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今週のヘッドライン: 2015年04月 2週号

法人を設立し野菜を幼稚園で販売 若者起点に食農の輪 ―― 岡山県岡山市・岡山大学法学部4年 梶岡洋佑さん(1面)【2015年4月2週号】

150408_01.jpg 「農業で安定して利益が出るモデルを作り、地域を盛り上げていきたい」と話すのは、岡山大学法学部4年の梶岡洋佑さん(22)だ。農業の可能性を追求しようと、株式会社いぶき(岡山市北区)を設立。瀬戸内市の農家から野菜を買い取り、幼稚園で販売する。県内の若手農業者グループと連携し、今夏からは大学生に呼び掛けて援農ボランティア事業を始める計画だ。持ち前の行動力で農家と消費者、若者たちとの接点を広げ、地域に新しい風を起こしている。

(1面)

〈写真:ブロッコリーを収穫する梶岡さん(右)と秋田さん(中)、下見さん〉

新たな酪肉近 収益性向上と生産基盤強化へ(2面・総合)【2015年4月2週号】

「人」「牛」「飼料」の施策を展開
 農林水産省は3月31日、10年先を見通した酪農・畜産施策の指針とする新たな「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(酪肉近)を策定した。地域の関係者でつくる畜産クラスターを柱に「人」「牛」「飼料」に着目した施策を展開し、地域全体での収益性向上と生産基盤の強化を図る。2025年度の生乳と牛肉の生産数量目標は、現状を上回る水準に設定。飼料自給率は14ポイントの上積みとなる40%の達成を目指す。酪農・畜産は耕畜連携による資源循環や飼料用米の利用拡大、放牧による獣害対策や農村景観の構築など地域や営農の持続性確保に欠かせない。基本方針で掲げた目標達成に向け施策の具体化と着実な実行が求められる。

(2面・総合)

名刺で効果的に自己アピール ―― 日本名刺協会理事・髙木芳紀さん伝授(3面・暮らし)【2015年4月2週号】

150408_02.jpg 春には新たな出会いがある。名刺は、自分の個性を伝え人のつながりを広げる。名刺の活用をサポートする日本名刺協会理事の髙木芳紀さんに、印象に残る名刺デザインのこつを聞いた。

(3面・暮らし)

〈写真:「目的に合わせて名刺を作ろう。話すのが苦手でも名刺が伝えてくれる」と髙木さん〉

春と秋に職員が肥育牛を削蹄 和牛産地支える ―― 長崎県・NOSAI県北(5面・NOSAI)【2015年4月2週号】

150408_03.jpg 「削蹄が大事と分かってはいるが、稲わらの回収などいろいろな作業があり、一人ではとてもできない。NOSAIに手伝ってもらえるのは本当に助かる」と井上義見(よしみ)さん(67)は笑顔を見せる。長崎県大村市中里町で和牛約120頭を肥育する。大村市は、枝肉が平均500キロを超える和牛肥育の産地だが、農家の高齢化が進む。NOSAI県北(長崎県北部農業共済組合、小川肇組合長)大東支所は、春と秋の年2回、肥育農家の依頼を受けて職員が削蹄を実施する。NOSAI獣医師やJA職員も協力し、地域の関係者が一丸となって、産地を支えている。

(5面・NOSAI)

〈写真:農家に押さえてもらった子牛に注射する田中獣医師(右)〉

ショウガとミニトマトで有機JAS認証 個性を前面に ―― 高知県大豊町・酒井寿緒さん、笑子さん(14面・流通)【2015年4月2週号】

150408_04.jpg 四国山地のほぼ中央に位置する、高知県大豊町佐賀山で、ラッキー農園を経営する酒井寿緒さん(41)と笑子さん(43)夫妻は、有機JAS認証を取得したショウガとミニトマトに「限界突破ショウガ」「限界突破トマト」と名付けて県外の量販店や飲食店に出荷する。PRにも力を入れ、店舗に出向いて、ショウガやトマトのかぶり物姿で試食や販売をする。レシピや保存方法、豊かな自然と棚田が広がる同町の魅力を消費者に直接伝えて、売り上げを伸ばしている。

