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今週のヘッドライン: 2015年06月 3週号

来たれ産業動物獣医師 NOSAI全国の獣医師採用説明会に106人参加(1面)【2015年6月3週号】

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経営指導や防疫 高度化する職責
 NOSAI全国(全国農業共済協会・髙橋博会長)は5、6両日、獣医師職員採用説明会を開催した。NOSAIの女性獣医師が、難産を介助した経験や酪農家の感謝の言葉などを紹介し、仕事のやりがいを伝えた。農家への生産性向上支援や増加する伝染病に対する防疫対策など、職務が高度化する中、産業動物獣医師の確保が求められる。農林水産省は女性獣医師の増加を受け、2015年度から新たに、出産などで退職した女性獣医師の職場復帰や、働きやすい職場環境整備の支援を始めた。NOSAIは、獣医学生の臨床実習受け入れや説明会などで獣医師確保に貢献する。

(1面)

〈写真:NOSAI獣医師(左)の説明を熱心に聞く説明会参加者(5日、麻布大学)〉

農水省/14年産ナラシの支払い過去最大に 水田営農の持続性確保を(2面・総合)【2015年6月3週号】

 農林水産省は5日、2014年産の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の補てん総額が514億7千万円となる見込みと発表した。米価下落が要因で、支払い規模は過去最大となる。同省は、米の補てん単価は全国平均で10アール当たり2万2157円との推計額を示した。しかし、14年産の加入は一定規模以上の認定農業者と集落営農が対象で、支払件数は米販売農家の6%程度にとどまる。未加入農家に国費補てん分の5割を支援するナラシ移行円滑化対策が措置されているものの、効果は限定的だ。同省は、飼料用米の増産を促して15年産の主食用米の需給安定を目指すとともに、要件を緩和したナラシ対策への加入を呼びかけている。ただ、予算に依存する飼料用米の継続性には不安感も根強く、生産現場では地域の実情を反映した持続的な水田営農の構築を求める声が上がっている。

(2面・総合)

15年産の適正生産量見通し/温州ミカン2万トン増の90万トン リンゴ昨年同等の81万トン(2面・総合)【2015年6月3週号】

 農林水産省は5日、2015年産の温州ミカンとリンゴの適正生産出荷見通しを発表した。適正生産量は、表年となる温州ミカンが昨年の生産実績比87万5千トンを2万トン程度上回る90万トンとした。リンゴは一部産地で大雪による枝折れ被害が発生したが、主産地では大きな被害はなく着花量も確保されているため、昨年の生産実績81万6千トンと同程度の81万トン程度と見込む。

(2面・総合)

イネ縞葉枯れ病/関東4県に注意報発令中 適切なウンカ防除を(9面・営農技術)【2015年6月3週号】

媒介虫の保毒率が高い傾向 発生予報を注視し薬剤散布  イネ縞(しま)葉枯れ病の発生が近年、各地の水稲で多くなっている。5月19日時点で関東4県で注意報が出され、今後さらに増える見込みだ。流行期に入ると沈静化するまでに長期間を要し、被害が深刻化すれば収量に大きく影響する。被害拡大を防ぐには、病原を媒介するヒメトビウンカの適切な防除が基本となる。各県の防除所で発生動向を確認の上、必要に応じて本田防除を行うことが重要だ。

(9面・営農技術)

消費者の意見・要望を品種や分量などに反映 対面販売で信頼深まる ―― 新潟県阿賀野市・ゆうきふれあい即売所(8面・流通)【2015年6月3週号】

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顔が分かり安心感に 閉店前に売り切れも
 新潟県阿賀野市村杉の「ゆうきふれあい即売所」は、出荷した農家自らがレジに立ち、消費者と対面しながら販売、その気安さが評判を呼んでいる。要望や感想などもじかに聞け、コミュニケーションが次の栽培品種や分量など改善への良い参考になるという。価格を一袋100円に設定した野菜も多く、利用者からは生産者の顔が見えて、安心して買い物できると喜ばれている。出荷が集中する土日には、開店前から大勢の人が訪れて列をつくっている。

(8面・流通)

〈写真:調理の仕方や栽培方法などを利用客に説明する担当農家〉

明日のNOSAI私の期待(3) 収入保険は年内仮払いが必要 ―― 北海道網走市・遠藤優一さん(1面)【2015年6月3週号】

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 農家経営のさらなる安定に向けて、政府は収入保険制度検討調査事業を実施する。併せてNOSAI制度の改正も予定される。農業のセーフティーネットへの期待や意見、要望を、NOSAI部長など基礎組織構成員に聞く。
(小麦、大麦、バレイショ、テンサイ、大豆、小豆、デントコーン=合計65ヘクタール、共済部長20年以上、損害評価員8年目、59歳)

(1面)

