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今週のヘッドライン: 2015年05月 4週号

今夏の気象の見通しは 気象庁地球環境・海洋部気候情報課 竹川元章予報官に聞く(1面)【2015年5月4週号】

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複数の予報を組み合わせ常に新しい情報の入手を
 春先の低温から一転、高温傾向が続き、5月中旬までの台風発生数が例年より多い7個を記録、昨夏から続くエルニーニョ現象など、めまぐるしい気象変動から目を離せない状況だ。今後の天候推移によっては農業各分野で対応が迫られる。気象庁地球環境・海洋部気候情報課の竹川元章予報官に今夏の予報を聞いた。また気象変動による基本的技術対応を紹介する。

(1面)

〈表:災害対策技術上の基本的留意事項(水稲)〉

農地中間管理機構の初年度実績 目標の2割にとどまる(2面・総合)【2015年5月4週号】

出し手に不安 集積進まず  農林水産省は19日、導入初年度となる農地中間管理機構(農地集積バンク)の2014年度実績(3月末現在)を公表した。都道府県段階に設置した機構を通じて担い手に権利が移転した面積は3万1千ヘクタールとなり、目標の合計14万9千ヘクタールの約2割にとどまった。同省は、農地の出し手が少ないことなどを要因に挙げ、制度周知や推進体制の強化に実績に応じた予算の重点配分などを検討する。農地集積・集約化は、生産性向上や担い手の育成・確保に重要ではあるものの、地域営農や農地の管理状況を踏まえて進めなければ混乱を招く。市町村や関係団体などとも連携・協力しながら、地域合意を基本に丁寧に進めていく必要がある。

(2面・総合)

豚共済/死亡豚の画像データによる事故確認法 衛生面に配慮し導入(5面・NOSAI)【2015年5月4週号】

 NOSAIの家畜共済では、繁殖用の種豚や肥育用の肉豚も補償対象となっている。農林水産省は、NOSAI組合等の職員などが農場内に立ち入らずに事故確認できる、衛生面に配慮した新しい事故確認方法を導入する制度改正を行った。豚共済の頭数加入率は2割強となっている。豚流行性下痢(PED)の大流行などを背景に、より一層の加入拡大を図ろうとNOSAIは新制度の普及に取り組む。豚共済について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

家畜共済加入者に畜舎消毒 1組合化機に県全域で実施 ―― 広島県・NOSAI広島(5面・NOSAI)【2015年5月4週号】

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 NOSAI広島(広島県農業共済組合、渡邉昭二組合長)は、家畜共済加入農家を対象として夏場に県内全域で畜舎消毒を行い、病原菌の殺菌やハエ・アブなど媒介虫の殺虫による疾病予防を図っている。新たな散布方法の検討などにも積極的だ。本所・支所などで連絡を密に取り、1県1組合化後も現場のニーズに対応した損害防止事業に努めている。

(5面・NOSAI)

〈写真:職員と話す西原さん夫妻。「効果を高めるために質問や意見を聞いてもらうこともある」と嘉一さん(右)〉

流し込み施肥/水稲追肥作業を省力化 水口から投入 均一に拡散(12面・資材)【2015年5月4週号】

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田面高低差は10センチ以内で 高温障害回避策として
 水田の水口から粒状や液状の肥料を灌漑(かんがい)水と一緒に流し入れる「流し込み施肥(流入施肥)」が、水稲追肥作業の省力化につながると注目されている。尿素などを水に溶かすか、メーカーが販売する専用肥料を利用する方法もある。ただ、水田全面に均一に行き渡らせるには、レベラーによる均平作業や丁寧な代かきなどが必要だ。最近は全量元肥施肥が普及するものの、猛暑で生育途中に肥え切れを起こすケースもあり、高温障害対策には、天候に応じた適切な追肥が欠かせない。流し込み施肥のポイントや専用肥料の特徴などを紹介する。

(12面・資材)

