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今週のヘッドライン: 2015年07月 2週号

TPP交渉/突き進む政府 生産現場に強い不信・不安(1面)【2015年7月2週号】

 十分な情報開示もないまま、環太平洋連携協定(TPP)交渉合意に突き進もうとする政府に対し、生産現場では強い不信・不安が広がっている。米国の「大統領貿易促進権限(TPA)法」成立を受け、日米両政府は、9日から東京都内で日米事務レベル協議を再開する。焦点となる米や牛・豚肉など日本の重要品目の扱いに道筋を付け、7月中の開催を目指す交渉参加12カ国による閣僚会合につなげたい考えだ。米国側から厳しい譲歩要求を突きつけられるのは必至で、合意を焦って譲歩すれば、国内農業への深刻な打撃は避けられない。政府には、重要品目など聖域確保を求めた国会決議を守り抜く対応が求められる。

生産現場の声
黒田 栄継さん
 ▽北海道芽室町▽39歳▽畑作27ヘクタール

大友 清康さん
 ▽宮城県名取市▽有限会社耕谷アグリサービス代表▽64歳▽水稲83ヘクタール、麦26ヘクタール、大豆40ヘクタール

天明 伸浩さん
 ▽新潟県上越市▽46歳▽水稲5ヘクタール、ブルーベリー農産加工

三浦 正之さん
 ▽岡山県真庭市▽31歳▽搾乳牛24頭

佐竹 宣昭さん
 ▽高知県四万十町▽39歳▽農事組合法人四国デュロックファーム代表▽母豚600頭一貫生産

川畑 真実さん
 ▽鹿児島県鹿屋市▽32歳▽和牛繁殖(母牛35頭)

(1面)

自民・畜酪小委/酪農所得向上へ提言案 乳価交渉力強化目指す(2面・総合)【2015年7月2週号】

 自民党の畜産・酪農対策小委員会(小委員長=坂本哲志衆院議員)は2日、同小委員会に設置したワーキングチーム(WT)が、生産者団体や乳業者など関係者の意見聴取も踏まえてまとめた提言案を議論した。乳価交渉力の強化に向けた指定団体の再編や、酪農協の1県1団体化の推進による流通コストの削減などを柱とし、酪農家の所得向上につなげるのがねらいだ。

(2面・総合)

夢も笑顔も広がって 就農2年目、ブルーベリー観光農園をオープン ―― 富山県富山市・ベリー・ベリー・ヤミー 落合良幸さん(3面・暮らし)【2015年7月2週号】

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 「子供たちが夏休みの間に旬を迎える果物は何か考えたとき、ブルーベリーが頭に浮かんだ。家族の絆が深まる場所にしたい」と話す、就農2年目の落合良幸さん(43)。6月20日、富山市八尾町松原にブルーベリーの観光農園「ベリー・ベリー・ヤミー」をオープンさせた。耕作放棄地を整備した約1ヘクタールの園地には、ハイブッシュ系とラビットアイ系の39品種、約1000鉢のブルーベリーが並ぶ。テレビや新聞に取り上げられるなど注目度も高く、県内を中心に大勢の人が訪れている。

(3面・暮らし)

〈写真:おいしいブルーベリーの見分け方を来園者に説明する落合さん(右)〉

さしま茶/魅力ある商品やパッケージを開発 若い世代に照準 ―― 茨城県境町・有限会社「長野園」(6面・流通)【2015年7月2週号】

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 2.5ヘクタールで「さしま茶」を生産する茨城県境町の有限会社「長野園」(長野和子代表、63歳)は、40年以上守り続ける地元の在来種(35アール)で緑茶と紅茶を製造し、「大地のブレンド」「のびのび和紅茶」と名付けて販売する。ほうじ茶にショウガを調合し、ホットミルクで作る「しょうがほうじ茶ラテ」や緑茶に県花のバラの花弁をブレンドしたローズ緑茶など個性的な商品をそろえ、全量直販する。「茶を飲まない人に興味をもってもらえる商品を作りたい」と茶園管理責任者の花水理夫〈はなみずみちお〉さん(41)。ネーミングやパッケージデザインを一から企画し、商談会に積極的に参加して販路拡大を図っている。

