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今週のヘッドライン: 2015年05月 1週号

「活気」の連鎖へ集落みんなで ―― 宮崎県日南市・農家民宿 上の丘(1面)【2015年5月1週号】

150501_01.jpg 宮崎県日南市萩之嶺の農家民宿「上の丘」を拠点に、山あいの集落がにぎわいを見せている。経営する井上長生(おさお)さん(58)・悦子さん(53)夫妻は過疎化の進む地域に活気を呼び戻そうと、地元を盛りあげる仲間づくりを促進する。「ここに昔からある、みんなが助け合い団結する気持ち『和協一(わきょういち)』を、後世につなぎたい」と長生さん。民宿で季節ごとの収穫体験などを用意し都市部から人を呼び込む。宿泊客に周辺の観光農園も紹介、近隣住民に協力を依頼し交流してもらう。宿泊をきっかけに移住した新規就農者が観光イチゴ園を経営し、民宿の利用者も受け入れる。農園やケーキ工房などが名前に共通で「上の丘」をつけ、約10戸が協力してイベントを開き一体感を強めている。

(1面)

〈写真:「昨日は眠れた?」「なかなか話が尽きなくて」と、長生さん・悦子さん夫妻が、宿泊した松元さんたちと会話する〉

口蹄疫/韓国など近隣諸国で発生続く 防疫対策の徹底・強化を(2面・総合)【2015年5月1週号】

 韓国など近隣諸国で口蹄疫の発生が続き、特に人や物の往来が活発化し、国内への侵入リスクが高まる大型連休は十分に警戒する必要がある。農林水産省は4月21日、全国家畜衛生主任者会議を開き、都道府県の担当者に生産現場での飼養衛生管理基準の順守など防疫対策の徹底・強化を呼びかけた。5年前に宮崎県で発生した口蹄疫では、約30万頭もの牛・豚が犠牲になった。口蹄疫は侵入すれば、発生地域はもとより国内畜産業に深刻な打撃を与える恐れがある。家畜伝染病への危機意識を国全体で共有し、実効性ある防疫対策を強化していく必要がある。

(2面・総合)

地域に笑顔咲く 母ちゃん弁当 ―― 広島県府中市・農事組合法人上下南農産女性部

150501_02.jpg 広島県府中市上下町の集落営農組織「農事組合法人上下南農産」(池田静雄代表)は、女性部が主体となって弁当の注文販売を行っている。岡田玲子部長(76)は「疲れていても仲良く働ける楽しい職場にしたい」と話す。地域のお年寄りに週2回弁当を届ける予約宅配も行い、手渡すときの声掛けは体調や安否確認にも一役買っている。"だけやま母ちゃん"手作りの素朴な味が周辺地域にも口コミで広がり、注文数が年々増えているという。

(3面・暮らし)

〈写真:「さっぱりとした味付けで、おいしいとみなさん言ってくれる」と岡田部長(右)。弁当におかずを盛りつける会員〉

野菜/品薄で卸売価格上昇 今後の変動に注意を(4面・流通)【2015年5月1週号】

 野菜の卸売価格が大きく上昇している。多雨や日照不足など春先の天候不順による生育遅延で出荷量が減ったのが主な原因だ。ホウレンソウとジャガイモでは3月下旬の、ピーマンでは4月上旬の関東ブロック平均販売価額が、例年の1.5倍以上となった。市場関係者は、野菜の生育盛期を迎える産地で今後、天候が回復すれば出荷量は戻ると見込む。気象庁は1カ月予報で、これまでの天候推移と一転し、8日ごろまで気温がかなり高くなるとして注意を呼びかける。出荷量が増えると価格の下げ圧力が一気に強まる可能性もあり、青果物価格の変動は予断を許さない状況と言えそうだ。

(4面・流通)

経験豊富で地域に密着 積極的に事業を推進 ―― 香川県・NOSAI香川(5面・NOSAI)【2015年5月1週号】

150501_03+04.jpg NOSAI香川(香川県農業共済組合)では、管内で委嘱するNOSAI部長に対して、災害が発生した際には、被害申告を呼び掛けるなど、積極的な事業推進の協力をお願いしている。損害評価員を兼務するNOSAI部長も多く、長年の栽培経験や評価眼を生かして地域営農の重要な役割を果たしている事例も多い。地域に詳しく経験豊富なNOSAI部長2人を取材した。