(14面・流通)

〈写真:「お客さんの期待に応えられるように楽しく明るく親しみやすくを心がけて商品をPRしています」とショウガのかぶり物姿の酒井さん夫妻〉

トマト節水栽培 糖度7度以上が8割 ―― 宮城県大崎市・有限会社マルセンファーム(15面・営農技術)【2015年4月2週号】

150408_05.jpg 「高糖度で味が良く、高品質のトマトを目指している。お客さんのリピート率も高い」と宮城県大崎市鹿島台大迫で有限会社マルセンファームを経営する千葉卓也代表(42)は話す。水分を最低限に抑えてゆっくり育てる節水栽培農法で高いときには10度以上の高糖度トマトを生産する。慣行栽培で1個250〜350グラムとなる大玉トマト品種は150グラム前後となるが、8割ほどが糖度7度以上になる。トマトは光センサーを使って糖度ごとに選別し「極上デリシャストマト(約10度以上)」などとして庭先や直売所などで販売する。

(15面・営農技術)

〈写真:「水をいつどのくらい与えるかの駆け引きが難しい」と哲也さん〉

作況指数算出の統一基準を見直し 地域に応じた「ふるい目幅」で(2面・総合)【2015年4月2週号】

 農林水産省は3月31日、2015年産の水稲収穫量調査から適用する主食用玄米のふるい目幅見直しを発表した。加工用米なども含めた収穫量は従来通りの1.70ミリで把握するが、作柄の良否を表す作況指数は、農業地域ごとの実態に応じたふるい目幅を基準に算出する。北海道、東北、北陸は1.85ミリ、関東・東山、東海、近畿、中国、九州は1.80ミリ、四国、沖縄は1.75ミリを使用する。

(2面・総合)

第39回「新・日本の農村」写真コンテスト 入選作品(9面・特集)【2015年4月2週号】

 現代の農業・農村の暮らしや営農の実情、明るく楽しい事象などをテーマに農業共済新聞が実施する第39回「新・日本の農村」写真コンテストの審査会(審査委員長・尾辻弥寿雄=日本写真家協会会員、日本リアリズム写真集団会員)が開かれ、入賞作品が決まった。応募点数930点から、最優秀賞(賞金10万円と盾)は道信猛夫さん(東京都)の「第2の人生」、金賞(賞金5万円と盾)は貞包勝さん(長崎県)の「放牧養豚」が受賞した。このほか、銀賞2点(賞金3万円と盾)、銅賞4点(賞金1万円と盾)、佳作20点(記念品)も決定した。

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(9面・特集)

〈写真:最優秀賞「第2の人生」3枚組み 道信猛夫さん(東京都)〉

「新たな食料・農業・農村基本計画」のポイント(12面・特集)【2015年4月2週号】

150408_07.jpg「産業政策」と「地域政策」改革の両輪に
 政府は3月31日、10年先を見通した農政の指針とする「新たな食料・農業・農村基本計画」を閣議決定した。2025年度のカロリー(供給熱量)ベース食料自給率目標は、45%に設定。所得増大と農村振興に向け、農業の成長産業化を進める「産業政策」と、多面的機能の維持・発揮を促す「地域政策」を車の両輪に農政改革を推進すると明記した。林芳正農相は、閣議後会見で「施策の改革を着実に実行し、若者たちが希望を持てる『強い農業』と『美しく活力ある農村』の実現に向けて全力で取り組む」と決意を述べた。以下、計画のポイントを紹介する。

(12面・特集)

