興法が3月末で期限切れとなるため、目的などを明確化して10年間延長する改正案を今国会に提出する方針だ。農山村は、国土保全や水源涵養(かんよう)などの多面的機能発揮に重要な役割を担っているが、人口減少や高齢化が深刻化し、多くが存続の危機にある。農山村の価値を再確認・共有し、活力の再生・向上を強力に後押していく必要がある。

(2面・総合)

茶室を設け抹茶・和菓子提供、染め物体験も ―― 静岡県静岡市・鈴木まゆさん(3面・暮らし)【2015年2月2週号】

150211_02.jpg 「お茶の育つ景色や水とともに人をもてなしたい」と静岡市清水区中河内(なかごうち)で100年以上続く茶業を継いだ鈴木まゆさん(30)。「清照由苑(せいしょうゆえん)」と名付けた茶園では、1.3ヘクタールで茶を栽培し、抹茶や煎茶に加工して販売する。母の照美さん(55)と2人で自宅の敷地に設けた茶室兼店舗を営む。抹茶や煎茶などの商品はアイデアを出し合いブレンドや包装などを工夫した。茶摘みや茶葉を使った染め物の体験を企画し、山間の茶産地を訪れる人を楽しませている。

(3面・暮らし)

〈写真:「同じ茶葉でも色の違いが出せます」と茶葉で染めたストールを手にまゆさん〉

キウイ・ブドウ・モモ/2016年産から災害収入共済方式を開始 産地発展の支えに ―― 香川県・NOSAI香川(7面・NOSAI)【2015年2月2週号】

150211_03+04.jpg 「台風や病害への補償がほしいと、キウイフルーツ共済の実施をずっと心待ちにしてきた」と香川県善通寺市吉原町で株式会社「キウイベリージャパン」を経営する島田満沖代表(65)は強調する。キウイフルーツを生産する県内4農業生産法人などが出資し、12ヘクタールで県オリジナル品種の生産・加工・販売を行う。NOSAI香川(香川県農業共済組合、上砂正義組合長)は、2016年産のキウイフルーツとブドウ、モモから「災害収入共済方式」の導入を予定し、農家や生産部会へ足を運んで補償内容の説明に力を入れている。収量減少だけでなく品質低下も補償し、規模拡大が進む産地の農家経営を支える。


 島田さんは、高品質な果実生産を武器にキウイフルーツを自ら販売する。東京の高級果物店で1個3500円ほどで販売される「香緑(こうりょく)」が代表的なブランドだ。現在20〜30代の研修生3人を受け入れ、キウイフルーツ生産を指導する。
 「台風などの大きな被害を10年に一度は味わってきた。共済に加入できれば鬼に金棒だ。若い連中には早く所帯を持てと言っている」と笑顔を見せる。キウイフルーツ共済の実施は生産者の間でも話題になり、加入に興味を示す農家は多いという。

掛金の半分を国庫が負担
 多度津町奥白方で「シャインマスカット」や「ピオーネ」などブドウ70アールを生産する渡邉力夫さん(68)は「個人の実績が反映されやすい仕組みで、高い品質のブドウ作りを目指す農家としてはメリットを感じる。暴風雨や干ばつへの備えは必要だ。掛金の国庫負担があるのも魅力で、加入を検討したい」と話す。

(7面・NOSAI)

〈写真上:キウイフルーツの誘引作業を行う島田さん〉
〈写真下:小山課長(右)から災害収入共済方式の説明を受ける渡邉さん〉

レストランにベビーリーフを直販 プロが認める味と鮮度 ―― 兵庫県上郡町・門積良幸さん(12面・流通)【2015年2月2週号】

150211_05.jpg 兵庫県上郡町大枝の門積良幸さん(36)は、野菜10種類ほどをハウス15アール(5棟)で栽培し、若芽を混ぜたベビーリーフをレストラン45軒に直販する。食味と葉の色、形のバランスを考え、季節によって組み合わせる野菜を変える。鮮度を保つため、朝取りした若芽を水洗いせずに袋詰めし、午後にはレストランに自ら配達する。価格はキロ3500円(配達料込み)だ。周年で安定供給し、シェフからは野菜の味が濃いと高く評価されている。

(12面・流通)

