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今週のヘッドライン: 2015年06月 4週号

北の大地でミニ野菜 畑作農家の若手後継者3人が結束 ―― 北海道訓子府町・STNベジタブルプロダクション(1面)【2015年6月4週号】

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 「新しい作物の栽培で安定した収益につなげていきたい」と、北海道訓子府町のSTNベジタブルプロダクションの代表を務める柴田涼さん(33)は話す。STNは地元の畑作農家の若手後継者3人で構成、ミニキャベツやミニハクサイ、ミニカリフラワーなど市場性の高いミニ野菜を生産する。収穫物は地元のスーパーなどの店頭に並べられ、少人数向け野菜として好評だ。今後は生産規模を拡大し、雇用導入を目標に掲げている。

(1面)

〈写真:3人の頭文字をとって命名したSTN。左から谷さん、柴田さん、中村さん〉

規制改革会議/農地の集積・集約化促進に強硬手段 遊休農地の課税強化を提起(2面・総合)【2015年6月4週号】

 政府の規制改革会議は16日、第3次答申を取りまとめ、安倍晋三首相に提出した。農業分野では、農地集積・集約化に向け、農地の保有にかかる課税の強化・軽減などの検討を提起した。「農地の保有コストが低い」ことが出し手不足や転用期待による遊休農地の発生を助長しているとし、課税強化で実績が低迷する農地中間管理機構への農地の貸し出しを促すねらい。機構の実績に応じた予算の重点配分なども盛り込んだ。土地利用型農業では、生産性向上や担い手の確保・育成に農地の集積・集約化が大きな課題だが、課税強化や予算配分など強制的な対応は、生産現場の反発や不信感を高めるだけだ。中山間地域では、転用期待どころか貸したくても受け手がいない。農地の集積・集約化を促すのであれば、地域内の農業者の話し合いなど生産現場の合意形成を基本とし、丁寧・慎重な進め方が求められる。

(2面・総合)

笑顔と旬の味でおもてなし ―― 宮城県仙台市・農家レストラン「畑の中のごはん屋ちょっこら」(3面・暮らし)【2015年6月4週号】

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自家産野菜をふんだんに使って腕振るう
 「気軽に立ち寄って、私たち農家が日ごろ食べている料理を味わってほしい」と話す、仙台市若林区日辺(にっぺ)で農家レストラン「畑の中のごはん屋ちょっこら」を切り盛りする加藤一さん(62)、和江さん(57)夫妻。自宅の庭にある畑15アールで栽培するサニーレタスやカブ、トウモロコシなど約20種類の野菜を使った料理を振る舞う。ベレー帽に蝶(ちょう)ネクタイ、ワイシャツ姿で配膳係を担当する一さんは、ちょっこらの「看板じじい」だ。自家栽培の野菜を中心とした農家ならではの素朴な味と、笑顔を誘う二人の掛け合いが、訪れる人をもてなしている。

(3面・暮らし)

〈写真:「農業一筋で、接客は初挑戦だったけど、今ではすっかり看板じじいです」と一さん〉 〈写真:「野菜本来の味を生かせるように薄味を心がけています。庭先で収穫できるので新鮮ですよ」と和江さん〉

園芸施設共済/相次ぐ台風や集中豪雨に備え 補償が大幅に拡充(5面・NOSAI)【2015年6月4週号】

 近年、台風や集中豪雨などによる園芸施設の被害が相次いでいる。高価な施設の被害は、経営にとって大きな打撃だ。補償の充実を望む農家の声に応え、農林水産省は今年、耐用年数を延長し、補償価額(共済価額)を引き上げるなど補償を大幅に拡充した。園芸施設共済では本体施設や被覆材のほか、施設内で栽培する農作物や附帯(ふたい)施設、撤去費用も補償する。園芸施設共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

園芸用ハウスの暑熱対策場 遮光カーテン、細霧装置の利用でも換気重視の気温抑制(13面・資材)【2015年6月4週号】

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 近年は猛暑となる年が多く、今夏の動向が気になるところ。夏場に向け園芸用ハウス内の気温が急激に上昇することにより、栽培作物の収量減や品質低下を防ぐ対応を心掛けたいもの。また、作業労働の効率低下や作業者の健康への影響も心配される点だ。園芸ハウス内の気温を低下させる手段としては、換気や遮光、細霧冷房などの手段があるが、これからできる園芸用ハウスの暑熱対策の基礎知識について、日本大学生物資源科学部の佐瀬勘紀教授にポイントを聞き、本紙で要点をまとめてみた。

(13面・資材)

〈写真:ガラスハウス前で、側面からの換気と天窓からの換気の大切さを説明する佐瀬教授〉

全国豆類経営改善共励会 大臣賞の経営(15面・営農技術)【2015年6月4週号】

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 豆類の生産振興を図る「2014年度(第43回)全国豆類経営改善共励会」(主催・JA全中ほか)の表彰式が17日、東京都中央区で開かれた。全国から出品された152点から栽培技術や生産コスト低減などに優れた11点が表彰された。大豆で農林水産大臣賞を受賞した、新潟県の阿部真一さん(大豆経営の部)と山口県の農事組合法人ウエスト・いかち(大豆集団の部)の経営概要を紹介する。