〈写真:遠藤優一さん〉

サクランボ・ハウス天井の穴から暖気放出 ―― 高温障害防ぎ良質果【山形支局・2015年6月3週号】

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 【山形支局】山形市大森で果樹栽培を営む植木正助さん(79)は、高温障害によるサクランボの品質低下を防ぐため、雨よけハウスの天井に穴を開け、空気の循環により暖気を放出し、温度の上昇を防ぐ仕組みを考案。2012年に特許を取得し、JAの協力を得ながら、商品化に向けて改良を重ねている。
 サクランボの雨よけハウス栽培では、果実の肥大期から収穫期にかけ、温度の上昇が原因で裂果やウルミ果が発生しやすくなる。それを防ぐため、従来の換気装置などを設置すれば多額の費用がかかってしまう。植木さんは構造がシンプルで、自由に着脱ができ、もっと安い方法はないかと試行錯誤を重ねてきた。
 そこで考案したのが、ハウスの天井に長さ70センチ、幅55センチの穴を3メートル間隔で開け、暖気を放出するというもの。防鳥ネットをビニールの真下に重ね、スズメなどの鳥の侵入を防ぐ。さらに穴から入る雨水は、天井の穴から40センチ下に設置したビニールシート(長さ130センチ、幅70センチ)で受け止め、そのシートに取り付けたホースで地面に排水。こうすることで動力を使わずに常時換気が可能となる。
 通常のハウスと穴を開けたハウスとで、収穫期(6月上旬から7月上旬)にどの程度温度差があるのか、JA全農山形の協力を得ながら、5年にわたって計測、比較してきた。平均して3~5度の差があり、外気温の高い日には5度以上低いこともあった。
 同JA生産資材部資材課の伊藤正樹副審査役は「今後も協力していきたい。良い試験結果を出し、商品化に結び付けられれば」と話す。植木さんは「他県にリードできるものを作りたい。農家の助けになるようになるべく安く良いものにしたい。ウルミ果や裂果のため出荷できないということはなく、収穫が多少遅れてもウルミ果は見られなかった」と話す。


〈写真上:植木さん〉
〈写真下:考案したハウスの天井部分。穴の下には、防鳥ネットと雨水を受けるシートを張る〉

ソバ「にじゆたか」をブランドに ―― 6次化推進産地盛り上げる【秋田支局・2015年6月3週号】

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 【秋田支局】ソバの生産・製粉・販売に特化した経営をしている、羽後町西馬音内(にしもない)の農業生産法人「株式会社そば研」(猪岡専一代表取締役=67歳)。ブランド化や自社の製粉所を生かした商品開発に力を注ぐ。
 「階上早生(はしかみわせ)」(夏ソバ・140ヘクタール)と「にじゆたか」(秋ソバ・70ヘクタール)の2品種を手掛けている。特に、にじゆたかは4年前に全国に先駆けて栽培を始め、羽後町産のブランド品種として力を入れている。それまでソバの奨励品種が無かったことから、東北農研機構による育種開発後、2年間の現地栽培試験を経て導入した。
 猪岡代表は「当時は、独自の品種を持たないため、販売面で苦労した。『にじゆたかといえば羽後町産』といわれるようにしていきたい」と力を込める。
 2013年には自社の製粉所を建て、同3月からは玄ソバの販売に合わせ、製粉とむき実の販売もしている。また、昨年からは、にじゆたか製の特選そば粉「虹舞粉(なないろまいこ)」や、そば焼酎「羽後の舞」の販売を開始。
 生産担当の藤原洋介さん(33)は、「ソバを栽培してくださる農家あっての法人だ。付加価値を付けた販売で利益を上げ、地主に還元していきたい」と意気込んでいる。


〈写真上:ソバ出来を確かめる藤原さん〉
〈写真下:販売を始めた、そば焼酎「羽後の舞」〉

神奈川県から岩手県にIターン就農 ―― 米崎りんごの産地守りたい【岩手支局・2015年6月3週号】

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 【岩手支局】高校時代に訪れ、果樹栽培に興味を持つきっかけとなった陸前高田市に今年4月、神奈川県から移住してきた安生亮太さん(20)。同市の特産リンゴ「米崎りんご」の生産者を目指し、同市に新規就農した。
 安生さんが初めて同市を訪れたのは2013年3月の高校2年生の時だ。このとき立ち寄った直売所の店内に米崎りんごが並んでいて「リンゴの産地といえば青森県などをイメージしていましたが、岩手県の沿岸部で3月の後半にリンゴと出合えたことに驚きました」と振り返る。
 実家は非農家だが、家庭菜園をきっかけに幼いころから農業に興味を持ち、農業高校に進学して野菜を専攻。同市を訪れ果樹に興味を持ち、同年5月には同市の果樹農家で2泊3日の研修を受けた。
 本年度から2年間は研修期間として、複数の果樹生産者の園地で経験を積む安生さん。「この2年間を大切にしたい。全国的には小さな産地かもしれませんが、米崎りんごという名前をずっと残していきたいので」と未来に向けて話してくれた。