(6面・流通)

〈写真:在来種の茶園で。「木の一本一本に個性があり、魅力的でおもしろい」と花水さん夫妻〉

リスクマネジメント支援事業で未然に被害防止 経営安定をサポート(7面・NOSAI)【2015年7月2週号】

 NOSAI団体ではリスクマネジメント(RM)支援事業を通じて被害を未然に防ぐ損害防止活動のほか、農家経営の生産性向上やコストダウンなどの支援を行っている。地域のニーズを把握しながらさまざまな活動に取り組んでいる。NOSAI団体のRM支援事業について共子さんが済太郎くんに聞いた。

 共 子 地域のNOSAIでは産業用無人ヘリコプターでの防除を実施していたわ。NOSAIは水稲共済や家畜共済などNOSAI制度の運営以外のこともしているのね。
 済太郎 NOSAIでは地域の実情に合わせながらRM支援事業を実施しているよ。無人ヘリ防除のほかには、行政やJAなど関係機関と協力した病害虫発生予察や土壌診断、生育調査、薬剤の配布などが行われている。

(7面・NOSAI)

ブドウ/棚下を明るく 着果量増やしても高品質 ―― 広島県立総合技術研究所農業技術センター(15面・営農技術)【2015年7月2週号】

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光反射マルチ・垂直枝配置栽培 収量は8割近く増加
 「光反射マルチを敷設すると棚下空間の光条件が向上し、垂直枝も配置できる」と浜名洋司研究員は、ブドウの葉を示して説明する。広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部は、園地に光反射マルチを敷いて増収を図る「光反射マルチ栽培」の技術を開発した。また、従来のH型整枝の棚から新たに畝の上に主枝を伸ばし、そこから棚下に垂らした新梢〈しんしょう〉にも実を付ける「垂直枝配置栽培」も併せて導入すると、収量が8割近く増加する。広島県世羅町安田で「シャインマスカット」「ピオーネ」「サニールージュ」などブドウ2.5ヘクタールを生産する株式会社サンワファームは、今年から露地シャインマスカット10本に導入し、収量や品質を確認している。

(15面・営農技術)

〈写真:光反射マルチ栽培と垂直枝配置栽培を導入した園地でシャインマスカットを確認する浜名研究員〉

政府が「骨太方針」決定 農業の競争力強化を明記(2面・総合)【2015年7月2週号】

 政府は6月30日の臨時閣議で「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)を決定した。農業の成長産業化を推進し、競争力強化を図る方針を明記。高付加価値化・生産コスト削減のため農地の大区画化・汎用(はんよう)化や維持・保全など土地改良事業を一層推進するとした。農業協同組合・農業委員会・農業生産法人の一体的な改革を実施し、意欲ある農業の担い手が積極的に活動できる環境を整備するほか、都市と農山漁村の教育交流、農観連携、都市農業振興なども盛り込んだ。

(2面・総合)

見直そう水田の生態系 生きもの調査のすすめ(11面・特集)【2015年7月2週号】

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 水田は多くの動植物のすみかを提供している。一方で、多様な生きものが生息していても、普段の農作業では気が付かないことも多いという。近年は農法や周辺の自然環境が変化し、水田で当たり前に見られた生きものが希少となっている。生きもの調査などを通じて目を向ければ、水田が持っている生物多様性の価値に気付くかもしれない。調査の意義について、NPO法人生物多様性農業支援センター理事長の原耕造さんに聞いた。また、この時期に見つけやすい生きものや調査方法の例も紹介する。