大豆経営の部「エンレイ」
池だまり回避へ排水対策を徹底 ―― 新潟県長岡市・阿部真一さん

大豆集団の部「サチユタカ」
作業ごとのスペシャリスト養成 ―― 山口県柳井市・農事組合法人ウエスト いかち

(15面・営農技術)

〈写真上:阿部さん〉
〈写真下:藤本幸一代表〉

熊本県などで大雨被害 水田や園芸施設に打撃/NOSAIが現地確認急ぐ(2面・総合)【2015年6月4週号】

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 九州に停滞する梅雨前線の活動が活発化し、11日に熊本県などを中心に猛烈な大雨となり農業被害が発生した。
 農業共済新聞によるNOSAI団体への聞き取り(15日現在)では、NOSAI熊本(熊本県農業共済組合)管内では、園芸施設140棟で内作物の冠水被害などが発生している。水稲301ヘクタールで冠水や土砂流入・流出のほか、麦68ヘクタールで冠水や倒伏、穂発芽の被害があった。NOSAI熊本は「今回の災害は、被害にあった農家にとって大打撃。特に収穫目前の被害は痛い。迅速な対応を心掛ける」とする。

(2面・総合)

〈写真:土砂崩れで損壊したハウス(熊本県宇城市三角町、16日撮影、提供:NOSAI熊本)〉

NOSAIにお任せください(3) 土壌診断で10項目以上分析 施肥設計の改善に寄与 ―― 鹿児島県・NOSAI連鹿児島(5面・NOSAI)【2015年6月4週号】

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 NOSAI連鹿児島(鹿児島県農業共済組合連合会)は、主に園芸施設共済加入者を対象として圃場の土壌診断を実施する。酸度(pH)や電気伝導度(EC)、硝酸態窒素など10項目以上を分析し、「土壌診断処方箋」に結果をまとめて農家に配布する。必要に応じて説明会を開き、農家ごとに面談して処方箋の解説や施肥に際しての助言をすると同時に土作りに関する研修も行う。2014年度は2260点を診断するなど利用する農家も多く、施肥設計の改善に役立つと評価も高い。


 「処方箋を見ながら施肥計画を立てている。肥料価格は高騰しており、適切な施肥によるコストカットが経営に役立っている」と薩摩川内市東郷町斧渕のファーム森園の森園知さん(25)は話す。ハウスでブドウ77アールとキンカン10アールを栽培するほか、水稲80アール、温州ミカン30アールも作付ける。

(5面・NOSAI)

〈写真:NOSAIの職員から処方箋の説明を受ける森園さん(左)〉

水稲・直播栽培 圃場をトロトロにして【新潟支局・2015年6月4週号】

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 【新潟支局】水稲の直播栽培で省力・低コスト農業を実践している上越市南方の農事組合法人「龍水みなみがた」の代表理事・塚田浩一郎さん(71)。今年も水稲作付け31ヘクタールのうち、13ヘクタールの直播栽培に取り組んでいる。
 同法人が行う直播栽培は、12~13センチの深さで耕うん、荒かきをし、播種の1日前に本代かきで田面をトロトロにした上で、播種当日の朝に落水するというもの。播種時の田面の硬さの目安は、1メートルの高さからゴルフボールを落とすとボールが隠れるくらいにする。種もみは、無コーティングの発芽もみを使用し、播種は、6条の直播専用機で点播している。
 「1人で播種作業ができ、1日で2ヘクタール程度播種できるので、定植に比べて大幅に時間や労力の低減になります。出芽率が高いので、除草剤が1回で済み、コーティングの資材がかからないので、コストが安くあがります」と塚田さんはメリットを話す。

〈写真:6条の直播専用機を使って点播している塚田さん〉

コンバインにスイッチ付け便利【山口支局・2015年6月4週号】

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 【山口支局】岩国市周東町の林滋さん(66歳、水稲43.5アール)は、コンバインの作業効率を上げるため、随所に工夫を凝らしている。
 コンバインには刈り取りレバーと脱穀レバーの二つがあるが、林さんのコンバインには脱穀レバーに特別のスイッチが付いている。「スイッチは搬送チェーン(刈り取った稲をこぎ胴に送る)だけオンオフができ、脱穀部内でもみを処理しきれなくなるとスイッチをオフにし、搬送チェーンだけを止めて脱穀部内の負荷をやわらげる仕組みです」と話す。
 「今後もアイデアを生かして使いやすくしていきたいです」と話している。

〈写真:脱穀レバーに設置したスイッチ〉

福島第1原発事故後 ワラビ初出荷【岩手支局・2015年6月4週号】

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 【岩手支局】東日本大震災発生以降、野生の山菜に出荷規制がかかる中、一関市の「みちのく食文化を守る会」(那須元一会長=55歳・同市東山町)が栽培を続けるワラビが先ごろ、待望の初出荷を迎えた。
 2013年6月、那須さんは「地場産の山菜を復活させたい」と、同調する仲間15人で会を設立。同年11月からワラビ栽培に動き出した。今年5月には3アールの圃場区域で収穫ができるまでになったという。
 今後について那須さんは、「段階を踏んですべての圃場で収穫ができるようにしたい」と決意を新たにする。