〈写真:ルッコラを収穫する門積さん〉

露地野菜/リーフレタス主に多品目生産 作業体系を構築 ―― 福岡県久留米市・野村勝浩さん(13面・営農技術)【2015年2月2週号】

150211_06.jpg 「野菜の価格変動は予想が難しく短期間に6〜7割になるおそれもある。多品目生産によるリスク分散を収益確保のポイントとしている」と福岡県久留米市太郎原〈だいろばる〉町の野村勝浩さん(54)。リーフレタス5ヘクタールを筆頭にホウレンソウ2ヘクタールなど葉もの野菜を露地栽培する。パイプハウスでコマツナとミズナを周年栽培し、端境期となる7〜9月の収入確保と年間作業体系を構築して経営安定を図っている。JAくるめリーフレタス部会の部会長を務め、共販売り上げ10億円の達成に貢献するなど地域農業の先導役として活躍している。

(13面・営農技術)

〈写真:リーフレタスの生育を確認する勝浩さん〉

生乳・牛乳乳製品の需給改善策は ―― Jミルク 前田浩史専務理事に聞く(1面)【2015年2月2週号】

150211_07.jpg Jミルクはこのほど、2015年度の生乳需給はひっ迫傾向が続くとの見通しを発表した。前田浩史専務理事に牛乳乳製品の需給状況と改善に向けた課題などを聞いた。


 ―― 15年度の生乳・牛乳乳製品需給見通しのポイントは。
 前 田  全国の生乳供給量は、前年度並みとなり、消費量を脱脂粉乳ベースで20万4千トン、バターベースで23万7千トン(いずれもカレントアクセス分の輸入量を含む)下回る見通しだ。生乳生産量は、初妊牛の微増で北海道は前年度比1.3%増となる一方、都府県は減少基調が続き、1.4%減となる。消費量は、高齢化や人口減少、牛乳を飲む機会の少ない単身世帯の増加などで減少傾向にある。ただ、健康志向の高まりから高齢世帯や単身世帯を中心にヨーグルトなどはっ酵乳の消費が伸びている。

(1面)

〈写真:前田浩史専務理事〉

農作物を守れ ストップ!! 鳥獣害(10面・特集)【2015年2月2週号】

 農林水産省はさきごろ、2013年度の野生鳥獣による被害金額を199億円と発表した。12年度比で31億円減少したものの、鳥獣被害を取り巻く状況は依然厳しい。鳥獣被害をめぐる情勢を紹介する。

(10面・特集)

農水省/稲作のコスト低減と高収益化を探るワークショップ(2面・総合)【2015年2月2週号】

 農林水産省は5日、稲作の生産コスト低減や高収益化を推進するワークショップを東京都内で開いた。直播栽培や流し込み施肥などの技術や資材を展示したほか、ICT(情報通信技術)をテーマにパネルディスカッションを実施。研究者などが経営シミュレーション作成や作業記録の蓄積システムなどを紹介した。

(2面・総合)

ブルーベリー観光農園、冷凍果実・加工品を通年販売【福島支局・2015年2月2週号】

150211_08+09.jpg 【福島支局】須賀川市狸森で多種のブルーベリーを栽培する塩田ヨシノさん(64)は、摘み取り農園や冷凍果実販売、濃縮液ドリンクの加工に取り組み、ほぼ一年を通じてブルーベリー関連の販売を行う。「私の育てたブルーベリーを通じて、皆さんに健康を届けたい」と塩田さんは話している。
 塩田さんは、1ヘクタールの園地で50種類以上を植え付ける。ブルーベリーには自家不結実性(自分自身の花粉では結実しにくい)を持つものがあり、そうでないものも他家受粉させた方が果実が大きくなるといわれている。「独特の性質があって品種選びが難しい」という。
 経営する「芳乃ガーデン」では6月下旬から9月下旬までブルーベリー狩りを楽しんでもらおうと、ハイブッシュ系とラビットアイ系の早生、中生、晩生種を栽培。また冷凍した果実を10月から翌年6月に販売する。
 飲みやすさと長期保存を考えて濃縮液のドリンクを商品化。アントシアニンの含有量が多い品種を選び、1瓶50ミリリットルに果実100グラムを使用する。合成保存料は使用せず、常温で18カ月保存でき、20度という糖度と味で販売も伸びているという。
 東日本大震災に伴い発生した福島第1原子力発電所の事故による風評被害の影響で来客が途絶えた時期もあったが、商品の安全性を説明して、客足は戻りつつある。「農家と消費者が支え合って、生きる喜びを感じられるコミュニティーをつくりたいですね」と話す。


