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今週のヘッドライン: 2015年04月 4週号

獣害が激減 ワイヤメッシュと電牧線を併用 ―― 滋賀県甲賀市・山内自治振興会(1面)【2015年4月4週号】

150422_01.jpg 「獣害対策は継続がポイントだ。新しいことに挑戦して緊張感を持ち、目的達成の喜びをやる気につなげている」と馬場重夫さん(69)=水稲1ヘクタール=は話す。滋賀県甲賀市土山町山内地域9集落で構成する住民自治組織「山内自治振興会」の会長を務める。獣害よけの恒久柵を張り、週1回の点検と年6回の草刈りなど管理を徹底。農家6人がわな免許を取得してイノシシとシカの捕獲に努め、特にシカを一網打尽にできるドロップネットも導入し実績を伸ばす。女性らもジビエ(野生鳥獣肉)を有効活用しようと、料理研究会を立ち上げた。地域住民が一丸となり獣害に立ち向かい、農作物被害の激減に成功している。

(1面)

〈写真:柵周辺は雑草をきれいに刈っている。「管理をちゃんとしないと獣の侵入経路が分からない」と馬場さん〉

農水省/飼料用米増産へシンポジウム 水田営農確立へ環境整備を(2面・総合)【2015年4月4週号】

 農林水産省は15日、飼料用米の生産・利用拡大に向け、生産者団体や飼料業界など関係者を集めたシンポジウムを開いた。JA全農は2015年産飼料用米を60万トン買い入れる方針を説明。日本飼料工業会も年間41万トンの受け入れが可能と報告した。畜産農家や消費者団体からは安全な国産飼料として利用拡大への期待がある。一方、生産・流通コストの削減などが課題に挙がった。主食用米の15年6月末民間在庫量が230万トンと過去10年で最多と見通される中、需給安定や価格回復の鍵は飼料用米の取り組みにある。ただ、国の予算に依存した飼料用米の振興には、継続性への不安も指摘されている。持続可能な水田営農の確立に向け、需要に応じた主食用米と飼料用米の生産・流通体制を構築し、農業所得の維持・向上に結び付く環境整備へ官民挙げた取り組み強化が求められる。

(2面・総合)

都市部から参加者募りゲストハウス造り 農村の魅力発信基地に ―― 茨城県石岡市・比企さん一家(3面・暮らし)【2015年4月4週号】

150422_02.jpg自宅隣の空き家を改修
 地域外から訪れた人が共同生活で安価に滞在できるゲストハウス(簡易宿泊施設)の設置に向け、茨城県石岡市加生野で水稲・麦35ヘクタールを栽培する比企さん一家は、かつて家族で暮らしていた空き家を改修している。改修作業を体験イベントとして、インターネットを通じて都市部から参加者を募っている。地元を離れて暮らす長男と次女が、観光や農業体験などを促進し地域の魅力を知ってもらいたいと発案した。新たな取り組みに賛同する人々と協力しながら、8月の完成を目指す。

(3面・暮らし)

〈写真:「ゲストハウスをきっかけに田舎の良さを伝えたい」と智浩さん(中央)。右が友香里さん、左が正男さん〉

NOSAI部長/全国で17万6000人が活躍 事業運営支える柱(5面・NOSAI)【2015年4月4週号】

 年度が替わり新たにNOSAI部長が交代した地域もある。NOSAI部長は集落における事業の推進役を担ったり、広報紙の配布を行うなどNOSAI制度の運営を支える欠かせない存在だ。組合の広域化が進む中、十分な農家サービスを提供するために、その重要性はさらに高まっている。NOSAI部長について共子さんが済太郎くんに聞いた。


 共 子 NOSAI組合の総代会が終わり、知り合いの農家から「NOSAI部長」や「損害評価員」になったとの声も聞くわ。
 済太郎 NOSAIの組合には、組合員農家の代表として、地域や集落ごとにNOSAI部長や総代、損害評価員などの役を担っていただく方を選任いただき制度を運営しているんだ。
 共 子 NOSAI部長ってどんな役割なのかしら。
 済太郎 NOSAI部長は地域によっては「共済部長」や「共済連絡員」と呼ばれている。事業推進のほか、水稲共済異動申告票の配布やとりまとめ、広報紙の配布をしている。組合では、組合長が理事会の承認を得てNOSAI部長を委嘱する。地域の実情や制度に詳しい農家にお願いしているよ。

(5面・NOSAI)

