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今週のヘッドライン: 2015年05月 2週号

TPP交渉/日米首脳会談で進捗を強調 早期妥結の可能性も(1面)【2015年5月2週号】

 安倍晋三首相は4月28日、オバマ米大統領と会談し、日米が主導して環太平洋連携協定(TPP)交渉の迅速・成功裏な妥結に取り組むことを再確認した。TPP交渉に伴う日米2国間協議は「大きな進展があったことを歓迎する」と進捗(しんちょく)を強調。日米協議の進展は、TPP交渉妥結への大きな推進力になるとの認識で一致した。
 会談後に発出された日米共同声明では、「(日米は)TPPの二大経済大国として過去の貿易協定の中で最も高い水準の協定をまとめる」と意欲を表明。TPPは雇用創出と賃金上昇に寄与し地域の平和と安定に寄与するとし、TPPを通じて日米両国とアジア太平洋地域の経済成長と繁栄をけん引すると強調した。

(1面)

転作・作業受託担当し農地維持 定年組は地域の担い手 ―― 岡山県津山市・農事組合法人アグリ堀坂(1面)【2015年5月2週号】

150506_01.jpg 「まちづくりの一環として、農地維持に取り組んでいる。それが地域の活性化につながれば」と岡山県津山市堀坂の農事組合法人アグリ堀坂の安達正美代表(66)は話す。組合員87戸の農地46ヘクタールを集積し、3ブロックに分けて団地化。そのうち1区画で転作に取り組み小麦や加工用米、飼料用米などを栽培する。組合員は兼業農家がほとんどで水稲作は各戸で実施。主に定年後の60代で構成する作業従事者12人で転作に取り組む。後継者不足を抱える中、地域の組合員で農地維持に貢献する。湛水(たんすい)直播やグラウンドカバープランツの導入などで省力化し、無理のない営農を継続する環境づくりに努めている。

(1面)

〈写真:イベントについて話し合う安達代表(左)、西川理事(奥)、内田晶二理事(66)〉

14年度の豪州産冷蔵牛肉 輸入制限水準を超える(2面・総合)【2015年5月2週号】

 農林水産省は4月30日、日豪経済連携協定(EPA)が適用される2014年度の冷蔵牛肉(生鮮等牛肉)輸入量が緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)の発動水準を超えたと発表した。協定ルールに基づく関税率の引き上げは、超過した翌々月の初日から当該年度末までが適用期間となるため、発動水準(2万1667トン)を超えた輸入量3039トンは、15年4月の輸入量に加え、15年度内の発動水準超過の可能性を高める措置を講ずる。
 SGは、輸入急増による国産への影響を緩和するため、輸入量が一定量を超えた時に関税率を引き上げる仕組み。日豪EPAでは、冷蔵牛肉と冷凍牛肉に分けて導入し、それぞれ発動水準を超過すれば、年度内の関税率は協定発効前の38.5%に戻る(冷蔵牛肉の15年度の関税率は31.5%)。
 14年度は、1月15日の協定発効から3月末までの冷蔵牛肉の輸入量が2万4706トンとなり、発動水準を上回った。なお、冷凍牛肉の輸入量は2万3502トンで、発動水準(3万2500トン)を下回った。

(2面・総合)

適切な治療・予防で さらば水虫 ―― 佐久総合病院皮膚科 浅井裕子医師が解説(3面・暮らし)【2015年5月2週号】

 実はあなたも水虫かも......。症状に自覚がないまま、かかっていることもあるという。農作業が本格化。夏に向けて湿度も上がり、長靴の中のじめじめも気になってくる。佐久総合病院皮膚科の浅井裕子医師が、水虫の見つけ方・治療・予防のポイントを解説する。