 「万が一の被害に備えて安心のために加入している。あくまでも農業収入を得て生活するのが基本だ」と丸亀市綾歌町富熊の佐藤文治郎さん(65)は強調する。NOSAI部長を15年ほど経験し、19戸を担当。水稲と果樹の損害評価員も兼務している。被害申告の取りまとめや年6回発行する広報紙の配布、建物共済と農機具共済の推進を行う。

7月に説明会/評価眼磨く
 「NOSAI制度は安定した経営のために必要な制度だ」と高松市東植田町の上原一輝さん(59)は話す。
 NOSAI部長を20年以上経験し、現在は東植田地区共済部長協議会長を務める。水稲の損害評価員との兼務だ。28戸を担当し、被害申告の取りまとめや、広報紙の配布、建物共済と農機具共済の事業推進、掛金納入期限の周知など役割をこなしている。

(5面・NOSAI)

〈写真上:組合員に広報紙を手渡す上原さん(右)〉
〈写真下:選果作業をする佐藤さん(左)と妻の恵子さん〉

トマト「ソバージュ栽培」アーチ状のネットに這わす 放任管理で反収10トン超(9面・営農技術)【2015年5月1週号】

150501_05.jpg ミニトマトや中玉トマトを土耕栽培し、管理労力を極力省いて多収が見込める「ソバージュ栽培」が注目されている。アーチ型に支柱を立てて、生育初期だけ主枝の誘引と脇芽かきを行い、アーチ面状に広げたキュウリネットに這(は)わせる仕立て法だ。裂果しにくい品種を選ぶ。栽植密度を慣行の主枝1本仕立ての4分の1に減らし、株を大きく育てる。脇芽にも結実するため着果数を確保し、10アール当たり収量は慣行比2〜3倍の10トンを超える。明治大学の元木悟准教授や岩手県農業研究センターなどの研究チームでは、最適品種の検討や加工品開発も進めている。

(9面・営農技術)

〈写真:ソバージュ栽培と元木准教授。アーチの内と外から収穫可能だ〉

農水省が知的財産戦略案 地理的表示など活用した地域ブランド創出へ(2面・総合)【2015年5月1週号】

 農林水産省は4月23日、知的財産戦略検討会(座長・妹尾堅一郎産学連携推進機構理事長)を開き、2019年までを期限とする新たな農林水産省知的財産戦略案を示した。
 6月施行の地理的表示保護制度の活用推進などを通じて伝統や地域ブランドを生かした新事業を創出し、生産者の利益確保を目指す。海外市場開拓では「日本の農と食」を訴求するジャパンブランドの構築とともに、模倣品対策として官民連携による海外市場調査や事業者が行う侵害対策支援などの強化を盛り込んだ。5月末に策定、公表する。

(2面・総合)

葉タバコに充実 ―― 産地担う若い力【栃木支局・2015年5月1週号】

150501_06.jpg 【栃木支局】益子町北中の小宅一成(おやけかずなり)さん(31)は、20歳で就農し、葉タバコ栽培を続けている。かつては県内有数の葉タバコ産地だった益子町だが、栽培農家は現在21軒に減少。小宅さんは、「課題も多いですが、続けることで何か新しいことが見えてくると思います。耕作組合の統合で、県外に多くの仲間もできました。これからも高品質なタバコを目指し、栽培を頑張っていきたいです」と意気込む。
 小宅さん方は代々、葉タバコを栽培し、小宅さんも子どものころ、夏休みや冬休みに手伝いをしていたため、栽培を身近に感じていた。祖父から葉タバコ栽培を勧められたことがきっかけで就農し、5年前に経営を引き継いだ。小宅さんは、「農作業は母が中心だったので、自分がやらなければと思いました」と笑う。
 現在、米麦と葉タバコ(3ヘクタール)合わせて20ヘクタールの輪作体系をとり、作業は両親との3人で行う。栽培品種は、「つくば」。県内や茨城県では主流の品種で、背丈が高く収穫しやすい。
 小宅さんは、「葉の熟度に注意して収穫しています。葉タバコ栽培は、短期間にさまざまな作業を同時に進めなければなりません。手を抜くと品質が落ちるので、仕事を追いかけるくらいの勢いで早めに作業を進めたいですね」と話す。
 小宅さんは、「葉タバコ栽培の魅力は、全量買い上げなので、収入が安定していることです。今後は品質を維持しながら、10アール当たり270キロの生産を目指し、産地の誇りを持って栽培に励んでいきたいです」と話してくれた。