〈写真:水口から肥料を投入するだけで、水田全面に行き渡る〉

酪農/飼養衛生管理にHACCP導入 乳房炎が減少 ―― 石川県白山市・宮野秀一さん(13面・営農技術)【2015年5月4週号】

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体細胞数は15万個以下で推移
 乳用牛72頭を飼養する石川県白山市内方新保町の宮野秀一さん(57)は、飼養衛生管理にHACCP(危害分析・重要管理点)の手法を徹底導入する。乳房炎の発症が減り、バルク乳の体細胞数が1ミリリットル当たり15万個以下に減るなど経営改善につなげている。飼料など飼育に必要な資材の導入や搾乳作業などの全工程で危害要因を分析。バルクタンク乳温の確認など三つの重要管理点を決めて励行し、記帳する。家畜保健衛生所など10人で毎月会合を開き、改善点などを意見交換する。昨年5月には、乳用牛で5例目の「農場HACCP認証」を取得した。

(13面・営農技術)

〈写真:飼養衛生管理などについて菅野技師(右)と検討する宮野さん夫妻〉

明日のNOSAI 私の期待 ―― 熊本県天草市・野中幸廣さん(1面)【2015年5月4週号】

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 農家経営のさらなる安定に向けて、政府は収入保険制度検討調査事業を実施する。併せてNOSAI制度の改正も予定される。農業のセーフティーネットへの期待や意見、要望を、NOSAI部長など基礎組織構成員に聞く。

 (「にこまる」「くまさんの力」など水稲約4ヘクタール=うち借地が約3.5ヘクタール=野菜約18アールなど、支所事業推進委員3期目、共済部長・損害評価員6期目=1期3年、天草市河浦町新合、65歳)

(1面)

〈写真:野中幸廣さん〉

15年産米の生産数量目標 達成見込みは31都道県(2面・総合)【2015年5月4週号】

農水省 さらなる転換促す  農林水産省は15日、自民党の農業基本政策検討プロジェクトチームの会合で、2015年産米の生産数量目標に対する都道府県別取り組み状況(4月末現在)を報告した。目標達成が見込まれるのは31都道県で、うち16都道県は15年産から新設した自主的取組参考値までの「深掘り」が見込まれると説明。一方で、16府県は「目標達成すらさらなる取り組みが必要」とし、営農計画書の提出期限となる6月末に向け、これら地域を中心に飼料用米などへの一層の転換を促す方針を強調した。

(2面・総合)

2013・14年の水害乗り越えて ―― 農地を守り つなぐ【京都支局・2015年5月4週号】

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 【京都支局】「先人からの農地を大切に守っていきたい」と話すのは、福知山市大江町河守(こうもり)地区にある農事組合法人鬼の里農園の新井春男代表理事(72)。同法人は、2013年から2年連続で水害に見舞われ、大きな被害を受けた。「受け継いだ優良な農地を次代に」という思いを原動力に復興を進めている。
 法人のある河守地区は、13年9月に台風18号、14年8月には集中豪雨で、水害に見舞われた地域だ。
 13年の台風18号による大雨では、由良川が氾濫しポンプ施設などが破損。当時は堤防が未完成で、所有する全ての圃場に泥が流入した。稲は刈り取りを終えていたが、小豆は開花時期と重なり、ほぼ全滅という損害を被った。
 昨年の集中豪雨では完成した堤防の内側で氾濫が発生し、圃場が再び浸水。小豆は半作程度と例年の収量を大きく下回った。大幅な収益減少が立て続き、「これからの経営のことを考えると不安が大きかった」と新井代表理事は当時を振り返る。
 作業員総出のごみ拾いから始め、行政など各方面からの支援も受け、何とか営農再開へとこぎ着けた。「NOSAIの共済金は、体制を立て直すには不可欠だった。本当にありがたかった」と話す新井代表理事。「被害を受けても活動が再開できた大きな原動力は、共済金に加えて、先人や先輩方から受け継いだ優良な農地を自分の代で途絶えさせることは、絶対にできないという思いだった」と語気を強める。
 今年からは、新たに稲発酵粗飼料(WCS)用稲を約80アールと酒造に適した掛米用品種「京の輝き」を約4.4ヘクタール作付けて、復興の足掛かりにする構えだ。新井代表理事は「今年こそ災害のない明るい年であってほしい」と期待を込める。