〈写真:育てたワラビを収穫する小野寺さん〉

顧客の要望に応えたチーズ作り【京都支局・2015年6月4週号】

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 【京都支局】京丹波町の株式会社ミルクファームすぎやまで、モッツァレラチーズを手作りする杉山牧さん(32)。「出来たてを味わってほしい」と朝搾りの生乳から作るチーズは顧客からも評判だ。
 「小さい工房だからこそ小回りを利かし、チーズの堅さや大きさなどの要望にも応えたい」と牧さん。程よい酸味が特徴の丸型と、裂いて食べるスティック状の2種類を作る。
 購入者からは「癖がなくあっさり食べられる」と評判だ。鮮度にも気を配り、取引先の飲食店などには、製造後24時間以内に届けることを心掛ける。
 「将来的には牧場直営のレストランで提供し、味や食べ方を多くの人に知ってもらいたい」と夢を話す牧さん。

〈写真:「発酵条件で味が変わるのが面白い」と牧さん〉

繭産地復活へ 桑を植樹【長野支局・2015年6月4週号】

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 【長野支局】明治から昭和初期にかけて製糸業が栄えた岡谷市――。同市川岸地区の「三沢区民農園」(伊藤和好会長=72歳、会員約30人)では、岡谷産繭の復活を目指して、昨年9月から農園内にある施設で、蚕2千頭の飼育を始めた。
 餌は農園内で加工用に栽培している桑を使っているが、足りないため、桑の葉集めに苦労しているという。そこで昨年11月、農園では市と協議し、千坪を借り受ける手はずが整った。今年4月から荒れていた土地を整備。5月の連休に桑の苗木2100本を植樹し、栽培している。
 「会員の協力を得ながら、地元産の繭がしっかり出荷できるよう準備したい」と伊藤会長は話す。

〈写真:桑を手入れする伊藤会長〉

クロパンの良さ後進へ【徳島支局・2015年6月4週号】

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 【徳島支局】自慢の窯と自家産麦を使って日本式の「クロパン」を提供する鳴門市の樫原道雄さん(91)と田渕豊さん(73)。徐々にそのおいしさが地域の人たちに広まっているという。
 戦後、シベリアの地に捕虜として抑留されていた樫原さん。現地の人が口にするクロパンを焼きながら、「いつか日本人に合うクロパンを」と思っていたという。
 樫原さんは現在、小麦「せときらら」を約30アール栽培。その麦を現地と同様に全粒粉にしたものをクロパンの材料として使っている。
 樫原さんは、自分の活動に共感した田渕さんにクロパンの作り方を伝授。田渕さんは、子どもたちに伝えたい「食育」の思いを込めて大切に作っている。

〈写真:クロパンの製法を受け継いだ田渕さん〉

利用客の声励みにキクイモで漬物【福島支局・2015年6月4週号】

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 【福島支局】自家栽培のキクイモでしょうゆ漬けを作って直売所で販売する玉川村南須釜の塩沢栄子さん(75)は、「漬物作りは重労働でとても大変な作業ですが、『おいしい』という言葉が何よりもうれしく、励みになります」と話している。
 キクイモのしょうゆ漬けは自家産のキュウリも使っていて、塩沢さんの作る漬物の中でも特に利用客から好評だ。
 9月下旬からキクイモを収穫し、3月ごろまで加工・販売する。この期間にキュウリ50キロ、キクイモ60キロの仕込みを行うという。
 出荷先は村の直売所「こぶしの里」で、他の漬物と、15アールで栽培する旬の野菜などを搬入している。

〈写真:キクイモを手に塩沢さん〉

防風林「農地の集積化をになう農地中間管理機構の組織力強化を【2015年6月4週号】」

 ▼農地集積化・団地化を図り、担い手への円滑な農地利用を推進する目的で設立した農地中間管理機構の初年度実績が公表され、同機構を通じ権利委譲した面積が目標の2割(3万1千ヘクタール)にとどまった。
 ▼関西圏のある担い手農家は数年前、「農地を借したい人はぎょうさんおる。せやけど"畦だけは崩さんといてな"これが一番厄介で多いねん」と嘆いた。集積しても小区画なら畦を崩さなねば機械稼動効率は低いまま。
 ▼「言われた通りにやって地主の信頼を得なならんしな」。この担い手は大小の農機を使い分け経営を拡大、だがコスト低減効果は少なかった。貸し手の農地への愛着も理解する。耕作者への不信、農地の境界線が不明確な不満、所有権をうばわれそうな不安、などが渦巻くのか。
 ▼同機構の役割は出し手から農地を借り受け、担い手に転貸する。公的信用を背景に、出し手側の不満や不信も解消するため、権利委譲が円滑に進むはず。だが、目標への道のりは遠い。
 ▼役職員の意識改革や農地集積をコーディネートできる人材育成も指摘された。相手は農地という資産。信用・満足・安定を感じられる組織作りが急務。サービス業など民間のノウハウを取り入れるのも一考だ。

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