ウェブカメラ使った通販システム 野菜にズームアップ ―― 三重県鈴鹿市・直売所「みどりのだいち」(12面・資材)【2015年4月4週号】

150422_03.jpg 「商品の品質には自信がある。ウェブカメラで商品をじっくり吟味して、購入してほしい」と、直売所「みどりのだいち」(三重県鈴鹿市広瀬町)の後藤博英代表。直売所内の商品台の上部にウェブカメラを取り付け、農産物や加工品をリアルタイムに撮影した動画をインターネット上で公開する。利用者は、パソコンやスマートフォンを通じて、商品をズームアップするなど、カメラを操作し、商品の状態を確認した上で購入できる。宅配便会社と連携し、首都圏などに翌日午前中に配送する。

(12面・資材)

〈写真:商品台の上部に設置したウェブカメラを指すマイドソフトの森代表(左)と北村翔システムエンジニア〉

野菜を大規模契約栽培/データ管理で計画生産 適期収穫に活用 ―― 鹿児島県大崎町・大崎農園(13面・営農技術)【2015年4月4週号】

150422_04.jpg ダイコンを年間延べ63ヘクタールなど大規模で経営する鹿児島県大崎町横瀬の有限会社大崎農園は、圃場ごとの収量や品質、労働時間などをデータ管理し効率的な経営と収益確保に活用する。中山清隆専務取締役(44)は「大規模経営では、自分たちがどれだけ安定した品質で各野菜を出荷できるのか、能力を正確に知ることが必要」と話す。安定出荷のために数値だけでなく、気象変化などを踏まえ圃場の見回りや試しびきなどで常に生育を確認し、作業計画や出荷量を見直す。直接契約する販売先などから信頼を得て、年間売り上げ4億円を実現している。

(13面・営農技術)

〈写真:収穫は計画に沿って10人前後で一斉に行う。運転、コンテナ詰め、マルチ除去など分担する〉

明日のNOSAI 私の期待 ―― 群馬県太田市・総代、NOSAI部長、損害評価員 須藤征俊さん(1面)【2015年4月4週号】

150422_05.jpg 政府は農家経営のさらなる安定に向け、収入保険の導入を目指し、検討調査事業を実施する。また、併せてNOSAI制度の改正も予定している。農業災害補償法が1947年に制定されて以来、農家の相互扶助の精神の下、国の農業災害対策の基幹的な役割を果たしてきた。2年後には70周年を迎えるNOSAI制度や収入保険など、農業のセーフティーネットへの期待や意見、要望をNOSAI部長など基礎組織構成員に聞く。

(1面)

〈写真:須藤征俊さん〉

13年の農作業死亡事故/依然多い高齢者 安全対策徹底を(2面・総合)【2015年4月4週号】

 農林水産省は15日、2013年に前年と同数の350件の農作業死亡事故が発生したと発表した。65歳以上が272件と78%を占め、依然として高齢者の事故が多い。同省は、5月末まで実施する農作業安全確認運動で調査結果を活用し、関係機関と協力して一層の農作業事故防止に取り組むとしている。
 事故区分別では農業機械作業による事故が228件(65.1%)と過半を占めた。内訳は「乗用型トラクター」が111件で全体の31.7%となり、「農用運搬車」(33件、9.4%)、「歩行型トラクター」(21件、6%)と続く。

(2面・総合)

NOSAIにお任せください/水稲種子の温湯消毒を実施 薬剤コスト削減に寄与 ―― 岡山県・NOSAI東備(5面・NOSAI)【2015年4月4週号】

150422_06.jpg 岡山県のNOSAI東備は、併設する東備建物農機具共済推進協議会と協力し、管内の農機具共済加入者を対象に水稲種子の温湯消毒サービスを無料で実施している。農家が持参した種もみを専用の機械で消毒し、イモチ病やばか苗病など種子伝染性の病害を予防する。広報紙で呼びかけ、希望する農家も年々増加。昨年度は40件の申し込みがあり、サービスが呼び水となって農機具共済に加入する農家もいるという。環境に負荷を与えず、薬剤費用がかからないなどコスト削減につながっているほか、職員と農家が顔を合わせる交流の機会にもなっている。


 「農薬を使わず有機農法で栽培しているので、薬剤消毒と変わらない効果でありがたい。特に無料なので助かっている」と毎年利用している和気町奥塩田の梅山宏さん(72)=水稲60アール=は満足する。取材当日は、「コシヒカリ」18キロともち米2キロを事務所に持参し、職員と一緒に1時間かけて処理した。

(5面・NOSAI)

〈写真:NOSAI職員と一緒に種もみを消毒する梅山さん(左)〉

歩行用トラクター後進時に事故多発 安全装置「作動せず」も ―― 農研機構・生研センターが調査(12面・資材)【2015年4月4週号】

150422_07.jpg 歩行用トラクターの事故は、後進時の挟まれや巻き込まれが多く、安全装置を装備していても機能せずに事故に至る事例も発生していると、農研機構・生研センター(さいたま市)が14日、明らかにした。
 農機事故の調査・分析で連携する13道県のうち、手軽な農機として普及している歩行用トラクター事故が多い4県、73件(2003〜13年)の調査結果を集計した。