〈写真:「トラクターのタイヤ部分まで浸水した」と2013年の水害について話す新井代表理事(左)。右はオペレーターの荒井一成(あらいかずなり)さん〉


太陽光利用型植物工場で実証実験 ―― 大玉トマトを50トン採り【愛知支局・2015年5月4週号】

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 【愛知支局】豊橋市西幸町の太陽光利用型植物工場「イノベーティブグリーンハウス(IGH)」では、大玉トマトの国内品種で日本初となる10アール当たりの年間収量50トンを達成した。「このノウハウを地域の農家にどんどん取り入れてもらいたい」と話すのは株式会社サイエンス・クリエイトの専務・原田公孝(はらだきみたか)さん(63)。
 植物工場は、第三セクターのサイエンス・クリエイト、イノチオホールディングス株式会社(イシグロ農材株式会社)、豊橋技術科学大学など6社1大学で運営。2012年7月から年間収量50トンを目指し、実証実験を開始した。
 14年2月から12月にかけての2作目で、50.6トンの収穫を達成した。品種は「りんか409」。成功した要因についてイノチオホールディングス株式会社事業開発部の鈴木邦典(すずきくにのり)さんは、「トマト作りには光合成と環境のバランスが大切です。生育調査データを基にした管理が生きたと思います」と話す。
 植物工場は、地域農業発展のためのプロジェクト。実証実験したノウハウのマニュアル作成を進めている。すべて導入するには大がかりで高価な設備が必要だが、可能なものから実際の現場で取り入れ、地域の平均収量25トンのさらなる拡大を図ることで、経営の安定化を狙う。
 3作目となる今年は55トンの収穫を目指す。「昨年は、天候に恵まれなかった中での50トン採り達成なので、55トンは十分可能です」と原田さんは話す。


〈写真上:環境管理された植物工場内〉
〈写真下:生育調査をするスタッフ〉


循環型農業目指して ―― 水稲 馬耕に挑戦【山梨支局・2015年5月4週号】

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 【山梨支局】都留市の内山歩さん(24)は、都留文科大学を休学して2年前に就農。「自然の力で栽培する農業」を志し、NPO法人都留環境フォーラムの一員として在来種の採種や馬耕に取り組む。内山さんは都留市内に農地約50アールを借り、水稲15アールと大豆20アールの他に、トマトやナスなどの野菜を無農薬で栽培する。
 「先月はせっかく育てた水稲の苗をイノシシに荒らされ、悔しくて苗床の隣に寝袋を持って来て一晩中見張りました」と内山さん。今年は水田3枚のうち1枚で、水稲の馬耕に挑戦している。都留環境フォーラムでは馬で田を耕す馬耕の復活活動を始め、内山さんも参加。単純に昔に戻るのではなく、馬との暮らしの中にある知恵や文化を知り、石油などの資源に頼らない循環型農業で、持続可能な地域づくりが目的だ。
 「自分の目指す農業で、農家として食べていけることが目標です。農業体験や加工品なども複合的に行い、できるだけ持続でき、安定した農業経営を目指したい」と内山さんは話す。


〈写真:馬耕で鋤(すき)を操る内山さん(奥)〉


ルバーブ ―― 食害受けず 栽培が容易【神奈川支局・2015年5月4週号】

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 【神奈川支局】シカの食害が問題の秦野市上地区で、獣害の少ない農産物「ルバーブ」が注目されている。2012年から上地区営農推進協議会が獣害の打開策としてルバーブを導入。農業振興作物として約25軒で栽培されている。
 バラ20アールと、ルバーブ約40株を生産し販売する上地区営農推進協議会の和田稔会長(62)は、「昨年の出荷量は約17.6キロと実験的な数字ですが、葉にシュウ酸を含んでいるので食害を受けず、栽培しやすいので生産数を増やしたいです」と期待を寄せる。
 一方、「ルバーブの知名度がまだ低い。ジャムにすると緑色が薄茶色になるため、知らない人には抵抗があるみたいです」と和田会長は課題を挙げる。今後はジャムにしても発色の良いレッド系の栽培を増やし、食べたことがない人に向け、工夫して販売する計画だ。
 「地元の人にもルバーブを知ってもらうことが必要です」と和田会長は話している。