多様性の保全へ工夫を
 「有機農家の水田の方がトンボや水生昆虫などの種類や数が豊富だ。しかし、慣行水田に生きものが全くいないわけではない。よく探せばいろいろな生きものが見つかる」と農業環境技術研究所・生物多様性研究領域研究専門員の田中幸一さん。
(11面・特集)


〈写真:農業環境技術研究所・生物多様性研究領域研究専門員の田中幸一さん〉

管理徹底し期待に応える花苗受託栽培【岩手支局・2015年7月2週号】

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 【岩手支局】高品質な花苗の安定生産に取り組む宮古市区界の日野充さん(34)は、花き類の種苗の受託栽培を行っている。生産者から信頼される苗を作るため、栽培に適した土作りや徹底した観察で、安定供給を目指している。
 日野さん方では種苗会社からの委託を受け、ハウス22棟でデルフィニウム(約50万本)やキンギョソウ(約20万本)、スターチス(約10万本)などの苗を栽培。春先に培土・発芽・生育の試験を行ってから生産に取り組む。「苗は生産に大きく影響するので、出荷先の農家に迷惑がかからないよう、種苗の管理は常に慎重に行っている」と話す。
 土作りでは、ピートモスやバーミキュライトといった用土や肥料などを攪拌(かくはん)し、微調整しながら品種ごとに適した培土を作っている。充さんは「発芽不良の原因が土となることのないよう土作りには注意を払っている」と熱心に取り組む。

〈写真:培土による生育試験で観察する充さん〉

60年続く露地イチゴ産地支える【秋田支局・2015年7月2週号】

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 【秋田支局】全国的にハウスを利用したイチゴ栽培が主流となる中、露地栽培を続けている地域がある。湯沢市秋ノ宮の湯沢市いちご生産集出荷組合(沼倉美喜夫組合長=65歳)は、半世紀以上前から取り組み、露地の作付面積は全国一。高品質生産を続ける。
 湯沢市の旧雄勝町秋ノ宮でイチゴの栽培が始まったのは約60年前。同組合は生産者75戸(面積8.5ヘクタール)で組織し、東京大田市場などへ主に業務用として出荷。毎年売り上げ1億円を目標に取り組んでいる。
 秋田県立大学で開発された「はるみ」と「ニューはるみ」を露地栽培し夏イチゴとして手掛ける。昼夜の温度差が大きくなるため実が引き締まり、歯ざわりが良いという。日持ちの良さも関東方面への出荷の強みになっている。沼倉組合長は「冷涼な秋ノ宮地区だからこそ、おいしい夏イチゴを作ることができる」と自信を見せる。

〈写真:露地でイチゴを栽培する湯沢市いちご生産集出荷組合(左が沼倉組合長)〉

サトウキビ作りの伝統を次世代へ【静岡支局・2015年7月2週号】

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 【静岡支局】掛川市南部地域(旧大須賀町横須賀)は、江戸時代から現在まで続くサトウキビの産地で、北緯34.5度に位置するサトウキビ栽培の北限といわれる。この地で作られる砂糖「よこすかしろ」を子供たちに伝えていきたいと鈴木武史さん(よこすかしろ保存会代表・57歳)は奮闘する。
 砂地を利用して作られるよこすかしろは、別名「白下糖(しろしたとう)」と呼ばれる高級和砂糖だ。黒糖よりもあくを丁寧に取り除くため、さわやかな後味が特徴で、ミネラル分を豊富に含んでいるため健康にも良い。
 よこすかしろは、4月に苗を植えて11月に収穫。その年の気候によって出来が大きく左右される性質があり、年によっては収穫量がゼロになってしまう。「よこすかしろブランドを仲間と大切に、未来につなげたい」と鈴木さんは話す。