〈写真:高品質な葉タバコ栽培を目指す小宅さん。「葉タバコの魅力は全量買い上げなので、収入が安定していることです」〉

イチゴ・ハダニ捕獲具を自作 ―― 上に登る習性を利用【愛知支局・2015年5月1週号】

150501_07+08.jpg 【愛知支局】「ハダニの被害が軽減され、それまで年2回行っていた天敵施用を1回にすることができました」と話すのは、愛西市で40アールのイチゴ栽培を営む辻義則さん(69)。辻さんは、ハダニを捕獲する器具を製作し、2013年12月に特許を取得した。
 ハダニ捕獲具は、ハダニを捕まえる付着布が入ったソケット状の捕獲器を一本50センチの支柱で三脚のように設置し、そこからイチゴの葉に接するように数本のひもを垂らす。そしてハダニが上に登る習性を利用して付着布にハダニを集め、集まったハダニを付着布ごとペットボトルに入れるなどして駆除する。
 この捕獲具を3基1セットで使用し、10アール当たり5セット設置したところ、ハダニの被害が軽減された。「ハウス内に1セットだけ設置して、薬散を行った後に、どの程度ハダニが残っているかを知るバロメーターとしても使うことができる」と辻さんは話す。
 辻さんは、このハダニ捕獲具を3基1セット6千円(税別)で販売もしている。


〈写真上:ハダニ捕獲具を設置したハウスで辻さん〉
〈写真下:ハダニ捕獲具〉

水稲播種機を改良 ―― 土入れを効率的かつ安全に【宮城支局・2015年5月1週号】

150501_09.jpg 【宮城支局】「作業をするだけではなく、常に改善点を見つけてきた」と話す、美里町の松田正敏さん(74)。地域の農家と共同で水稲の播種作業をしながら、播種機の改良に取り組んでいる。これまでに手掛けた主な改良点は(1)負担軽減・効率的な土入れ(2)作業場の安全性・清潔感の確保――の二つ。
 パイプとベニヤ板で自作した枡(ます)箱を、床土と覆土の投入場所にそれぞれ設置。床土用の底には、投入口の大きさの穴があり、フォークリフトでつるしたトン袋からスムーズに土入れができる。トン袋の下を囲う構造になっているため、万が一の落下に備えての安全性も確保されている。
 覆土用の枡箱は、昇降機と組み合わせて活用する。枡の中から掃き出すようにして土入れができるため、腰への負担が軽減されたという。
 また、苗箱に灌水(かんすい)したときに出る余分な水は、プラ舟とパイプで作った排水管で処理。排水口を高めに設計し、プラ舟にたまる土は、スコップでかき出すことで、管のつまりを防いでいる。
 播種機は同町で水稲17ヘクタールを作付けする柴垣啓さん(42)が所有。松田さんは柴垣さんに栽培を委託している。柴垣さんは「松田さんは物作りの発想がすごい。安全に作業ができ、作業効率も年々上がってとても感謝している」と話す。
 松田さんは「農家の高齢化で作業すること自体が大変になっている。経費を掛けずに楽にできる工夫をこれからも考えていきたい」と意欲的だ。


〈写真:改良した播種機〉

わら縄作り50年 脈々と【山口支局・2015年5月1週号】

150501_10.jpg 【山口支局】繁殖和牛2頭を飼養し、水稲(190アール)と牧草(1ヘクタール)を栽培する長門市日置の上永武義さん(83)、イツコさん(79)夫妻。50年以上にわたって、わら縄を作り続けている。
 専用の機械で縄を作るという上永さん。「ペダルを足で踏んで、回転させながら少しずつわらを補充し縄を編むんよ。これがなかなか難しく、けがや失敗も多々あったね」
 昔は周りの農家も縄を作っていたが、今は手間のかからない市販のものを使う人が多くなったという。
 上永さんは「苦労もありますが、わら縄作りが好きなので、今後も農作業の合間に作り続けたいです」と話している。