〈写真:ルバーブを前に和田会長〉


蜂蜜のジャムやせっけん ―― 養蜂業をPR【島根支局・2015年5月4週号】

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 【島根支局】父親の後を継ぎ、約60箱の巣箱で養蜂業を営む大田市の宇谷彰訓さん(53)。専業としては小規模経営だが、昨年8月、純粋な蜂蜜をはじめ、蜂蜜を使用したジャム、ワックスやせっけんなどの加工品を取り扱う宇谷養蜂場直売店「はちみつや」をオープンさせ、養蜂業のPRに力を注いでいる。
 同養蜂場では春に三瓶町、夏にかけて長久町や温泉津町にと、季節ごとに花を求めて巣箱を移動。集めた蜂蜜を市内のイベントなどで試食販売するなど、蜂蜜の販促活動にも積極的だ。
 鳥獣害、蜂に害のある農薬の問題はあるが、宇谷さんは「これからも地域と協力して養蜂を続け、おいしい蜂蜜を届けたい」と意欲を見せる。
 大田市で養蜂を営む島根県養蜂協会の森鉄夫会長(74)は「養蜂家が高齢化により減る中、久しぶりの若い仲間。養蜂協会の事務局をしてもらっていますが、経験を積んで今後に生かしてもらいたいですね」と期待する。


〈写真:「巣箱により蜜の量や味が全く違います」と宇谷さん〉


わらじ、布草履 ―― これからも作り続ける【宮城支局・2015年5月4週号】

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 【宮城支局】草履作りを始めて70年以上になる、登米市中田町の小野寺慧悟さん(84)。水稲を収穫した後に残るわらを使って、自作の道具で草履やわらじを編み、現在は着物や布団を利用した布草履も手掛けている。
 「草履作りは最初の編み込みが重要」と小野寺さん。つま先部分は形状に丸みをつけるため、無理に生地を引っ張らず丁寧に編み込む必要があるという。
 1日に作ることができる数は、多い時で5足。地元の直売所で自家野菜と一緒に販売する他、地区の行事で贈り物用として提供することもある。「『ありがとう』と言ってもらえて、とてもうれしい」
 小野寺さんは、子どものころに母親と一緒に草履を編んだ楽しさを今でも覚えているという。「これからも作り続けたい」と、完成したばかりの草履に思いを込める。


〈写真:作業する小野寺さん〉


自家産リンゴでケーキ ―― 包装にも一工夫【福島支局・2015年5月4週号】

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 【福島支局】自家産リンゴを使ったパウンドケーキ「りんごケーキ」を今年3月から商品化している白河市東上野出島の北條睦子さん(54)は、「苦労したのは、甘いケーキに負けないリンゴの存在感を出すこと」と思いを話す。
 製造を委託している業者と試作を重ね、「栽培している約20品種の中から、一番酸味が強い品種を選びました」と話す。
 家族で、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウを中心に、約3ヘクタールで果樹を栽培。りんごケーキは、企画から販売までに5カ月を費やしたという。
 利用客の目にとまるようにオリジナルロゴを作るなど、包装資材にも力を入れた。「多くの方に支えられて出来上がったこの商品は、自分の子供のようにかわいいです」と北條さんは話す。


〈写真:商品を手に北條さん〉


防風林「農機の値上げに冷静な判断を【2015年5月4週号】」

 ▼環境省の「特定特殊自動車排ガス(3次)規制」の適用により9月以降、小・中型トラクターやコンバインなどの新車販売価格が値上がりする。排ガス中の微粒子・窒素酸化物の9割削減に対応した新機構の装着により製造コストが跳ね上がる。  ▼今回の適用となる26〜50馬力クラスは、国内出荷台数の約6割に相当し今後、農家への影響は必至だ。「値上げ幅は2割程度。適用対象外の中古農機も上がるのでは」と関係者は指摘する。  ▼昨年の消費税増税や米価下落など農家経済が冷え込む中、この出費増が買い控えや営農意欲を削いでしまうのでは...と心配だ。  ▼適合表示がない機械の使用で30万円以下の罰金というから、環境保全とはいえその代価は高額で縛りも強い。新たな機械化政策の検討が農林水産省で始まり、機械費低減対策に水を差す。  ▼値上げ前の購入も手段の一つ。だがその前に、所有機械が経営規模に合う適正導入か点検すべき。一ランク小型の機種でも効率化が図れれば、買い急がず計画通り更新する手もある。ひいては、購入額や燃料費も抑えられる契機になれるかも。冷静な対処が必要だ。

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