〈写真:サトウキビを背景に鈴木さん〉

レモンの搾りかすを飼料に豚を飼育【愛媛支局・2015年7月2週号】

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 【愛媛支局】柔らかでジューシー、一度食べると忘れられない味――。青いレモンの島で知られる上島町岩城島で、レモンの搾りかすを飼料に育つ「レモンポーク」が評判だ。
 島内で養豚を営む松浦史拓さん(40)が、「岩城はレモンの島だから、そこで育つ豚はレモンポークだ」と、ブランド化を考えた。その過程で、岩城特産のレモンの加工品を作る際に廃棄物となっていた搾りかすに着目。試行錯誤の結果、搾りかすを飼料に、その排せつ物を有機堆肥にして、かんきつ農家の畑に返し、再びレモンができる循環型農業を確立した。島で出るレモンの搾りかすの全量(昨年度実績28トン)を松浦農場で消費する。
 「この堆肥をやると、レモンの根がしっかりすると言われます。豚がちゃんと島の一部になって、初めて岩城島のレモンポークになったんです」と松浦さん。

〈写真:大切に育てている子豚と松浦さん〉

地域期待の猟友会最年少会員【新潟支局・2015年7月2週号】

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 【新潟支局】新潟県猟友会柏崎支部の戸澤俊介さん(21)は、同支部の最年少会員だ。同支部は10の分会で構成され、所属する柏崎分会は35人の会員で構成されている。
 戸澤さんを指導する、同支部柏崎分会長・松﨑重勝さん(71)は「猟友会の会員となって約50年間になりますが、20歳で猟銃免許を取得した人はほとんどいません。若い人の猟友会への参加は大歓迎」と話す。
 戸澤さんは「獲物を仕留めたときの喜びはとても大きいです。今年はイノシシ猟にも参加したい」と話している。

〈写真:猟銃をチェックする戸澤さん(右)とアドバイスする松﨑さん〉

双子の馬が誕生 元気に育て【北海道支局・2015年7月2週号】

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 【北海道支局】「馬を飼って40年になりますが、双子が元気に生まれたのは初めてです。母馬が出産後も健康なので安心しました」と話すのは稚内市の米田貢さん(64)。所有する重種馬が、6月3日に双子の子馬を無事出産し、地域の話題となっている。
 子馬は鹿毛(かげ)の雄と栗毛の雌で、母馬は地方競馬で活躍した「ソウヤミサキ」。近隣組合員も「本当に珍しいね」と驚きの声を上げている。
 宗谷地区NOSAI北部診療所の佐敷諭(さしき・さとし)獣医師は「単胎動物の馬種が、双子を生むことはとてもまれです。双子の子馬が正常に生まれるのは分娩(ぶんべん)馬千頭中1頭ともいわれています。そのような少ない確率で生まれた双子の子馬たちには、この先も元気に育ってほしい」と話す。

〈写真:子馬の世話をする米田さん」〉

防風林「納豆の日には国産大豆の生産振興を考えよう【2015年7月2週号】」

 ▼「所変われば食も変わる」といわれるが、顕著なものに納豆がある。東日本では好んで食べられるが、「独特の臭いと糸を引くのが苦手だ」と敬遠するのは西日本の人に多い。
 ▼7月10日は「納豆の日」、由縁は「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせ。関西の納豆協同組合が1981年に地域限定で制定したのが最初。全国的な記念日になったのは92年。
 ▼全国納豆協同組合連合会の情報サイトによると、縄文時代後期に食していた可能性が高く、納豆の語句も平安時代の『新猿楽記』(藤原明衡著)に登場しているというから立派な伝統食。普及の領域が偏るのは、東日本は冬場に雪で覆われ、保存可能なタンパク源として好まれたのが理由らしい。
 ▼総務省の家計調査によると、納豆の地方別世帯当たり年間支出金額は、東北が5千円を超え北陸・北海道・関東と続き、近畿以西では九州を除いて東北の半分程度しかない。
 ▼納豆菌やイソフラボンなどの効能が評価され健康食としても定着。北海道産極小粒「スズマル」は銘柄納豆で人気という。国産大豆は現在、需要高で14年産は60キロ当たり1万4千円と高値傾向だ。納豆の日、一食多めに国産大豆振興に寄与しよう。

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