〈写真上:ブルーベリーの生育を見る塩田さん〉
〈写真下:「飲みきれる容量にした」というドリンクは3本1000円で販売中〉

原発事故で全滅した原木シイタケ 出荷再開へめど【宮城支局・2015年2月2週号】

150211_10.jpg 【宮城支局】「やっとここまできた」。登米市で原木シイタケ(露地・施設)を経営する芳賀裕さん(56)は、福島第1原子力発電所事故の影響で露地栽培用の原木が全滅したが、安全・安心なシイタケを目指しながら栽培地復旧に力を注ぐ。
 施設内で栽培するシイタケは、年植で原木1万4千本のうち4200本。「施設用が無事だったのが、せめてもの救い」と胸中を明かす。
 温度・湿度を見極めて管理し、1日平均15キロを収穫。冬場はハウスの温度調整に遮光幕を活用するほか、役目を終えた原木をまきとして利用するなど、コスト削減にもつなげている。県内の直売所や料理店へ出荷、通信販売も手掛けるなど販路拡大にも取り組む。
 露地栽培の原木は、出荷制限解除に向けて準備を進めている。「原木の確保が一番の問題だった」と芳賀さん。県外から安全な原木を調達した。昨年8月には市内で露地栽培の出荷制限が解除された生産者が誕生した。芳賀さんも現在、出荷再開を目指し申請中だ。
 芳賀さんは「露地シイタケが出荷再開できるまであと少し。早く皆さんに、独特の香りと濃厚な味わいを持つ露地シイタケを食べてもらいたい」と話している。


〈写真:「独特の香りと濃厚な味わいを持つ露地シイタケを食べてもらいたい」と芳賀さん〉

カントリーエレベーター排出のもみ殻を育苗マットに【山形支局・2015年2月2週号】

150211_11.jpg 【山形支局】JAあまるめ(余目町農業協同組合、森屋要二代表理事組合長)では、カントリーエレベーター(CE)から排出されるもみ殻を有効利用した水稲の「もみ殻育苗マット(通称エコマット)」の製造に取り組み、環境にやさしい循環型農業を進めている。
 粉砕したもみ殻などを固めたもので、重さ約450グラムで床土の10分の1程度。一般的な育苗用マットより3割ほど安く、作業効率を高め、農業経営にも一役買うとされる。
 エコマットの製造工程は(1)もみ殻の粉砕(2)粉砕したもみ殻と肥料などを攪拌(かくはん)混合(3)マットに成型して箱詰め――。11月から翌年3月まで常時2人(繁忙期を除く)で1日1500〜2千枚、総数15万枚を作る。
 施設長の伊藤秀明さん(59)は、ベルトに余分なもみ殻などが付着し型崩れしないように送風装置を自作したり、厚さ1.35〜1.5ミリに均一化するために材料の量を微調整したりと工夫する。
 エコマットは、同JA管内の水稲作付面積の約3分の1、350ヘクタール分(11万枚)の育苗に使用され、「あまるめ米」のブランド確立の一翼を担うほか、東北各県や岐阜県などにも普及している。


〈写真:伊藤施設長(右)とJAあまるめの佐藤主任〉

自家産サツマイモの加工品をサービスエリアの名産へ【兵庫支局・2015年2月2週号】

150211_12.jpg 【兵庫支局】山陽自動車道龍野西サービスエリア(SA)上り線の支配人・藤田浩二さん(47)は、自らが栽培したサツマイモを使った加工品を製造し、SA内で販売する。
 SAで販売する物を模索している際に、たつの市農業委員会から御津園芸施設組合を紹介され、組合を通じて30アールの畑を借りることができた。品種は「鳴門金時」。地元の名物とするため、成山新田と鳴門金時の名前を合わせ、成金にとの希望も込めて「成山金太郎」と命名。そのサツマイモを使用した「成金まんじゅう」「成金ぽてと」、ソフトクリームの「イモンブラン」などを商品化した。
 サツマイモの収穫後はダイコンを栽培し、同様にサービスエリアで販売している。「新たな名産品として認知され、定着するよう作付面積を増やしていきたい」と藤田さん。