〈表:2025年度の品目別生産努力目標〉

南三陸産ワカメの芯を給与 ―― 付加価値高い羊肉生産【宮城支局・2015年4月2週号】

1150408_08+09.jpg 【宮城支局】関東と地元・南三陸町のメンバーが協力し運営する一般社団法人「さとうみファーム」(代表理事・金籐克也さん=49歳)は、52アールの牧場でヒツジ30頭(子ヒツジ8頭含む)を飼育する。震災で失われた地域の遊び場の提供を目指して始まった活動は、羊肉のブランド化や体験学習など、事業に広がりを見せている。
 飼育管理や牧場の整備などを担当する髙橋真策さん(26)は「イレギュラーが多く手探り。毎日が勉強」と話す。経済的な自立を目指した組みの一つが、南三陸産のワカメを与えて育てたブランド羊肉「南三ラム」の開発だ。
 金籐さんは、ワカメの芯部が硬くて人間の食用に適さず、大量に処分されていることを知った。海のミネラルを含んだ牧草・ソルトブッシュで飼育した羊肉が高値で取引されていることから、ワカメの利用を思い付いたという。昨年は約2トンのワカメTMRを生産し今年は生産量を倍増させる計画だ。
 「当面の目標は100頭規模への増頭」と金籐さん。「レストランや海でのカヤックツアーなどを組み合わせながら、観光牧場の基盤を築いていきたい」と意欲を見せる。


〈写真上:ヒツジにワカメTMRを給与する髙橋さん。1頭につき1日3キロ与える〉
〈写真下:地元の漁師と収穫したワカメの茎〉

農高生がナシの加工品作りでブランドPR【福島支局・2015年4月2週号】

150408_10.jpg 【福島支局】いわき市植田町の県立磐城農業高等学校(磐城農高)食品流通科は、市特産品のナシを使ったジャムなどを開発し、6次化商品として販売する。規格外品を有効利用した取り組みで、ナシのPRと風評払拭(ふっしょく)を目指す。
 製作中に東日本大震災が発生。校舎や調理実習室が被災したが、生徒はJAから実習施設を借りてジャムの加工を続けた。いわきのナシへの風評被害が起きる中、卒業生の一人は「風評被害に苦しむ農家を少しでも助けたかった」と振り返る。
 ナシ部会の松本明能(あきよし)部会長(79歳、「幸水」「豊水」合計25アール)は「規格外のナシを利用してもらえてうれしい。『サンシャインいわき梨』の知名度向上も期待できる」と喜ぶ。
 磐城農高の食品製造担当・坂井聖治教諭(50)は「生徒と一緒にマイナスをプラスに変えて震災を乗り越えていきたい。加工品を量産して多くの方に手にとってほしい」と話している。


〈写真:ジャム、焼き肉のたれ、ドレッシング。梨48のネーミングは生徒が考えた〉

産学連携で六条大麦研究 ―― 栽培から手掛け地ビール【石川支局・2015年4月2週号】

150408_11+12.jpg 【石川支局】川北町の農業法人「有限会社わくわく手づくりファーム川北」(代表取締役=入口博志さん、63歳)では、地ビールの製造・販売を麦の生産から手掛ける。
 2008年から県内の大学などと連携して、ストレスや肥満予防、血圧上昇の抑制などに効果があるといわれる「GABA(ギャバ)」を多く含む、機能性成分をもった地ビールの開発に着手し、六条大麦の、麦芽生成やGABAの値が高位安定する発芽方法を研究し製品化に成功。「金沢百万石ビール(ペールエール)」を12年に販売した。
 13年には地元産「コシヒカリ」を副原料に「コシカリエール」、GABAの含有量がより多い黒ビール「ダークエール」を発売。今年3月に地元産小麦をブレンドした「グランアグリ」を発表し、女性にも好評だ。「安全・安心な日本の食品に対する海外のニーズは高いと感じ、北米や東南アジアへの輸出も考えています」と入口さんは話す。