高まる国産需要 課題と現状/薬用作物の産地化へ(4面・特集)【2015年5月2週号】

 農林水産省は薬用作物(生薬)の産地化を「攻めの農業」の一つと位置付ける。健康長寿社会実現に向け、医療と農業の連携を図る。国内需要の拡大が見込まれるが、漢方製剤の原料となる生薬のうち国産は12%にすぎないのが現状だ。耕作放棄地活用や中山間地域活性化につながると期待されるが、栽培指導できる人材が少なく、地域に適した栽培技術が確立されていない。新しく栽培に乗り出しても、実需者の求める品質や十分な収量を確保できず、数年で撤退してしまう事例もある。農林水産省は、「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」に2015年度予算で5億円を措置した。品種の選定や栽培マニュアルの作成、栽培技術確立のための実証圃場の設置、農業機械の改良などを支援する。農林水産省の資料から薬用作物の現状を紹介する。

(4面・特集)

麦共済/被害確認後は忘れず申告を(5面・NOSAI)【2015年5月2週号】

 西南暖地など早い地域では、すでに麦の出穂期に入っている。天候の影響を受けやすい麦は、生育が順調でも、収穫直前の降雨などによる被害に気が抜けない。2014年産麦では、穂発芽やカビなどの被害が多発した地域もあった。麦共済では自然災害による減収や品質低下を補償している。被害の発生を確認したら、早めの被害申告が不可欠だ。麦共済の仕組みについて、共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

色で心をつかめ ナスや根菜を少量多品種栽培 ―― 福井県勝山市・土田弥嗣さん、未来子さん(11面・流通)【2015年5月2週号】

150506_02.jpg 福井県勝山市荒土町の土田弥嗣さん(34)、未来子さん(32)夫妻は、色鮮やかな珍しいナスやダイコン、ニンジンなどを少量多品種栽培し、夏は「世界のナス」、冬は「カラフル根菜」と名付けて、直売所や卸などに出荷する。特徴を知ってもらうため個包装にして、ラベルに食べ方などを記入する。色を生かしたレシピをウェブサイトに公開し、圃場の見学を兼ねた料理教室も開く。昨年冬からは、飲食店4店舗と取引するなど売り先の幅は広がっている。話題性があるカラフル野菜を経営の柱の一つに伸ばし、米などの主力農産物の販路確保にもつなげたい考えだ。

(11面・流通)

〈写真:おまかせ便の箱詰めをする未来子さん。野菜とともに手書きの手紙を入れている〉

コマツナ/自家製カボシが土壌改善に 有機質肥料で年8〜9作 ―― 山形県尾花沢市・あさあけ農場(13面・営農技術)【2015年5月2週号】

150506_03.jpg 山形県尾花沢市丹生の株式会社あさあけ農場では、マッシュルーム栽培で利用した馬ふん由来の堆肥に有機質肥料を配合して発酵させたボカシ堆肥を施用し、糖度3.5度以上のコマツナを有機栽培する。ハウス単位で年間8〜9回転し、連作障害を回避しながら周年出荷する。県内農家にも栽培技術を指導し、生産されたコマツナを買い取り、「あさあけ農場ブランド」として県内スーパーに出荷している。代表の加藤元昭さん(67)は「土作りは、安全・安心で品質の高いコマツナを作り続けるための命だ」と話す。

(13面・営農技術)

〈写真:加藤さん(左)に栽培方法などを相談する和合小松菜組合の菅井さん〉

ハダニ、アザミウマ 農薬効果の検定法を開発【宮崎支局・2015年5月2週号】

150506_04+05.jpg 【宮崎支局】県立宮崎農業高等学校(宮崎市・矢田憲太朗校長)では、ハダニやアザミウマの農薬効果を判断する農薬効果検定法として「エスマイト検定法」を開発。実証実験をもとに農薬の効果的な散布やコストの軽減など、環境保全型農業の実現を目指す。
 「農薬の人に対する影響を軽減するきっかけになれば」と話す同校の間曽省一(まそ・しょういち)教諭。2012年にハダニの農薬効果の指標に関する研究から、簡単かつ確実な検定法の開発に取り組んだ。
 霧吹きに農薬を入れ、対象昆虫に散布し効果を判定する「虫体散布法」と、丸く切り抜いた葉を農薬のついたシャーレに乗せ、寒天で反応を見る「リーフディスク法」の二つの手法を組み合わせ、「宮農式ハダニの農薬効果検定法」を開発した。
 検証の結果、ハダニの生育の適温が26度であることを発見。その後、葉の表裏間の生育環境の改善や初期設定の簡素化、検定時間の短縮などが図られた。さらに、地域農家の協力のもと、カンキツハダニを対象にエスマイト検定法を利用し、野菜や草花など異なる寄生植物の実用化を研究。同時に、マンゴーの品質低下に影響するアザミウマも研究した。
 その結果、ハダニは1週間、アザミウマは4日間で農薬効果の判断が可能に。ハダニ類に関しては寄生植物に関係なく、検定が可能なことが分かった。
 同校では、エスマイト検定法の実用新案取得と商標権取得を検討中だ。