〈写真:商品を手に藤田さん〉

乳牛に和牛受精卵を移植 ―― 高付加価値の子牛生産へ【千葉支局・2015年2月2週号】

 【千葉支局】旭市の浪川隆弘さん(40)は、和牛の受精卵移植での子牛生産に力を入れ、昨年、子牛35頭を出荷した。現在、搾乳牛58頭と繁殖和牛19頭を飼養し、受胎している搾乳牛の約半数が和牛子牛を出産予定だ。
 和牛の受精卵移植を始めた目的は、子牛の付加価値を高めるため。千葉県の乳牛育成牧場に預託した牛に和牛の受精卵移植をしたのがきっかけだ。以前は子牛を肥育し出荷していたが、子牛市場の価格高騰に伴い、ここ数年は子牛出荷を主体としている。
 受精卵は、ちばNOSAI連(千葉県農業共済組合連合会)北部家畜診療所の協力で、自家所有の繁殖和牛から採卵したものと、他の和牛農家から購入したものを使用。凍結卵より新鮮卵の受胎率が高いため、採卵日に合わせ多くの移植予定牛の発情同期化を行う。
 繁殖管理を担当する父の操さん(63)は「搾乳牛の7割を目標に胚移植の受胎頭数を増やしていきたい」と抱負を話す。今後、乳用種の後継牛確保のために、ホルスタイン種雌雄判別精液を用いた乳用牛の採卵も検討している。

五角形の「五格いよかん」―― 受験生をミカンで応援【愛媛支局・2015年2月2週号】

150211_13.jpg 【愛媛支局】受験生にとって心強いアイテムがある。八幡浜市日土の日土橘4Hクラブが栽培している「五格いよかん」だ。
 この「伊予かん」は、2Lサイズの果実を、5枚の板で正五角形となるように囲んで成長させたもの。輪切りにすると「合格」にかけた五角形になる。同クラブの代表・二宮啓輔さん(28)は、「ビタミンCを含み、風邪の予防にもなりますよ」と話す。
 二宮さんは、「ヘタの部分を五角形の中心にすることに苦労します。約400個に木枠を取り付けますが、満足いくものは50個くらい」と、なかなかの"狭き門"。購入者から「合格しました」とのうれしい知らせもあったという。
 「包装の方法を、袋から木箱に替えて販売したい。県内の木材を使用することで、林業関係も巻き込んだ取り組みができたらいいですね」と、二宮さんの夢は広がる。


〈写真:五格いよかんの断面〉

防風林「許されない暴力画像の拡散【2015年2月2週号】」

 ▼過激組織「イスラム国」による2邦人の人質事件は、最悪の結果となった。親族や友人の胸中を思うといたたまれない。一方的な破壊や暴力は決して許されず、政府にはテロ撲滅に力を尽くしてもらいたい。ただ、挑発に乗って報復の連鎖に陥らないよう慎重な対応が望まれる。
 ▼また、今回の人質事件では、インターネットが持つ危険性をあらためて感じた。イスラム国は、明らかに武器として利用し、残虐な映像を発信して無理難題の要求を突き付け、多くの人に恐怖を与えている。さらに問題に思うのは、悪意のある映像や画像の拡散だ。
 ▼わが家の子どもが利用する交流サイトにイスラム国が発信した画像があったという。コピーを配信した当人は、興味本位で行為の是非など考えてもいないだろう。だが、標的にされた犠牲者と家族の気持ちを思えば安易にやっていいことではない。直接手を下さなくても人を傷つける暴力だ。
 ▼パソコンとスマートフォンの普及に伴い、インターネットは生活に欠かせないものになっている。特に情報の検索には重宝だ。一方で、一度配信された情報は、削除してもコピーが作られ、消えることがない。未成年者の犯罪が起きたときなども、画像や個人情報が流れ、拡散している。
 ▼社会的には個人情報の扱いを厳格にする流れにあるが、インターネットの世界は全く逆方向で、後戻りもできないようだ。

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