〈写真上:この畑から取れた麦でビールが造られる(中央が入口さん)〉
〈写真下:まろやかでコクがあり、麦のうまみが感じられる深さが特徴の地ビール〉

農産物生産や包装加工 ―― 障がい者雇用し自立支援【大阪支局・2015年4月2週号】

150408_13.jpg 【大阪支局】食品残さから肥料を作る和泉市の農業生産法人「株式会社いずみエコロジーファーム神﨑裕也社長=41歳、従業員31人)」。同社のハートランド事業部では、障がい者を雇い入れ、農産物の生産から包装加工作業まで指導し、自立を支援している。
 同社は、トマトとキュウリ、コマツナ、ベビーリーフをハウス栽培するほか、ナスやオクラ、ホウレンソウ、ハクサイなどの露地栽培に取り組む。また、一般就労が困難な25人を正社員として雇用し、それぞれの能力に応じた農作業を指導。自立できるようになれば生協の関連会社への就職を勧めている。
 神﨑社長は「今後も障がい者の自立支援と雇用促進のために事業活動を続けていきたい」と抱負を話してくれた。


〈写真:神﨑社長(後列左端)と社員〉

自家産米粉でもちもちの「めん」―― 贈答用に好評【広島支局・2015年4月2週号】

150408_14.jpg 【広島支局】東広島市西条町の農事組合法人かみみなが(水稲24ヘクタール、野菜1ヘクタール、構成員67人)では、自分たちが栽培した「ヒノヒカリ」の米粉を使った「おこめん」を販売している。もちもちした食感が好評で、中元など贈答用に、県外の発送先からの注文も多い。
 同法人の吉郷陸彌〈よしごうりくや〉代表理事(72)は、「お中元やお歳暮で地元のものを贈れたら」と、おこめん「うどん」「しょうゆラーメン」「冷麺(夏季限定)」を商品化。製麺とスープは外注するが、米粉の配合やスープに広島レモンを使用するなど改良を重ねる。
 麦アレルギーの人からも注文があり、地元の直売所で販売を始めた昨年は、年間4千食を売り上げた。吉郷代表は「地域をPRし、地域の活性化につなげたい」と話す。


〈写真:商品を手に吉郷代表(右)と事務員の木本淳子さん〉

自社産野菜をペースト化 ―― ドッグフードで販路開拓【高知支局・2015年4月2週号】

150408_15.jpg 【高知支局】野菜の生産から加工・販売まで行う本山町の農業生産法人「株式会社ウインドファミリー(吉永誠人代表取締役)」では、一昨年から野菜ペーストの加工販売に取り組んでいる。
 ペット用食品会社や製菓業者などと取引し、自社生産の野菜十数種をペースト加工後、原料として販売する。
 今年からは飼い主をターゲットに個人消費者の開拓に力を入れる考え。「ペット用のペースト野菜からつきあいを始め、いずれは生鮮野菜の販売にもつなげたい」としている。
 野菜ペーストでの取引額は少ないが、吉永代表は「今年中には生産額を3倍ほどに増やしたい」と意欲を見せる。


〈写真:野菜ペーストは十数種類〉

防風林「地域や農業に届かないアベノミクス【2015年4月2週号】」

 ▼首相が直々に賃上げを要請する「官製春闘」で、自動車や電機大手では昨年を上回るベースアップが相次いだ。中小企業にも同様の対応を求めたそうだが、円安による資材価格の高騰や消費の冷え込みが壁となっている。
 ▼アベノミクスでは、大胆な金融緩和で市場に流通するお金を増やし、公共投資で景気を下支えして経済の改善を図ってきた。さらに民間の経済活動を活発化する成長戦略を推進し、デフレ脱却と経済の好循環を確立する青写真を描く。
 ▼政府は、株価の上昇や実質GDP(国内総生産)の回復を成果とする。しかし、恩恵は大企業にとどまり、中小企業や地方経済には及んでいない。
 ▼日本政策金融公庫が発表した2014年度下半期農業景況調査では、稲作をはじめ多くの経営で景況指数が悪化した。販売価格の低下と生産コストの上昇が担い手農家の経営までも脅かしている。
 ▼首相には、農家経営の改善も進めてもらいたい。地域や農業に全く波及効果がない「アベのみ満足ミクス」では困る。

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