(12面・資材)

〈図:歩行用トラクター事故と安全装置の関係〉

ブランド米に独自の栽培規定 ―― 生きものと共生へ【滋賀支局・2015年4月4週号】

150422_08+09.jpg 【滋賀支局】田んぼの生きものの暮らしや環境に配慮しながら、高島市の「たかしま有機農法研究会」(梅村元成会長、64歳)は、安全でおいしい米作りに取り組んでいる。
 現在は農家12戸、会員19人で構成する。耕作面積約14ヘクタールで、主に「コシヒカリ」や「滋賀羽二重糯(もち)」、滋賀県の在来種である大豆「みずくぐり」などを生産している。
 研究会は、「生活者(消費者)」「農家」「生きもの」が共に安心できる関係づくりを目指す。独自の栽培規定に、化学農薬・化学肥料を使用しない栽培方法や、琵琶湖への濁水の流出防止策などの水管理などを定め、「たかしま生きもの田んぼ米」として生産、販売を展開している。
 中でも特徴的な規定に「生きもの共生策」がある。各自の田んぼの周辺に生息する生きものを「自慢の生きもの」として3種類以上設定し、生きものが生息しやすい環境を整えるというものだ。
 梅村会長は、「生きものを守るために、ビオトープや魚が水路と田んぼを行き来できる魚道を設置しました。設置後8年目で全国的に珍しくなっているメダカが群れをつくって泳ぐまでになりました」とその効果を実感する。
 会員の釆野哲さん(35)は「自然環境を守りながら農業を行い、ブランド化していくことが、生きものの生活環境を整えることにつながっています。ただ販売するだけでなく、活動内容を理解してもらいながら販売することで販売チャンネル拡大を図っています。また、高島の魅力を発信していきたいです」と意欲を示す。


〈写真上:魚道を前に、たかしま有機農法研究会の会員ら〉
〈写真下:会員の圃場に生息するモリアオガエル〉

ニホンムラサキの栽培法を研究 ―― 紫根染めの復活へ【秋田支局・2015年4月4週号】

150422_10+11.jpg 【秋田支局】鹿角地方伝統の染め技法「古代紫・茜(あかね)染め」の復活と継承を目指す、鹿角市の十和田八幡平草木染の里づくり実行委員会(大森好一委員長=59歳)。地元産の天然染料を確保するため、ニホンムラサキの栽培研究に力を注ぐ。大森委員長は「一度は途絶えた鹿角の伝統を、多くの人に知ってもらえたら」と意気込んでいる。
 研究を始めて3年目の昨年は、6月に約1600株を定植。同市花輪、十和田錦木、尾去沢の3地区4カ所の露地とハウスを使い、さまざまな土壌環境の中で試験栽培している。
 栽培、染めの両方を担当する同委員会の中村香織さん(35)は「ムラサキは発芽率が悪いため、日当たり、肥料などの管理を徹底しなければ良い根は育たない」と栽培の難しさを話す。試行錯誤を重ね、昨年はハウス内で、根の長さが50センチを超えるものを多く収穫できるまでになったという。
 中村さんは「育てたムラサキを見ると、伝統の紫根染めが復活に向かっていると感じられてうれしい」と笑顔を見せる。
 大森委員長は「研究の成果が確実に出てきている。よりきれいな紫色を出せるように、まずは量よりも質の向上を目指したい」と力を込める。


〈写真上:伝統工芸の復活を目指す委員会の大森委員長(右)と中村さん〉
〈写真下:ニホンムラサキの根〉

10種類の野菜を一袋に ―― 喜んでほしいから【長野支局・2015年4月4週号】

150422_12.jpg 【長野支局】「無農薬栽培なので『安全・安心』。すべて生で食べられるのよ」と話す、安曇野市穂高有明の中村きよ子さんは、一年を通して地元の直売所に約10種類の野菜を入れた「ミックスサラダ」を出荷している。
 中にはミズナ、からし菜、シュンギク、アスパラガス、レタスなどが入っていて、1袋約200グラム120円で販売している。
 もともとキクやストックなどの花や稲の栽培をしていた中村さんが、ミックスサラダ用の野菜の栽培を始めたのは約5年前。力仕事に苦労するようになって、何か軽い作物を作れないかと考えたという。「小さな野菜をいろいろミックスして売り出せばきっとみんな喜んでくれる」と思いついたのがきっかけとなった。今では直売所に出せばすべて売り切れてしまうほど好調だ。