〈写真上:顕微鏡を使ってエスマイト検定法を行う生徒〉
〈写真下:アザミウマの農薬効果を検証する生徒〉

5農園が共同でネット販売 ――「顔が見える」取引を【岩手支局・2015年5月2週号】

150506_06.jpg 【岩手支局】「『顔の見える生産物』を提供するのがモットー」と話すのは、二戸市の五つの農園で構成する「いわてひろファーム」の関口泰史(やすふみ)代表(42歳、関口農園代表)。2012年10月から楽天市場などインターネット販売に取り組んでいて、無化学肥料栽培の米や蜜入りリンゴ、リンドウ、キュウリなど旬の作物を各農園で分担して生産し、北海道から沖縄県まで全国の消費者に届けている。
 卸業者を挟まずに直接消費者に販売することでマージンを削減し、収入単価を上げていることが特徴だ。「市場に流されない経営方法を目指し自信を持って私たちの生産物を提供したい」と泰史さん。協力販売で生産量を増やすことで品切れを防ぎ、安定した商品提供につなげている。
 今後は「販売量の見込める物を増産し、商品を安定供給できるようにしたい。何よりお客さまのニーズに合わせて生産し、質を落とさず提供していきたい」と展望を話す。


〈写真:商品を手に「一つ一つ大切に育てています」と話す泰史さん〉

放牧「あか牛」に漢方飼料給与 ―― 健康志向に照準【熊本支局・2015年5月2週号】

150506_07.jpg 【熊本支局】美里町で繁殖牛23頭、肥育牛88頭を経営する明石良生(あかいし・りょうせい)さん(57)は、10年ほど前から、自身の営む牧場で消費者の健康志向を意識した独自の「あか牛」肥育に取り組んでいる。
 出荷前の6カ月間、14種類の漢方草などを混ぜ込んだ飼料(漢方飼料)を与える。「程よい脂身と赤身本来のうま味を併せ持つあか牛に、漢方飼料という付加価値を与えることで、安全・安心で、人にも優しい肉質に仕上げています」と自信を見せる。
 明石さんは、自身が組合長を務める美里町中央地区和牛生産改良組合を中心に、700アールの耕作放棄地であか牛の放牧に取り組む。「あか牛の消費拡大には流通を意識した牛づくりが必要だと考えています。消費者の方々に、安心・安全な『健康和牛』あか牛を多く購入していただきたい」と話している。


〈写真:草の食べ方などをチェックする明石さん〉

食品残さの堆肥で野菜 ―― 味が評判 県内外から注文【岐阜支局・2015年5月2週号】

150506_08.jpg 【岐阜支局】環境保全を基本とした循環型農業に取り組む各務原市の農事組合法人各務原農園の代表・小林隆哲さん(58)。食べ残しや廃棄処分される食材を堆肥として農作物の生産に利用する。農園では化学肥料を使用せず、食品残さともみ殻を合わせて発酵させた堆肥を有機肥料に、安全・安心な野菜の生産、販売を手掛けている。
 レストランなどから回収した食品残さは、農家から引き取ったもみ殻と合わせ、高速発酵機で1〜2時間混合・攪拌(かくはん)・発酵。水分補正のためのもみ殻は食品残さの量や質によって調整する。週に2〜3回混ぜ返して発酵を促し、およそ1カ月間寝かせる。
 有名レストランと販売契約し、小林さんは「プロから、おいしいと言ってもらえた。客観的な味の評価が得られたことで、やってきて良かったなと思えたね」と笑顔を見せる。
 味が濃く、日持ちもする農園の野菜は、県内や近県のレストランからも注文が入る。「一番の違いは、口に入った瞬間に広がる風味。これがシェフにも気に入ってもらえたと思っている」と小林さんは話している。