〈写真:リンゴの生育を確かめる安生さん〉

無線操縦ボートを自作 ―― 水稲除草剤散布請け負い 農家の作業軽減に貢献【大分支局・2015年6月3週号】

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 【大分支局】玖珠町北山田の神尾哲也さん(48)は、無線操縦ボートを自作し、昨年から、移植後の水稲除草剤散布に活用している。
 地域の水田での作業を請け負っていて、散布面積は10ヘクタールを超える。神尾さんに作業を依頼している藤本勝美さん(71歳、水稲1.6ヘクタール)は、「畦畔(けいはん)を歩き回ることも、圃場に入る必要もない。労力が軽減されることが一番いい」と笑顔で話す。
 ボートの製作にあたって、「玖珠は山間地が多く、狭い圃場も多い。地形に合わせて重量や大きさを考慮した」と神尾さん。機体は、小回り性能を重視し、速度に応じて散布量を自動調節する機能も付け、均一な散布を目指す。10アール当たり約1分で散布が完了する。
 「新しい試みで若手農業者に農業の楽しさを伝えたい」と話し、ボートの販売やリース、操作指導を計画しながら「広めることで地域全体の農作業の軽減につながれば」と意欲的だ。


〈写真:無線操縦ボートで散布作業をする神尾さん〉

トラックの着脱式屋根を改良 ―― 工具使わず取り付け簡単【鹿児島支局・2015年6月3週号】

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 【鹿児島支局】「子牛の競り市が雨の日でも苦にならないですね」と話す、曽於市大隅町の谷山和義(たにやまかずよし)さん(73)は、トラックの荷台に取り付ける着脱式の屋根を改良し、作業の効率化を図っている。
 フレームは側面、後部、屋根に分かれていて、それぞれの接続部分をはめ込み式にし、棒を差し込むだけで固定できるようにした。一番のポイントは車庫の屋根に滑車を取り付け、ゆっくりと下ろしながら組み立てられることだ。
 「工具を使わずに取り付けできるので、2人で作業すれば15分で取り付けできますよ」と谷山さん。「フレームをアルミ素材にすれば、軽くてもっと便利だったかもしれないですね」と改善点を話す。車庫には荷台屋根の重さに耐えられるよう柱を1本補強した。
 谷山さんは「少しでも作業を効率化し、今後も楽しく仕事していきたい」と話す。


〈写真:車庫に付けた滑車と谷山さん〉

コクワのメニューを提供 ―― おいしく食べて健康増進にも【新潟支局・2015年6月3週号】

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 【新潟支局】地元で生産されたコクワを使ったカレーやソース、シャーベットなどを提供しているのは、三条市笹岡の農家カフェ「こくわ屋藤兵衛(店長=山田香織さん・30歳)」。珍しい山の食材の味と、懐かしい喫茶店風の雰囲気を醸し出す店は、リピーターも多い。
 コクワはキウイフルーツの原種といわれ、高血圧、糖尿病、肥満改善への効果が高いとされ、健康食品として期待されている。味はキウイフルーツに似ていて、完熟すると糖度が25度にも達する。生の実を試食した人から「砂糖漬けではないのか」と驚かれるという。
 また、タンパク質を分解する酵素も含んでいて、肉を柔らかくする作用があるため、さまざまな料理に活用できる。「多くの可能性を秘めている食材です。山ならではの魅力を発信していきたいですね」と山田さんはほほ笑む。


〈写真:「ぜひお召し上がりください」と山田さん〉

防風林「日本人の国際協力が他国の繁労に貢献【2015年6月3週号】」

 ▼国際協力機構(JICA)が派遣する海外青年協力隊が今年で50周年を迎える。同機構は152カ国・地域に専門家約1万人、協力隊員約千人を毎年派遣、その活動は受け入れ国から高い評価を得ている。明治維新後のわが国も、多くの欧米人技術者を招聘(しょうへい)し産業立国としての礎を築いた。農業も同じ。
 ▼有名なクラーク博士以外に、近代農業の確立と北海道開拓を目的に米国から招いたホーレス・ケプロンやエドウィン・ダンなどの農業技術者は意外と知られていない。ケプロンは米国農務局長を辞し来日、北海道開拓使の技術総監督的な立場として活躍。米国の青年牧場主・ダンの才能を見抜き呼び寄せたのもケプロンだ。
 ▼ダンは馬や牛など牧畜種の改良を進め、西洋式農具を導入、真駒内や新冠に国内初の大規模牧場を造成し飼育技術を伝授した。バターやチーズ、ハムなど酪農加工技術も伝え、国内畜産業に影響を及ぼした。
 ▼任期を終えたダンは帰国するも、翌年に再来日、国内最大の産油量を誇った新潟の油田開発や競争馬の起業化に奔走した。日本人女性と結婚、遠い異国の産業発展に捧げた人生は84歳で幕を閉じた(1962年刊『エドウィン・ダン』ダン・道子ほか共著に詳しい)。
 ▼発展途上の国で先進技術を伝える日本人専門家らの姿が、当時の外国人指導者と重なり、途上国の産業や文化として花を咲かせている。


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