〈写真:「今の機械は2代目。修理しながら30年以上使っています」と上永さん夫妻〉

竹パウダーを発酵処理 ―― 竹林整備、米の食味向上へ【福島支局・2015年5月1週号】

150501_11+12.jpg 【福島支局】竹パウダーを活用した堆肥を水稲栽培に活用し、米の食味向上に取り組んでいるのは、いわき市勿来町の藤田孝泰さん(66歳、水稲450アール)。竹パウダーを作り始めたのは、竹が生い茂り荒れた竹林を見て、竹林の整備を始めたのがきっかけだ。
 竹パウダー作りは、農閑期の冬に竹を切り出し、破砕後に袋詰めする。それを密閉して1週間ほど置くと、発酵した竹パウダーが出来上がる。
 作った竹パウダーは、米ぬか、もみ殻薫炭や堆肥と配合。代かき前の圃場に散布して耕起する。散布した圃場は土壌の粘性が良くなり、作業もしやすくなるという。
 「竹パウダーを利用した堆肥は3年ほど前からで、効果を実感している。これを使う人が増えれば、竹林は整備され、米の食味が良くなり、いわき市が米どころとして有名になることに期待している」と話す藤田さん。
 竹パウダーを散布した圃場では年々、収穫した米の食味が上がってきているという。


〈写真上:発酵した竹パウダーと圃場で藤田さん〉
〈写真下:竹パウダー〉

自家産米使ってシフォンケーキ【埼玉支局・2015年5月1週号】

150501_13.jpg 【埼玉支局】加須市上樋遣川の「田部井バラ園(田部井繁代表、66歳)」では、バラを生産・販売する他、約7.6ヘクタールで「コシヒカリ」や「彩のかがやき」など水稲、2.8ヘクタールで小麦「さとのそら」を栽培。娘の田村泉さん(36)が、自家栽培した小麦や米を原料にパンや洋菓子の製造・販売に取り組んでいる。
 田村さんは洋菓子店や病院で調理師として働いた経験を生かし、パン類をはじめ、プリンやシフォンケーキを手掛ける。同園の敷地内に構えた調理場で、商品開発から製造までの作業を全て一人で行う。
 シフォンケーキは田村さんが「日頃食べているお米を違った形で商品化できないか」と考案したもの。原料の米粉は、自家産米を製粉業者に委託して粉にし、米粉以外の材料は近隣の道の駅などで調達する。
 「お客さまから『おいしかったので、また買いに来ます』と言われることに一番やりがいを感じます」と田村さん。「ゆくゆくは全ての材料を自家産にできたら」と話している。


〈写真:シフォンケーキ〉

防風林「ドローンの悪用が活用への期待を裏切ることも【2015年5月1週号】」

 ▼日本では、無人航空機や小型無人飛行機と訳されている。首相官邸の屋上に落ちた「ドローン」のことだ。多様な産業で活用が期待されているのに、悪用事例が目立つと規制で可能性の芽を摘むことにならないか心配だ。
 ▼最近テレビなどで目にするのは複数のプロペラで浮上する小型のタイプが多いが、無人で飛行する装置を総称してドローンと呼ぶそうだ。水稲や麦・大豆の防除で活躍する産業用無人ヘリコプターのほか、飛行機型も含まれる。
 ▼今後は精密農業への応用が期待されている。カメラやセンサーを搭載したドローンを圃場に飛ばせば、作物の生育や土壌の状態などの情報が一定の区画単位で蓄積できる。データに基づいた適切な肥培管理などが可能になる。
 ▼カメラを搭載する程度なら小型でよく、投資は比較的安価で済む。プログラムに従って操縦しなくても飛ぶ自律型の技術開発が進めば、圃場へのイノシシ侵入などを防ぐ獣害対策にも役立つのではないか。
 ▼報道では、過激組織のイスラム国に対する空爆も無人機が担っているという。だが、誰が相手でも兵器には使わないでほしい。

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