〈写真:堆肥の温度は50〜60度を維持して発酵させる〉

チューブバッグサイレージ使用 ―― 良質飼料供生産へ【鳥取支局・2015年5月2週号】

150506_09.jpg 【鳥取支局】大山ビューコントラクター組合(眞山秀樹組合長=63歳、14戸)は、鳥取県で唯一、チューブバッグサイロでサイレージ(発酵飼料)調製をしている。青刈りトウモロコシ130ヘクタールを刈り取り、バンカーサイロなどを併用。良質な自給飼料供給を目指す。
 同組合は琴浦町・大山町の酪農家が自ら飼料を確保するため、2003年に結成した。北海道などで実績のあった、チューブバッグに専用機械で飼料を高圧縮して詰め込む方式に着目。作業効率の向上と良好な発酵を目指し14年1月に導入した。眞山組合長は、「先進地視察などで知識を深めたい」と話す。
 同組合の川本潤一郎さん(琴浦町三保)は「バンカーサイロでは飼料をトラクターで踏んでしまい使えない部分が発生していましたが、チューブバッグなら大丈夫です。年配の方でも作業がしやすいのも利点です」と話す。


〈写真:チューブの中に圧縮充填(じゅうてん)された飼料を紹介する川本さん〉

子牛哺乳用バケツ固定器具を作製 ―― ミルクがこぼれない【長崎支局・2015年5月2週号】

150506_10.jpg 【長崎支局】繁殖牛75頭を飼育する南島原市深江町の横田光正さん(45)は、子牛の哺乳用バケツを固定する器具を作製した。
 哺乳用バケツでは、子牛の哺乳力が強くミルクがこぼれたりすることが時々あった。作製した器具の円の直径は27センチと20センチ。バケツの大きさに合わせて使用する。
 また、子牛用の配合飼料給餌ボトルを固定するホルダーも作製。ホルダーは子牛の成長に合わせて高さが調整できる。どちらの器具も横田さんが作製した子牛用の枠に取り付けることができるという。
 この器具を使用する同地区の繁殖農家は「以前は大変だった作業が今ではとても楽になった」と話す。横田さんは「これからも工夫し、良質な子牛を育てていきたい」と話す。


〈写真:固定された哺乳バケツからミルクを飲む子牛〉

防風林「『無限の欲』に支配される消費社会【2015年5月2週号】」

 ▼安倍首相が訪米し、日米首脳会談や米連邦議会での演説に臨んだ。国賓級の扱いで、大統領主催による公式夕食会のメニューなども関心を集めた。安倍首相の地元山口県から日本酒を取り寄せた一方、米国産「WAGYU」のステーキも出された。
 ▼環太平洋連携協定(TPP)交渉に伴う日米2国間協議では米国産牛肉の扱いも焦点だ。譲歩を求める意図を含めたとみても間違いではないだろう。貿易交渉は、笑顔で握手する裏側で自国に有利な条件を確保しようと駆け引きする。互いに利益を得るウインウインの関係構築が重要とされるものの、実質は最小限の損失で最大の利益をとる戦いだ。しわ寄せは競争力の弱い分野に及ぶ。
 ▼経済優先の消費社会が抱える問題が分かると話題の絵本がある。『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)だ。今年2月に退任した南米ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領が、環境問題などを協議した2012年の地球サミットで行った演説を載せた。
 ▼西洋の富裕社会が持つ傲慢(ごうまん)な消費を世界の70億〜80億人がするのは可能かと問いかけ、環境悪化が止められない背景に消費社会に支配される政治の危機があると訴えた。「貧乏な人は、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のこと」とも。
 ▼大統領は、就任中に給与の大半を財団に寄付し、花や野菜を育てる質素な生活を貫いた。成長ばかりを追求する「無限の欲」とは無縁の人だ。

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