〈写真:畑で野菜パックを手に中村さん〉

自家産蜂蜜を使って酒などの加工品製造【福島支局・2015年4月4週号】

150422_13.jpg 【福島支局】会津若松市材木町の「有限会社ハニー松本養蜂舎」(松本吉弘代表取締役)では、自家採蜜した蜂蜜を使って加工品の製造に取り組んでいる。
 蜂蜜は主にトチノキの花の蜜を採蜜したもの。「安全・安心なものをお客さまに提供したい」と話す従業員の松本美菜子さんは、父の代から70年にわたり、養蜂業を営む。
 同社では、日本で初めて蜂蜜酒(ミード)を製造。会津産の高麗ニンジンを使った蜂蜜漬けや、高田ウメを使った蜂蜜煮など地元の野菜を使った加工品作りにも力を入れる。
 松本さんは「蜂蜜酒は欧米で広く飲まれています。味は甘めで、冷やして飲んだり冷凍庫でシャーベット状にして飲んでもおいしいです」と話す。蜂蜜酒は、ワインより甘めで食前酒、祝い事、贈答品用として人気がある。
 松本さんは「蜂蜜を使ったかりんとうやゆべしなど、いろいろな加工品を作っていきたい」と意気込みを見せる。


〈写真:人気の蜂蜜酒「美禄の森」を手に、従業員の河野公美さん〉

餌にカボチャ与えた黒豚 ―― 肉質の良さに常連客【宮崎支局・2015年4月4週号】

150422_14.jpg 【宮崎支局】都城市太郎坊町で養豚を営む清藤智行(せいとうともゆき)さん(37)・奈々子さん(36)夫妻(水稲135アール・母豚100頭)。2013年8月から自家農場で育てた黒豚の精肉販売を始め、その味の良さが口コミで広がり、少しずつ常連客が増えている。
 清藤さんの黒豚の特徴は餌にカボチャを与えていること。カボチャの甘味で豚肉の脂が甘くなったという。現在、カボチャ(25アール)を無農薬で栽培し、餌として与えている。
 直売所で清藤黒豚「豚ぷきん」として販売。店頭販売は奈々子さんが担当する。「農場にいた経験を生かして、お客さんからの質問にも答えています」と話す。
 昨年10月から、消費者の要望で総菜も販売。おふくろの味をコンセプトに、何度も試作を重ねた末に完成させた。
 「店の規模をもう少し大きくしたいという思いがあります。しかし、今はあくまでも農場が経営の基本です。そこを忘れることなく、知名度をあげていければ」と清藤さん夫妻は今後を見据える。


〈写真:メンチカツなどの総菜の売れ行きも好調〉

摘果したメロン 漬物でおいしく【千葉支局・2015年4月4週号】

150422_15.jpg 【千葉支局】地元の農産物を使用した加工品の製造・販売に取り組む、富津市大佐和地区の「JAきみつ富津女性部大佐和加工部」(石井久美江代表・メンバー10人)では、摘果したメロンを使った「子メロンの粕漬(かすづけ)」の製造・販売に取り組んでいる。
 かす漬けで使用するメロンの品種は「アンデスメロン」。摘果した約5センチまでのものを近くの農家から年間約40キロ仕入れている。酒かすは地元の酒蔵から厳選されたものを使用しているという。
 値段は1袋100グラム280円で、「全て手作りで添加物を使用せず真心込めた商品なので、まずは一度味わっていただきたい」とメンバーらは話す。
 今後について加工部のメンバーは「販路の拡大や、加工の工程で残った酒かすを使って新商品ができないか考えていきたい」と話す。


〈写真:「子メロンの粕漬」〉

防風林「街道を通じて広がった江戸時代の農業技術【2015年4月4週号】」

 ▼長野駅から金沢駅まで北陸新幹線が延伸開業され、雑誌やテレビでは北陸地方の観光案内企画が目立つ。歴史好きには、新幹線のルートが加賀前田家の参勤交代の道とほぼ同じと話題だ。
 ▼前田家は、金沢から北国街道で高岡(富山県)に出て、高田(新潟県)と長野を通り、追分(長野県)から中山道に入って江戸に至る道を多く使った。百万石の行列は2千〜4千人規模の大所帯になる。全長約480キロの道のりを1日当たり約37キロ進み、12泊13日ほどで江戸に着いたそうだ。
 ▼昔の人の健脚ぶりに感心する。時間にゆとりができたとしても歩き通す自信はない。2時間半で済む新幹線の旅で歴史を感じるにとどめよう。
 ▼江戸時代は、五街道などの陸路や水上交通網が発達し、庶民も盛んに旅行した。江戸から片道15日ほどの伊勢参りが一番人気だった。多額の旅費を融通しあう伊勢講が各地にあった。
 ▼伊勢参りなどの道中は、農家には他地域の品種や技術を知る機会になった。時には黙って種を持ち去ることもあったようだ。地域の仲間を代表しての旅だから、手ぶらで帰れないとの意地もあっただろうか。

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